風穴尾根縦走
風穴尾根 (丁須の頭より撮影)乱立する角のような岩峰を登り続けるのはある種の爽快感があった 手前の白い線が1回目のルート。 後ろの白い線が2回目のルート |
風穴尾根縦走
妙義山には穴という名の付く場所がある。星穴岳とこの風穴尾根だ。
片方の星穴岳は登山禁止であり、風穴尾根は久しく登山コースというものがない。要するに現在その両方を簡単に訪ねることは出来ない。名だたる風光明媚でありつつ、登山はままならない、というのは残念なことだ。
昨年なんとか星穴岳に登り、星穴を無事に眺めることができた。今回も妙義の代表的バリエーションの登攀を兼ねて、その風穴を拝みに行くことになった。
しかし問題なのは鶴峯山までの登攀と、それ以降のP1からP9の岩峰の通過だ。2つの核心部に抱かれた風穴を無事に拝むことができるだろうか。

夜明け直後の風穴尾根、鶴峰山
パート1 大迷走
2003/9/X
mike A氏 Cさん
装備9ミリ×40m二本。ハーケン7本 シュリンゲ各種など
妙義のバリエーションに幾度か登っているのだが、それぞれ一筋縄でいかない手強さがある。最高で西大星の四回、星穴岳で2回、と厳しくて不明確なコースが多い。
今回も出だしは大迷走となってしまった。登れなかった、ということについてダメだ、とは全然思わない。それだけその山についてのことを知ることが出来る訳だから楽しみは倍増する訳だ。
今回は鶴峯山に至る岩壁の登攀を第一の核心部、鶴峯山のP1〜P9までの通過が第二の核心部と判断した。それで風穴尾根の縦走はその2つの核心部の通過のために相当な時間が必要であると判断した。9月下旬であれば朝は5時過ぎあたりから明るくなる。なので逆算して東京を深夜の3時以前に出発すれば夜明け過ぎに登山を開始できる。それで深夜3時過ぎに東京出発を予定にした。
深夜3時に起きるのはいい加減眠い。
車に乗り込み、無人に近い関越を一路妙義に向けて車を走らせた。BGMは最近購入したマイクの音楽。
5時半にコンビニに着き、A氏等と合流。
国民宿舎の駐車場から鶴峯山を眺める。右に台形の形をした前衛峰、左には丸い形の鶴峯山が夜明けの薄暗いそらに聳え立つ。
国民宿舎は泊まり客以外の駐車は禁止。なので林道の路肩にて車を止め、装備を付けて早々に出発する。
宿舎の左に道があり、沢沿いに進む。沢を渡ると左に行く巡視道の道標がある。すぐ先に沢が見える。この沢は鶴峯山の頂の岩壁まで突き上げている、と後で確認できた。
ここは本道の右を行く。沢を再び渡る手前で尾根があり、踏み跡らしきところを見つける。赤テープもあるので多分これだろう。踏み跡は尾根沿いに続いていて、ヤブも薄い感じだ。
時々左に道が分かれる所があったが、何も疑わずにドンドン登り続ける。昭文社の地図には尾根から左へ外れて沢から左の尾根に踏み跡の印が書いてある。しかし僕等はそのしっかりとした踏み跡を疑いもせず、地図も見ないで登り続けてしまったわけだ。
尾根の途中に大木が行く手を遮る。左から回り込んで登っていくと、左に涸沢が見え始め、前方に崖で終わっていた。このガケは左から回り込んでザイルを使って登った。
尾根の下を踏み跡らしき所を登っていくと今度は涸滝が見え始めた。ヤブで良く見えないが、かなり高いようで、直登は無理。少し戻って尾根に出て、再び尾根を登る。しかし急だ。
すぐに岩壁となる。左にはバンドがあり登れそうなのでザイルを付けて僕が行く。しかし10mも登ったところで、バンドが途切れ、垂直になってしまった。あと3mくらいだが、安全を期して一旦降りる。今度は右から巻くように進むと5m先に潅木が続いていてなんとか行けそうだ。
トラバースの途中に赤テープがあり、多分先行者もあちこち登ってからここを選んだようだ。一応正解か。バンドを登りピッチを切る。その上は緩いクラックがありA氏が登る。もげそうなホールドを慎重に掴んで潅木まで5m登り、ヤブにてビレー。
