〈伴性血縁血統表〉で読む名牝たち(後編)

 こちらからの続きです。



Suleika 1954 牝 栗 ― *スタイヴァザント、Slip Anchor らの祖母
Terra
1929 黒鹿
Aversion
1914 黒鹿
Nephte
1903
Vampire Flying Duchess
Irony
Fanny Isola Bella
Frivola
Antwort
1907 黒鹿
Morganette Viridis
Lady Morgan
Alveole Chopette
Ste. Alvere
Teufelsrose
1918 黒鹿
Rose Bay
1891 鹿
Violet
Melrose [F8-g]
Miss Ann
Violet
Rose of Lancaster Marigold
Rouge Rose
Rosanna
1912 鹿
Mimi Ballyroe
Lord Lyon Mare
Rose of Jeddah Moorhen
Rose d'Amour
Schwarzblaurot
1947 黒鹿
Mafalda
1927
Wiener Madel
1911
Gravity Aline
Enigma (F2)
Danubia Sappho
Austria
Madam
1918
Doris Pilgrimage
Lauretta
Signorina Sappho
Nora
Schwarzgold
1937 鹿
Aversion
1914 黒鹿
Nephte Vampire
Fanny
Antwort Morganette
Alveole
Schwarzliesel
1931
Orchidee Morganette
Orseis
Schwarze Kutte Absurdity (→★)
Raiment (→■)
SireLine 改メ HeartLine

 さて、牝馬クロスといえば、ドイツ的系統繁殖の得意技、〈牝系の戻し交配〉を抜きには語れません。ドイツの伝統的生産者は、しばしばX染色体径路上に強いクロスを発生させています。そうした手法を観察するための絶好の材料が、ドイツきっての名門「シュレンダーハンのSライン」。ここではその中興の祖であるズライカ Suleikaを取り上げましょう。孫の代までにドイツのクラシック全てと英ダービーを手に入れてしまった彼女は、日本でもビワハイジやマンハッタンカフェの曾祖母として知られています。
 上表でわかる通り、この配合の主軸となっている Aversion の強いクロスは、実は祖母シュヴァルツゴルト Schwarzgold (1937 牝 鹿 by Alchimist ― 独ダービー&オークス制覇!)の持っていた Morganette クロスを繰り返した形でした。なるほど見事な〈戻し交配〉です。…しかし、それだけで済まないのがドイツ式馬産。右端の小欄6代目まで含めて(略号が分かりにくければこちらの6代表で)もう一度よく考えてみましょう。

 ……そう、くすんだブルー表示のクロスで示されているように、当馬の母シュヴァルツブラウロット Schwarzblaurot も、X染色体径路上に多重クロスを配したダブルコピー牝馬でした。しかも、曾祖母シュヴァルツリーゼル Schwarzliesel も、Feronia=Violet の全姉妹クロス(上表★)を配していたんですね。途中導入されているマファルダ Mafaldaテラ Terra らにしても、実はみなダブルコピー牝馬だと言えそうです。なんとまぁ念の入ったことで…。r(^^;;
 似たような工夫は、上記 Aversion が属し、また現代屈指の活力溢れる牝系でもある「シュレンダーハンのAライン」にも見られます。
 あちらで「中興の祖」に当たるのは、アナテフカ Anatevka (1969 牝 栗 by Espresso ― Anno、Anatas らの母。Apollonios、Urban Sea、King's Best らの祖母。Tertullian、Galileo、Anabaa Blue らの曾祖母) ということになるでしょう。
 つまりドイツ血統最大の秘密とは、〈牝系の戻し交配〉によって、代々怠ることなく(ただし少しずつ焦点をズラしながら)、主にX染色体径路上でクロスを重ねてきた点に他なりません。明らかにハイリスクハイリターンであるはずのこうした方法論は、生産規模をむやみに拡大せず、育成段階から競争生活にかけての厳しい選抜体制を維持することで可能になったもの(=競争体系と生産活動の一致)だと言われています。

 さらに、こうした持続可能な成功は、系統繁殖の方法論そのものによって担保されているのも見逃せないポイントです。牝馬をダブルコピー化することにより、高い確率で、かつ特定の種牡馬を問わずに名馬を出すことができ、その結果、兄弟名種牡馬や姉妹名繁殖が生まれる。するとそれらをクロスさせることで、通常のクロスよりも小さいリスクで、効率よく資質を固定できる、というように。特に、ダブルコピー化するため牝馬クロスだけが欲しいときには、半兄弟種牡馬の存在は便利ですし、その牝馬クロスの対象となる存在も、優れたダブルコピーであるに越したことはありません。
 このようにドイツ血統の力は、不断の努力を施された馬資源とその方法論(=文化)の連携にこそあり、*スタイヴァザント・*スターリフトといった種牡馬を単発で輸入したとて、そのウマミを継続的に享受することなど、できるわけがないのでした。A(^^;
 それにつけても、ドイツ血統に隠された悪魔的なまでの執念と技巧、神々しいほどの誇りと信頼は、鞘次郎のような配合マニアを惹きつけてやみません。



