茗溪堂閉店


2011/7/22

茗溪堂が閉店してしまった。
今日HPで確認を取ったのだけれどやはりだった。
実は二日前に神田の書店に本探しに行っていた。もちろん山岳書だ。いつものごとく神田の悠久堂に行き、古書の山岳本を端から端まで呆然かつ慎重に確認し、気になる本を開いてじっくり眺めたりした。
かれこれ1時間もそうやって時間の立つのも忘れる感じで過ごした。
今回は自分にとって良いと思われる本がなくて、それでも一冊購入した。
そういった本を眺めている最中に下のレジで21日で終わりだから、何冊か手配してもらう、とか何とか話していた。
その話で、何処かの人が大量の本を手放すか、それとも古本屋さんが店を閉めるのかななどと思った。
その日はあと数件見てから、帰るつもりだったが秋葉原にもよろうと思い、御茶ノ水方面に向かった。
御茶ノ水に行くなら当然
茗溪堂にも寄ることになる。1階と2階は楽器店になってしまったので
その上まで階段を上がる。店内は山岳本一色で他にあるとすれば「本の雑誌」とそのバックナンバーだ。
いつきても山の世界がそこにある感じで、古本以外ではほとんどここに揃っていると言っていいかもしれない。
ここも一冊一冊目で確認しながら、気になる本は中を見たりした。その途中で
電話があり、店の人が電話で何か話していた。その中で「21日までなんで、何冊ですか」と話していた。
21日というのが耳にひっかかった。まさかこの店が21日で閉店になるのか。一瞬立ちすむ。
そのうちまた電話があり、その話の途中ですも21日と繰り返していた。

話の内容はよく分からないけれど、何か残念そうな話し振りだった。
その年配の方に、その件を話そうかなと思ったけれど、なんだか悪い気がして、一通り見終わったあと
店を出た。
何だか気が重い状態で、間違いであってほしいと思いつつ帰宅した。

ずっと気にかかっていたので昨日も確認したがその時はその雰囲気もなかった。
しかしさっきHPを確認したところ閉店の旨の告知があった。
かなり残念だ。
あの本屋さんはずいぶん昔から通っていた。山岳本を探す場合神田の古書店から御茶ノ水に向かうのがいつものコースだった。
以前はたしか1階から3階まで山岳本が並んでいた気がする。
近所にない本はあそこに行けばほとんど見つかった。
今や山ガールを筆頭に中高年のハイカーや若い男性までも山に出かける昨今だ。
しかしその恩恵は店まで回ってこなかったのだろうか。
現在の場合、そういった山に出かける人は山の初心者からハイカーくらいまでの範囲なのだろうか。
そのために専門的な山岳本を購入する人というのが発生せずにいるのだろうか。
また古書や新刊本も現在ではインターネットの普及でアマゾンならば数日で家まで配達してくれてしまう。
それに地方であっても欲しい本があったら、そこから取り寄せることもできる。
そんなこんなで店という形態の必要性が減ってしまったのかもしれない。
僕であってもインターネットでの本の購入は一度や二度ではない。
しかし、それでも神田や御茶ノ水は時間があれば出かけて、自分の知識の領域外の本を
眺めて、中身を見てそして購入するというのは大変な楽しみだった。
要するに領域外の知識に触れる楽しさだ。自分が知っていると思っている領域がいかに狭いかを
分からせてくれる、そういった空間だった。
そういった本は手にとって中を見なければ自分としてはリアリティが出てこない。
神田や御茶ノ水でそういった本を何冊も買うことができた。
神田や御茶ノ水は自分の若い時の山の思い出の一つだ。
そういった店に入ることで思い出や、今後の山の展開などが頂から眺めるように広がっていた。
そういった諸々の思い出や展開や知識や空間がなくなってしまうというのはすごくさびしいことだ。

 しかし今後も神田には出かけることにしている。手に取っての本探しはリアリティがあるので

茗溪堂さまお疲れ様でした。そしてありがとうございました。







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