急な尾根を登っていくとまた岩壁となり、右から回り込む。登っていくと岩稜に出ることができた。ここからの眺めは素晴らしかった。星穴岳から、西岳、金洞山、相馬岳。左には御殿から丁須の頭。下を見れば巨大な塀のように続く木戸の奇観。まるでアマゾン付近のテーブルマウンテンに出て来そうな奇怪な眺めだ。
ここにある岩稜を直接登れば岩稜帯の上に出ることができたのだが、下にある岩根の歩きやすそうな場所に眼がいってしまい、ついそちらの方向に進んでしまった。
一休みしたあと、その岩稜の下を進む。その後は岩稜の直登は無理で岩根を右に巻きながら進む。前方がルンゼとなり、斜面を下って渡れそうな場所を選んでトラバース。それを2回繰り返し、3個目のルンゼは深いのでザイルを出してルンゼの下まで懸垂下降し、そこら斜面を登り対岸の尾根に出た。
ここから前方に白い巨大な壁が見える。右下から登ってくる、木戸から続く岩壁のようだ。下の方に巨大な壁のコンタクトラインにルンゼが見え、ルンゼ沿いに登れば巨大な壁に沿って登ることになり、岩壁の上に行けそうだ。しか途中相当な困難さが待ち構えているのは間違いない。
僕等は今いる尾根に沿って登ることにする。上部は急になり、そのうち岩峰の基部につき当たった。左に踏み跡のようなものがあり、そこを慎重に登る。途中から視界が切れて良い眺めとなる。テラス状で見晴らしが良い。岩峰を回り込み、左にに沿って登る。上が垂直の壁で付け入る隙などなにもない。
回り込んだ先は崖となりそれ以上は巻くことができなくなる。左には3mほどの岩がピナクルのように起立している。右の岩峰には潅木が生えていて、そこしか登るところがない。それでその潅木沿いに3m登っていくと小さなテラスとなる。その上は垂直な凹角だ。思案していると潅木に赤いテープが巻かれていた。先行者も迷い迷って、ここまで追い上げられたようだ。先行者もここ以外に登るルートはなかったようだ、僕等とて同じだ。
ザイルを付けて僕が登る。垂直の凹角には潅木があり、ランニングをしっかりと取る。しかし5mも登り最後の潅木の上はなにも無くてあと2m上に頂付近のヤブが見える。潅木の上に乗ってヤブをつかめば頂に立てそうだ。しかしかなりヤバイ。
一旦降りて相談する。しばらく前から地図を睨みつつ登っていたのだが、ルートは目的ルートから大きく右にずれていると分かっていた。このままこの岩塔を苦労して登ったとしても標高的にまだまだ上がありそうだ。それに今度はどんな岩壁が待ち構えているかもしれない。
A氏も挑戦したが、無理して登っても時間的に遅くなりそうなので降りてもらう。
12時ではあるが早々と降参して下降開始する。
Cさん曰く、「登山と言うより冒険みたい」と賛辞というよりもタマゲタという感じの言葉をもらった。
これ以上登ると返れなくなるかも、という不安も出てきて。さすが妙義のバリエーション。一筋縄ではいかないところが最高。と僕は関心とも感動ともつかない気持になった。また来られるのが嬉しい、という気持も噛みしめた。
それよりちゃんと帰れるのかな。慎重に降りようゼ、などと何時もの如くA氏と話す。まあ星穴岳は2回、西大星なんかは四回も挑戦した訳だし。一回で登れたら面白みがないとすら言えてしまう。
見晴らしテラスから45mの懸垂下降をし、その後も下降と懸垂を交えて降りる。所々不明箇所もあったが、見覚えのある場所に着くと、ちゃんと降りられたとの安堵感がこみ上げてきたりした。
沢で顔を洗い、国民宿舎手前で装備を仕舞う。Cさんの足にヒルがいたのには驚いた。足から血が流れ、初めての体験のようだ。僕の靴にもヒルが一匹いて思わず掴んでしまった。あのニュルッとした感触は気持悪い。
装備を整理したあと解散。僕は一目散に関越を目指しスピードを上げた。だって関越は遅くなるとすごい渋滞なんだからして。