シラオキ 1946 牝 栗 ― コダマ、シンツバメらの母。ヒデハヤテらの祖母
Athasi
1917 鹿
Molly Morgan
1889 鹿
Morgiana
1857
Miss Ann Lecerta
Bay Missy
Lady Morgan Alice Hawthorn
Morgan La Faye
Sissie
1881
Auricula Annette
Pocahontas [F3-n]
Saga Alice Hawthorn
Saccharissa
Athgreany
1910 鹿
Simena
1890
St. Angela Pocahontas [F3-n]
Adeline
Flying Footstep Marigold
Atalanta [F8-h]
Fairyland
1903
Miliora True Heart
Niniche
Stella [F22-a] Enchantress
Hollyleaf
第弐
スターカップ
1937
Needle Rock
1915 鹿
Roquebrune
1893 黒鹿
St. Angela Pocahontas [F3-n]
Adeline
St. Marguerite
[F4-n]
Seclusion
Devotion
Needlepoint
1908 鹿
Dead Lock Mineral
Malpractice
Etui Slice
Pindi
スターカップ
1930 鹿
Orlass
1914 黒鹿
Rhoda B. Bourbon Belle
Margerine
Simon Lass Datura
Kilkenny Lass
フロリスト
1919
Flair Isabel
Glare
第四フローリス
カップ
Cameo
*フローリスカップ
Florrie's Cup
SireLine 改メ HeartLine

 調子に乗って和製ダブルコピーをもう一丁 ―― 今度はシラオキ、「旧小岩井農場の至宝」として名高く、最近でも一族からスペシャルウィークやマチカネフクキタルを輩出した名牝ですね。
 さすがに、48戦を消化(通算成績はダービー2着を含む 9-9-10-20 )したタフな牝馬とあって、配合はアウトブリード寄り(Desmond:4x6、Gallinule:5*6x5、Isinglass:5x5)。しかしX染色体径路のみを拾った上記血統表では、意外にも St. Simon を通じた St. Angela のクロスが浮かび上がってくるのです。
 当馬の父の母アサシ Athasi(1917 牝 鹿 by Farasi) は、Blandford との間に、ドンカスターCの*アスフォード Athford、英ダービーと英愛セントレジャーを制した Trigo、ともに愛ダービー+愛セントレジャー勝ちの Harinero & *プリメロ Primero など、8頭もの全きょうだい活躍馬を残した名牝で、自身がダブルコピー牝馬でした。
 シラオキの代では、それを*ダイオライト(→ Needle Rock)内の St. Angela 〜 Pocahontas、*シアンモア(→ Orlass)内の Miliora や Marigold、*ガロン(→ Flair)内の Atalanta などで盛り立てている、そんな構図が見えます。
 ちなみに Miliora も、母のX染色体径路上クロスを継続したダブルコピー的配合。3/4同血の叔母に Maid of Kilcreene(Lady Josephine の祖母)がいます。
 シラオキのこうした構成を知りさえすれば、直系の曾孫を用いてダイレクトに Athasi をクロスしたレディーシラオキ(1978 牝 鹿 by *セントクレスピン ― スペシャルウィークの祖母) の配合が、どれだけ絶妙な「スルーパス」だったのか、ということもきっとおわかりいただけるでしょう。