今回は小型GPSも用意してもらって望んだのだけれど、ヤブの尾根道にある踏み跡が案外シッカリしているため、GPSを見もせずにドンドン登ってしまった。途中別の踏み跡らしきものが何度か交わったが、尾根の踏み跡が明確すぎて迂闊に登ってしまった訳だ。
それにあの赤テープも判断を迷わせた。赤テープの先行者は目的を持ってあのコースを登っていたのだろうか。実際問題、最後のテラスにあった赤テープの先行者はあの凹角を登り切ったのだろうか。そのあと上に登ったのだろうか。すごい疑問が残る。
タイム
国民宿舎6;30--6:50ヤブ尾根入口--7:00沢のツメ--11:30岩峰テラス12:00--13:50国民宿舎
パート2
風の走る道
風穴と8つの角
03/10月X日 晴れ C(自分) A氏 B氏
9mm40mザイル1本 9mm30mザイル1本、ハーケン7本
前回入口は合っていたのだが、僅かに右に曲がっていく尾根に入ってしまった。そして最終的に岩峰の前衛峰の下に出てしまいにっちもさっちも行かずに敗退してしまった。
今回は友人に市販地図(昭文社)に載っている風穴尾根の踏み跡ルートをパソコンに取り込み、それを加工して小型GPSに移し変えるという作業をしてもらった。
前回もGPSを持ってきてもらったのだが、その機械は一世代前のもので、二万五千図の等高線図をダウンロード出来ないとのことだった。
今回のGPSは二万五千図が完璧にダウンロードできるものである。その上に昭文社に描かれた踏み跡を書き込んで準備万端整った感じだ。機械は僕のではなく同行のA氏のものだ。
今回万一時間切れで登れない場合は、一旦下山して国民宿舎に泊まり翌日再度挑戦する、というかなり本気モード、気合万全な計画だ。
装備も9mmザイル二本、ハーケンは7本、と万全を期した。
東京を朝三時に出発し、無人のような関越を妙義に向かってひた走った。夜明け過ぎに妙義に着き、254線沿いのいつものコンビニにて食料を買い込む。ついでに朝飯も食べた。
裏妙義の道にに入り、国民宿舎にて駐車。装備を付けていざ出発〜つ。
前回は沢を渡りそのまま登山道を登って、地図上の踏み跡地点から登り始めた。しかし今回はそれをやめた。何故かというと踏み跡地点からだとその上部に踏み跡らしきものがあちこちにあって判断を迷わすからだ。
なもんで今回は上部でいずれ合流するだろう小沢を下から登ることにした。沢を渡り、少し行くと巡視道の立て札がある。そのすぐ先のところに沢が細々と水を流している。これを登れば確実に踏み跡と合流する。GPSはその沢らしき場所を指し示している。
沢は水の流れは僅かで、靴を濡らすこともない。ナメからゴーロとなり大岩2つ行手を阻むように横たわっている間を通る。その先で沢が分かれ左に入る。今度は大岩がが散在する場所となる。
岩が2個、沢にあるあたりでGPSが道の横断している箇所を指し示した。よく見ると左に涸れたルンゼが入り込んでいる。これが道とは思えないけれど当たらずとも遠からずだ。その涸れルンゼを登る。
ルンゼを登り、少しで急斜面になるので左に移って小尾根に出る。そこから小尾根を辿る。尾根には踏み跡らしきものがある。「これ道じゃないの」と友人が言うが、獣道とも見える。
そのまま登っていくと大きな尾根に出た。そこには踏み跡らしきものがあった。それに下に続いている尾根にはシッカリした踏み跡が上がってきている。この道を上がってくれば一番いいんじゃないのか、と思ったが下の入口が不明なのだからダメだろう。
踏み跡も見つかったし、ヤレヤレ一安心。そのまま登り続けることにする。登っていくと左の沢が近づいてくる、ここから直線で15mくらいの近い距離となる。万一あの涸れルンゼを登らなくても、沢を詰めてから左の尾根に移っても正解だろう。
かなり明確な尾根だが、だんだん急になり大岩とかを回り込んだりする。第1の岩場となり右から回り込んで上に出た。ここは割りと視界も良く周囲が見渡せる。ここで鶴峯山も間近に見える。