 あるいは一般論として、ここでの*プリメロ&*ダイオライト、*プリメロ&*シアンモアは、いずれも緩やかな《エックス・ニックス》を形成している、と言うこともできます。「Xニックス」とは鞘次郎の造語ですが、(X染色体を伝えうる)ボトムラインやBMSライン上で接続した際に互いを増幅し合う、そんな関係を指しています。
 実例で言うと、Miliora クロスを作る*プリメロ&*シアンモアを用いたのが、トキツカゼ(皐月賞、オークス。オートキツ、オンワードゼアの2頭の年度代表馬の母)、その全妹トキツウミ(フェアマンナ、セルローズ、トキツヒロらの母)と、ほぼ同血の第参フラッシングラス(ミハルオーの母)らを筆頭に、トキノタカラ(ヤマニンモアー、ケンロクオー、健宝らの母)キヨハ(メジロオー、アサマフジ、メジロムサシらの母)、あるいはゴールドウェッディング(ブランドソールの名で桜花賞 他。ヤシマアポロ、タカハルらの母)とその従姉妹で同血のヘーレンフォード(サチフサ、ホウシュウクインらの母)といった面々。
 またシラオキ同様の二刀流では、女傑チェリオ(オークス2着、重賞5勝。ダイニカツハルらの祖母)や、ハクリョウの全姉であるシラハタ(メイヂヒカリ、グレイトスタンらの母)カネユキ(オークス-2着。オーテモン、カネハタらの父)がいますね。
 これら膨大な遺産は、ジリジリと目減りしつつも、今なお多くが各地の牧場に眠っています。スペシャルウィークや、南関の名馬キングハイセイコー(ヘーレンフォード系の4代目。母の配合はレディーシラオキに酷似)の例からも明らかなように、こうした遺産はもっと活用されていいのですが。


Rosy Legend 1931 牝 黒鹿 ― *ハロウェー、Dante、Sayajirao らの母
Golden
Legend
1907 鹿
Suicide
1876 黒鹿
Seclusion
1857 鹿
Palmyra Bacchante
Hester (F12)
Miss Sellon Crucifix [F2-i]
Belle Dame
Ratcatcher's
Daughter
1862 黒鹿
Pocahontas [F3-n] Trampoline [F1-t]
Marpessa
Lady Alicia Cervantes Mare (F1)
Testy
St. Lucre
1901 鹿
Feronia [F8-d]
1868 鹿
Alice Hawthorn [F4-f] Nancy
Rebecca
Woodbine [F8-c] Pocahontas [F3-n]
Honeysuckle
Fairy Gold
1896
Rouge Rose [F1-k] Alice Hawthorn [F4-f]
Ellen Horne [F1-j]
Dame Masham Mavis
Pauline
Rosy
Cheeks
1919 黒鹿
Justitia
1896 鹿
Gem of Gems
1873
Souvenir Whim
Birthday
Poinsettia [F4-h] Clarissa
Lady Hawthorn
The Frisky
Matron
1879
Rigolboche Pocahontas [F3-n]
Gardham Mare
Mayfair Cinizelli
May Queen
Purity
1903 鹿
Moorhen
1873
Seclusion Parmyra
Bacchante
Sister to Ryshworth Gardham Mare
Ventumna
Sanctimony
1896 鹿
Feronia [F8-d] Alice Hawthorn [F4-f]
Woodbine [F8-c]
Golden Iris Rouge Rose [F1-k]
Gardenia
SireLine 改メ HeartLine

 前編で挙げたホワイトナルビーの血統表で、一番下の部分に顔を出していたのが、我らが*ハロウェーDante・Sayajirao らの母、ローズィレジェンド Rosy Legend です。
 別項で「不世出の名花」と称した通り、彼女はX染色体径路上クロスを用いた、実に見事な配合馬でした。そのことは、こうやって伴性血縁血統表に直してみると、より感覚的に理解することができます。
 通常の血統表で言う所の St. Serf:4x4、Hermit:5x5、Bend Or:5x5 というX染色体径路上の3組のクロスは、牝馬のみによるこの表では、それぞれの母、Feronia:3x4、Seclusion:3x4、Rouge Rose:4x5 として表されます。

 特に注目すべきはアリスホーソーン Alice Hawthorn(1936 牝 鹿 by Muley Moloch ― グッドウッドC、クイーンズヴァーズ、ドンカスターC連覇の一流馬。Oulston、Thormanby らの母)を重ねてポンプアップした サントリュクレ St. Lucre。このダブルコピー牝馬は、Golden Legend の他に、ブサックの超名牝ザリバ Zariba(1919 牝 鹿 by Sardanapale ― Goyescas、Corrida、Abjer、Goya らの母) を輩出しています。当馬では、この St. Lucre と母方の Sanctimony が〈擬似クロス〉を形作っているわけです(伴性血縁6代目には Jocose も共有)。あるいはこれを、さらに大きく Golden Legend ≒ Purity の相似交配と見なすこともできるでしょう。――こうして見ると、その周到さには、つくづく感嘆を禁じ得ません。

 さて、〈擬似クロス〉や〈相似交配〉が繁殖面で有効に働くのは、後代において、片方を強調するだけで自動的にもう一方が連動する勘定になるから、でもあります。その点、Rosy Legend はきわめて「使える」パーツでした。
 先程の相似交配について言えば、前者を強烈なクロスで固定したのがスラバヤ Surabaja(1951 黒鹿 by Sayajirao ― ヌアージターフの祖母。カズシゲ、ダイナガリバー、ケントニーオー、マイネルプラチナムらの3代母)、後者を擬似クロスで上品に押さえたのがスターロッチ(1957 鹿 by *ハロウェー ― ハードバージらの祖母。サクラシンゲキ、サクラユタカオー、マチカネタンホイザ、ウイニングチケット、ロイヤルタッチらの曾祖母)、ということになるでしょうか。
 これらの中では、先輩ダブルコピー UgandaAthasi などとの親和性も、有効に機能しています。後者のXニックは、キヨツバメ(1958 栗 by *ハロウェー ― イシノヒカルの母)スズブエ(1958 牝 栗 by *ハロウェー ― キングブルースの名で新春杯。ダイセンプーらの母。レインボーアンバーの祖母)などにも見られる所。
 ですが、こうした無数のアプローチの中で、おそらく一番確実なのは、Rosy Legend 自体を直接X染色体径路上でクロスする手。日本では下に挙げるように、この方法がよく成功しています。Dante ら3兄弟も決して産駒数が多かったわけではないだけに、これには賞賛の言葉が見つかりません。

◆ ローズィレジェンド・リターンズ5 ◆
スプリングネヴァー(1992 栗 by サクラユタカオー ― ダイタクリーヴァの母)
ゴールドオーキッド(1989 黒鹿 by カブラヤオー ― マイネルプラチナムらの母)
コガネポプラ(1980 黒鹿 by カブラヤオー ― コガネターボ、コガネタイフウ、コガネパワーらの母)
フジハイホージョ(1974 黒鹿 by *シーフュリュー ― ジョージレックスの母)
カブラヤ(1965 黒鹿 by *ダラノーア ― カブラヤオー、ミスカブラヤらの母)
 今後の期待は、イイデスパーク(1988 鹿 by *ミルフォード)、テンペストシチー(1990 黒鹿 by サクラシンゲキ)、トップミーノット(1998 鹿 by ダイタクヘリオス)あたりですかね。


Selene 1919 牝 鹿 ― Sickle、Pharamond、Hunter's Moon、Night Shift、
Hyperion らの母。Eyewash、Mossborough らの祖母
Canterbury
Pilgrim
1893
Thrift
1865
Pocahontas [F3-n]
1837 鹿
Trampoline [F1-t] Gohanna Mare (F3)
Web [F1-s]
Marpessa Eleanor
Clare
Braxey [F10-d]
1849 鹿
Bassinoire Emily
Surprise
Queen Mary
[F10-a]
Pauline
Plenipotentiary Mare
Pilgrimage
1875
Madame Eglantine
1857 鹿
Crucifix [F2-i] Cressida
Octaviana
Diversion [F5-i] Defiance
Folly
Lady Audley
1867 黒鹿
Jocose Idalia
Banter [F14-a]
Secret Cervantes Mare (F1)
Mystery
Serenissima
1960
Mother
Siegel
1936
Flower of Dorset
1919 鹿
Blink Bonny Cervantes Mare (F1)
Queen Mary [F10-a]
Imperatrice [F2-k] Vulture
Eulogy
Galopin Mare (F5)
1917 鹿
Flying Duchess Barbelle
Merope
Mother Superior Whisper
Chanoinesse [F5-c]
Gondolette
1902 鹿
Pilgrimage
1875
Madame
Eglantine
Crucifix [F2-i]
Diversion [F5-i]
Lady Audley Jocose
Secret
Dongola
1883 鹿
Marigold Miss Twickenham
Sister to Singapore
Douranee Madame Eglantine
Fenella [F6-e]
SireLine 改メ HeartLine

 セレーネ Selene は、第17代ダービー卿が残した数々の遺産のうち、おそらく最大のもの。多くの方にとって、血統を学べば学ぶほど、その重要性を思い知らされる存在でしょう。
 当馬は22戦16勝、チェヴァリーパークSなどを制し、クラシックは登録がなかったにも関わらず、3歳牝馬チャンピオンに選出されました。
 鬼才ホール・ウォーカー大佐の手になるゴンドレット Gondolette をはじめ、自身の牝系、父方の牝系ともに数多くのダブルコピー牝馬が並んだきわめて優秀な一族で、当然のようにクラシックホースもぞろぞろ出てきます。
 そこへ、よりによってピルグリミッジ Pilgrimage(1875 栗 by The Palmer ― 英1000&2000ギニー。産駒 Canterbury Pilgrim & Jeddah で英オークス&ダービー両制覇)の濃いX染色体径路上クロス(通常血統表では「奇跡の血量」3x4、伴性血縁的には 2x3!)を敢行し、成功してしまったのですから、さぁ手がつけられません。(@o@; あいやー…
 15頭の産駒から10頭が勝ち上がり、うち「世紀の名馬」Hyperion は英ダービーをレコードで制覇しました。しかも、Selene の牡駒はそれぞれ種牡馬として(Sickle と Pharamond はアメリカで、Hunter's Moon は南米で、Hyperion はイギリスで)大成功を収めたのです。また牝駒 All Moonshine も、直仔 Mossborough や曾孫 Sir Tristram(こちらはオーストラリアの大種牡馬)を通じて、この血を世界へ広げるのに一役買っています。