右には前衛岩峰がありルート的に前回あの下あたりまで行ったようだ。あのまま登ってもまず登れなかったな、と思った。
急な尾根を登っていくと第二岩場となりここも右から巻いて行く。しかし下はルンゼのツメで絶壁で恐ろしい。
岩場の上は尾根もなだらかとなる。周囲は落葉樹で緑が美しい。前方の鶴峯山を垣間見つつ登るのは気持よい。尾根は右にゆるくカーブし鶴峯山の岩壁の下に着いた。
着いた場所には30mほどの高さの白いピナクルがある。資料によるとこのピナクルから右の岩壁下の明確な獣道を巻いて行くようだ。しかしそれだと上部はかなり困難というか危険と書かれていた。
僕等はとりあえずピナクルの左を巻いてみることにする。少し巻くとピナルルの裏に急な斜面だが登れるルンゼとなる。木伝いに登っていくとピナクルと岩壁のコルに出た。チムニーのような狭さだ。反対側の眺めも僅かしか見えない。
岩壁はそれほど急ではないし、所々潅木もあるので登ってみることにした。
ありったけのカラビナとシュリンゲを持ち、まず右の潅木を目指す。5m登ってランニングを取り、今度は左斜上する。かなり急になるが、いまだ根を張り、葉を繁らせている倒木をホールドに2m登ると少し傾斜が緩む。
今度は右斜めに上がるバンドらしきものを慎重に登り棘の生えた木を目指す。下から「あと5m」のコールがあり、棘の生えた木を過ぎてしっかりした潅木にてピッチを切る。
次のピッチは左から左斜上し急な斜面を潅木をつかみつつ乗り越える。10mも登っていくと潅木も増え緊張感もほぐれてくる。潅木帯で30mもザイルを伸ばしたところでピッチを切る。A氏、B氏と続く。
傾斜もゆるくなってきたので、ここからはノーザイルで登る。左寄りにある岩場を登り、潅木帯に入り、そのまま急斜面を潅木をつかみ登る。
傾斜が緩み頂らしきところに着いた。ヤブと潅木でほとんど視界がない。そのまま行くとやや下り斜面となったあとゆるく登る。そのまま登っていくと頂らしきところに着いた。
ここからは赤岩、烏帽子岩などが枝葉の間から見える。荷物を置いて、再びもと来た方に戻る。先ほど上がってきた先にすこし高い所があるので、そこまで行ってみる。潅木が途切れて展望が広がった。星穴岳、相馬岳方面が良く見える。上から見上げていた前衛岩峰はもはやはるか下だ。国民宿舎がマッチ箱のようだ。
展望を見た後、先ほどの頂に戻る。ここが鶴峯山であることが分かった。ここで久しぶりに安心して休憩を取る。よくもここまで登れたというのが実感だ。しかしまだ道は半ばだ。
鶴峯山から同下降する場合は今登ってきたルートの場合は30mザイルの場合は3ピッチくらいの懸垂下降となるだろう。まず懸垂下降しか考えられない。
休憩のあと、頂から急下降するヤブ尾根を下る。しかし潅木もあり割と下りやすい。
P2は岩壁なので岩の基を左から下降気味に巻く。途中で急なルンゼを登ってみるが上で詰まってしまった。無理やり行くのは禁物なので20m懸垂下降する。さきほどの登り出した地点まで戻り、そのまま巻いていく。またルンゼがあり上にチョックストンのような感じで岩がある。急なルンゼを登りチョックストンの下をくぐると枝尾根に出た。
この尾根を登っていくとP2の下のコルにでた。左をまき気味に行き、30mのヤブの岩稜を登ると展望の良いピークに到着。これがP4のようだ。
![]() P4からみたP5からP9。その上に風穴尾根の頭が見える |
ピークの上は潅木もなく周囲は一望できる。それにしても凄い展望だ。今まで見てきた景色とは違い、赤岩、烏帽子岩が間近に迫っている。そして風穴尾根の頭にいたる岩峰群。まるで動物の角のようにニョキっと突き出た異様さ。P5からP9まで途切れることなく連続している。振り返れば同じような岩峰がP3まで間近に威圧的に並んでいる。
この先どうなることやらと期待と不安がまざった感じだ。