 こうした Selene の成功は、偶然というよりもダービー卿の執念の成し遂げたもの(当然、陰には悲惨な犠牲のあったことでしょう)。したがって、原材料である Pilgrimage や、副産物であるSwynford、Sansovino、Big Game などを用いた〈戻し交配〉で、重層的にさらなる実りを求めることができます。レイディアンジェラ Lady Angela(1944 牝 栗 by Hyperion ― Nearctic の母。Tilted Hero、*ノーザンテーストらの祖母)はその典型ですし、先に挙げた Pacific Princess などは、「Selene へのトリビュート・アルバム」とでも言うべき配合です。



Plucky Liege 1896 牝 鹿 ― Sir Gallahad、Bull Dog、Admiral Drake、
Bois Roussel らの母。Hostility らの祖母
Maid of
the Mint
1897 鹿
Mint Sauce
1875 鹿
Clarissa
1846 鹿
Idalia Boudrow Mare
Musidora
Glencoe
Mare (F25)
Trampoline
Frolicsome
Sycee
1864 鹿
Malibran Penelope [F1-o]
Garcia
Rose of Kent Queen Anne
England's Beauty
Warble
1884 鹿
Wheat-Ear
1867 鹿
Clarissa Idalia
Glencoe Mare (F25)
Swallow Emma (F7)
The Wryneck [F15-b]
Coturnix
1871
Cordelia The Soldier's Daughter
Emilia
Fravolina Vulture
Apricot
Concertina
1896 鹿
St. Angela
1865 鹿
Pocahontas
[F3-n]
1867 鹿
Trampoline
[F1-t]
Gohanna Mare (F3)
Web [F1-s]
Marpessa Eleanor
Clare
Adeline
1851 鹿
Margaret Emmeline
Pucelle
Little Fairy Cerberus Mare (F15)
Lacerta
Comic Song
1884 鹿
Laura
1860 鹿
Vulture Walton Mare (F6)
Kite
Torment Southdown
Glencoe Mare (F10)
Frivolity
1867
Jocose Idalia
Banter [F14-a]
Miss Agnes
[F16-a]
Guiccioli
Agnes
SireLine 改メ HeartLine

 前の Selene と並び、近代競馬史上に冠たる超名牝がこのプラッキーリージュ Plucky Liege
 当馬は長い繁殖生活で12頭の産駒を産み(うち11頭が勝ち上がり)、その中からサーギャラハッド Sir Gallahad (1920 牡 鹿 by Teddy ― 仏2000ギニー/仏、ジャックルマロワ賞/仏、リンカーンシャーH/英、ロイヤルオーク賞/仏-2着、仏ダービー/仏-3着、25戦12勝。米リーディングサイアー:4回/BMS:12回)ブルドッグ Bull Dog (1927 牡 黒鹿 by Teddy ― ダフニ賞/仏、仏2000ギニー/仏-4着、8戦2勝。米リーディングサイアー:2回/BMS:4回)アドミラルドレイク Admiral Drake (1931 牡 鹿 by Craig an Eran ― パリ大賞/仏、英ダービー/英-2着。仏リーディングサイアー)ボワルセル Bois Roussel (1935 牡 黒鹿 by Vatout ― 最後の産駒。英ダービー/英、パリ大賞/仏-3着、3戦2勝。英サイアー2位:2回) と4頭の大種牡馬を出しました。
 Madame Eglantine から Pilgrimage へと前進した Selene に対し、Plucky Liege の場合は別な意味での賭けに出ています。つまり、強烈なダブルコピー牝馬メイドオブザミント Maid of the Mint (1897 鹿 by Minting ― Spearmint の母) の特徴を和らげ、クロス自体は後退しながら、Glencoe(→ Trampoline):6*7x4*6、Pantaloon(→ Idalia):4*5x5 に加えて Orlando(→ Vulture):5x4、Birdcatcher(→ Guiccioli):6x5 と多重なラインブリードを配しているのです。
 ネアルコ Nearco の祖母キャトニプ Catnip (1910 牝 鹿 by Spearmint ― 10戦1勝ながら、名牝系Nラインの祖となる) も、当馬とよく似た形ですね。
 それに比べると、ヘムロック Hemlock (1913 牝 鹿 by Spearmint ― Posterity の母、Display の祖母)シーウィード Seaweed (1916 牝 by Spearmint ― Samphire、Hotweed、Brulette らの母) あたりは、単純に Young Melbourne(→ Clarissa) を継続したパターン。
 Plucky Liege の血脈は、子どもたちを通じて広範囲に行き渡りました。それらは直父系としてこそ一時の盛りを過ぎたものの、BMSラインとして見れば、現代も Buckpasser、Sir Ivor、Ack Ack などを通じて最強の影響力を誇っています。また Plucky Liege をクロスし Nearco を加えるなどした ドフザダービー Doff the Derbyダムフリッチー Dame Fritchie (1959 牝 栗 by Count of Honor ― さらに Plucky Liege を重ねながら、孫に Optimistic Gal、Bates Motel、Hatim、曾孫に Exciting Story らを出す) のような例は、競馬史に新たな伝説を刻みつつあります。
 21世紀もこの名牝を尊ぶ者に、幸運…もとい勇気のあらんことを。



Pocahontas [F3-n] 1837 牝 鹿 ― Stockwell、Rataplan、King Tom らの母
Trampoline
[F1-t]
1825
Gohanna
Mare (F3)
1816 鹿
Herod Mare
1779 鹿
Cypron Confederate Filly
Selima (F26)
Maiden Sister to Miss Partner
Squirt Mare (F24)
Fraxinella
1793 鹿
Miss South Soreheels Mare
Young Cartouch Mare
Woodpecker Mare Miss Ramsden
Everlasting
Web [F1-s]
1901 鹿
Maria (F18)
1868 鹿
Cypron Confederate Filly
Selima (F26)
Lisette Sister to Slipby
Miss Windsor
Penelope [F1-o]
1896
Brunette Grey Bloody Buttocks
Dove
Prunella [F1-e] Rachel (F13)
Promise [F1-d]
Marpessa
1830 鹿
Eleanor
1798 鹿
Calash
1775 鹿
Cypron Confederate Filly
Selima (F26)
Teresa Sister to Miss Partner
Brown Regulus
Young Giantess
1790 鹿
Sister to Juno Partner Mare (F1)
Horatia [F6-b]
Giantess Sister to Miss Partner
Molly Long Legs
Clare
1824 鹿
Young Noisette
1789 黒鹿
Sister to Juno Partner Mare (F1)
Horatia [F6-b]
Noisette Grey Bloody Buttocks
Carina
Harpalice
1814
Herod Mare Cypron
Maiden
Amazon [F3-m] Coquette
Fractious
SireLine 改メ HeartLine

 少し古くなりますが、伴性遺伝の大元締め、「繁殖牝馬の皇后(皇太后)」ポカホンタス Pocahontas も忘れちゃいけませんね(正直これくらい古い馬になると、血統表の全てを信用していいものか迷いますが (^^;;)
 当馬は、現役時代あまりに激しい気性と喉鳴りから、いつも逃げバテてしまい未勝利に終わったものの、繁殖入りするや、「種牡馬の帝王」Stockwell、その全弟 Rataplan、半弟 King Tom らを輩出して大成功を収めました。
 通常血統表では4x5が1本あるくらいで外交寄りの配合も、伴性血縁的にはご覧の通り、母や父の母以上に濃厚なX染色体径路上クロスを持っています。主たるは、Herod Mare のクロスに、ほとんど同血の Calash。同じように、母内 Sister to Juno のクロスは、これまたほとんど同血の Promise でカバーされています。
 後代発揮した資質から推して、おそらくこれらの多重近交が、非常に高い効果を上げた(=望ましい資質を載せた遺伝子座をホモ化した)のでしょう。

 結果として、この猛女は何と父の母として英牝馬クラシックを12勝、母父母として牡牝のクラシックを合わせて20勝 ― これはもちろん古今未曽有の大記録です。また、母父母として送ったうちの一頭、St. Simon によってさらに勢力を伸ばし、現代ほぼすべての馬のX染色体径路上に多数潜んでいます(例えば シラオキ)。かのヴィリエも一目置いた、ひょっとすると競馬史上 Herod や St. Simon、Northern Dancer や Mr. Prospector などより重要な存在かもしれません。…って、比べても意味ないか。(^^;;

 実は、本稿を通じて提示してきたこのような考え方は、ドーキンス Richard Dawkins 博士の提唱してきた〈利己的な遺伝子 Selfish Gene〉といった概念からも裏付けられます。これを、『お馬の親子』シリーズでお馴染みの安田明生氏は、次のように説明しておられます。
もしあなたがサラブレッドの牝馬になったとしよう。あなたはX染色体を2つもっている。
この染色体は生物の生命活動に重要な意味を持つ遺伝子の集まりである。
あなたはこの染色体を多くの子孫に残していきたい。
どうすれば効率的に残せるだろうか?