しばし休んだあと再び出発。P4から30mほど潅木のある岩稜を下る。下はP4とP5のコルだ。P5はここから登るのは無理。左から巻く。下ったあと巻き気味に登るとP5とP6のコルにでた。
ここから手前のP5は登れそうな傾斜だ。ピークは傾斜もゆるく登れそうなのまで途中まで登る。しかしあちこちにあるコブシ大の浮き出たホールドは物によってポロリと剥がれるものもあり、冷や汗が出てきた。頂まであと5mもないけど諦めて降りる。ちゃんとザイル使用なら上まで登れたけれど、その時は先のこともあり安全を考えて中断した。
P6は幅1.5〜2mほどの幅しかない岩稜だ。登っていったら途中で折れて崩壊してしまいそうだ。「これを登るのはヤバイよ」ということでP6の左を巻くことにする。
![]() 風穴は尾根のドテッ腹に開いていた。 |
岩の基部の潅木伝いに歩いていくと、ありました風穴。これぞ風の吹きぬける尾根。よくもまあこんな穴が出来て、かつ崩壊せずに残っているもんだ。一見脆いようでいてその実堅牢なのかも。星穴に続き、風穴も実際にみて妙義二大穴を見られた実感を味わったりする。記念写真を撮り出発。
今度も左を巻き気味に下降していく。しばらく降りて行くと右手にV字のスラブ状ルンゼが突き上げている。ここは登れそうなので、ダメもとで登り出す。ルンゼはだんだ急になったことろコルに出た。
この先のピークも先ほどの2mくらいの岩稜だ。ここも無理みたいだから巻くしかないかと思った。しかしまたあのV字スラブルンゼを下降するのはキツいな。しばし思案する。
前方の風景をよおく見るとその先にはハングした岩峰が見える。あれはP9だ。ということはこの先の小ピークはP8ということになる。という事はP6は通過し、ここはP7とP8のコルだ。
記録によればこのピークを馬乗りで通過したと書かれていた。そんな訳で恐る恐るピークに立ち、幅が馬の背中くらいしかない岩稜を馬乗りではなく這いずったり、尻でズリながら慎重に進む。緊張感最高。下を見たら目が眩む。その先は岩稜の突起から右にあるバンドをトラバース気味に下降する。落ちればとりあえず40mくらいダイブして潅木帯に着地か。しかしバンドは思った以上にフリクションがあり殆んど滑ることもなくP8とP9のコルに降り立つことが出来た。しかし汗が滲む。
コルからP9の岩の基を左右を見るがかなり急で降りるのは大変だ。どちらかと言うと右の方が踏み跡がありそう。しかし最初は懸垂下降でないと無理。5m懸垂下降して緩傾斜に立ち、そこから小尾根の踏み跡を辿る。潅木帯に続く踏み跡を一旦下ってから登りコルに出た。
![]() P8を下る。左右はスッパリ切れている。左下はP9 |
P9は後ろだ。ということはもう核心部は過ぎた。約7時間緊張が続いていたので、安堵感がドッと押し寄せる。
しかし安心はせず、最後の風穴尾根の頭まで気を抜かずに行くことにする。最終コルからは落葉樹の樹林が続く急な尾根だが、それだけでもホッとする。
迷うことなく登り、30分ほどで風穴尾根の頭に着いた。この頂は何の変哲もないヤブの突起みたいな感じだ。フィナーレは渋いものだった。
ここから15分で峠の三方境に到着。下降は一般登山道を下って中木林道に降りた。
僅かにある稜線の道はすべて岩稜となっており、そこから見える景色は空中から眺めているような感覚に襲われた。
岩稜の道には、潅木中の道にはない
涼やかな風が吹いていた。
岩稜の道を歩くごとに風が吹きぬけ、
その風の吹き抜ける道をたどることは
このうえもなく楽しいものだった。
国民宿舎6:25--6:55尾根下ルンゼ--7:30鶴峯山見える岩場--8:05岩壁下--10:00鶴峯山10:20--11:30P411:45--12:10風穴--12:55P8--13:10P9先コル13:20
--13:55風穴尾根の頭14:15--14:30三方境--16:00林道
下あり