その答えは
1)あなたが優秀な息子を産む。
2)あなたの息子が種牡馬になり、孫娘が多数生まれる。
3)孫娘が多いので優秀な牡が生まれる確率が高くなる。
4)孫娘の息子たちが種牡馬になり、多くの産駒をつくり、多くの牝馬が生まれる。

このくり返しで(母→息子→娘→息子→娘→……のBMSラインを通じて)あなたのX染色体が子孫へと伝わる確率が高くなるのである。(お馬の親子Wのヘルプファイルより、括弧部引用者改訂)
 これ以上ないくらい簡潔な説明ですね。付け加えるとすれば、上記の(遺伝子が生き残るための)戦略を具現化したのがダブルコピー牝馬でありフィリーサイアーであるということ(少なくとも Pocahontas は、その戦略がある程度は実践可能であることを示している)、そして、BMSライン以外にも径路はあり、効率は落ちるとも有用であるということ(何よりそれらの径路がダブルコピー化を可能にしている)くらいかな。

 例えば Pocahontas で言うと、その「娘」アローキャリア Araucaria(1862 鹿 by Ambrose ― クラシック馬を3頭産んだ)は、Pocahontas のX染色体径路上クロスをうまく継続した〈2代目ダブルコピー〉であり(先ほどの比喩で言えば、Stockwell や St.Simon が「キラーパス」、Araucaria が「ドリブル突破」)、Pocahontas と再び出会うマッドキャップ Madcap(1908 牝 鹿 by Rock Sand ― Mad Hatter、Mad Play、Sabine らの母)などのパターンで、さらなる成功を成し遂げています。このように、BMSライン(パス)ばかりに目が行くと、うっかり他の径路を見逃し(ドリブルにやられ)てしまいますから、鞘次郎はやはり、面倒でも〈伴性血縁血統表〉をお書きになることをお勧め致します。(^^)/
 Portage 〜 Change Water と来てフォールアスペン Fall Aspen(1976 牝 栗 by Pretense ― Northern Aspen、Hamas、Fort Wood、*ティンバーカントリーらの母。Dubai Millennium らの祖母)に至る、現代の奇跡…これにしても、伴性血縁血統表なしに理解するのは至難の技でしょう。

名牝たちが紡ぐ歴史

 本稿の最後に、ここまで触れた牝馬以外でダブルコピーと目されるものを、思い付くままリストアップしておきます。対象の選定範囲は、南半球から東欧まで、できるだけ広げました(ただし選定の基準は、あくまで独断と偏見ね r(^^;; )。
 これら一頭一頭の血統をよく観察すれば、単に「クロスがある」ということだけでなく、X染色体径路上で(しばしば特定のフィリーサイアーやダブルコピー牝馬を通じて)網の目状に繋がり合う関係にある、そんなこともおわかりいただけようかと思います。

〜 ダブルコピー・エクストラ 120
Ebaziya(1989 鹿 by Darshaan ― Ebadiyla、Enzeli、Ebadiya らの母)
Personal Ensign(1984 鹿 by Private Account ― Miner's Mark、My Flag、Traditionally らの母)
Imagining(1983 鹿 by Northfields ― Serena's Song らの母。
別の牝系だが、3/4同血の Dance By Night からは Danseuse du Soir も)
Coup de Folie(1982 鹿 by Halo ― Machiavellian、Exit to Nowhere、Coup de Genie らの母。
*ウェイオブライト、シンコウカリドらの祖母)
Key Witness(1982 黒鹿 by Key to the Mint ― Key Contender、You'd Be Surprised らの母)
Weekend
Surprise
(1980 鹿 by Secretariat ― Summer Squall、A. P. Indy らの母。
半妹 Charming Lassie からは Lemon Drop Kid)
Flame of Tara(1980 鹿 by *アーティアス ― Salsabil、Marju らの母。半妹 Welsh Love からは Second Empire)
Graceful Touch(1978 鹿 by His Majesty ― Tribulation らの母。*グラスワンダーの祖母)
Luna Fria(1977 鹿 by Rigal ― Wolf、Unforgiven らの母)
Kamar(1976 鹿 by Key to the Mint ― Key to the Moon、Gorgeous、Seaside Attraction らの母。
Golden Attraction、Fantastic Light らの祖母。全妹 Love Smitten からは Swain )
Relaxing(1976 鹿 by Buckpasser ― Easy Goer、Cadillacing、Easy Now らの母)
Glorious Song(1976 鹿 by Halo ― *グランドオペラ、Rahy、Rakeen、Singspiel らの母)
Our Village(1976 鹿 by Ballymore ― Mister Majestic、Homme de Loi らの母)
Eight Carat(1975 黒鹿 by Pieces of Eight ― Diamond Lover、Kaapstad、Marquise、
Octagonal、Mouawad らの母。Danewin らの祖母)
Val Divine(1971 鹿 by Val de Loir ― Vayrann、Yashgan らの母。*ナトルーン、Valanour、Vereva らの祖母)
Doubly Sure(1971 鹿 by Reliance ― Kris、Diesis、Rudimentary らの母。Prismatic らの祖母)
K D Princess(1971 黒鹿 by Bold Commander ― Conquistador Cielo、*ビーインボナンザらの母)
Pachotada(1971 黒鹿 by Naguilan ― L'Express、Chantilly、Puerto Madero、Carita Alegre らの祖母。
全妹 Penumbra の孫に Palemon)
Numbered
Account
(1969 鹿 by Buckpasser ― Private Account、Dance Number らの母。
*アサティス、*リズムらの祖母。全妹*プレイメイトからは Woodman など)
My Charmer(1969 鹿 by Poker ― Seattle Slew、Lomond、*シアトルダンサーらの母)
Special(1969 鹿 by Forli ― Nureyev、Number らの母。Sadler's Wells、Fairy King、*ジェイドロバリーらの祖母)
Zigeunerart(1968   by Asterios ― Ziervogel、Zigeunerheld、Zingaro らの母)
Monyagua(1968 鹿 by Montmartre ― Hampstead、Very Bissy、Immensity らの母)
Oh So Fair(1967 鹿 by Graustark ― Roussalka、Oh So Sharp らの母。Rosefinch の祖母)
*クリアアンバー(1967 黒鹿 by Ambiopoise ― アンバーシャダイの母イブキマイカグラサクラバクシンオーの祖母)
Cool Mood(1966 栗 by Northern Dancer ― With Approval、Izvestia、Touch Gold らの祖母。
全妹 Christmas Wishes は Buryyourbelief の祖母)
Sweet Tooth(1965 鹿 by On-and-On ― Our Mims、Alydar、Sugar and Spice らの母)
Roseliere(1965 黒鹿 by Misti ― Rose Bowl、*イルドブルボンらの母。Iktamal、First Magnitude らの曾祖母)
Soragna(1965 鹿 by Orvieto ― Sirlad、*ソルティンゴ らの母。Double Trigger らの祖母)
A. 1.(1963 芦 by Abernant ― *スティールハート、Ampulla、Smokey Lady らの母)
ハヤフブキ(1963 黒鹿 by *タリヤートス ― タケフブキ、タケホープ らの母)
Gold Digger(1962 鹿 by Nashua ― Mr. Prospector らの母。Explosive Red、Chief Bearhart らの曾祖母)
Belthazar(1960 黒鹿 by War Admiral ― Alysheba、Lear Fan らの祖母)
Witching Hour(1960 鹿 by Thinking Cap ― Salem、Pumpkin Moonshine、Tingle Stone、Broom Dance らの母、
*エンドスウィープ、*アイアムザプリンスらの祖母。繁殖では偉大な姉 Tempted を超えた)
スイートイン(1958 鹿 by *ライジングライト ― スピードシンボリ らの母。ボールドシンボリ、シンボリモントルー らの祖母)
Cap and Bells(1958 芦 by Tom Fool ― Drone、Lady Capulet らの母。Entitled、El Prado らの祖母)
Fallow(1957 鹿 by Worden ― Farm、Factory、Fizz、Fazenda、Fairly、Farmer らの母。
Faranloy、Fayrsal、Fiction らの祖母。全妹 Fallow's Sister からは Fatly、Fain)
*レディアリス(1956 栗 by Alycidon ― メジロマジョルカ、メジロタイヨウ、トーヨーチカラ らの母。
メジロマスキット、エイシンサニー、プラウドマン らの曾祖母)
Pocahontas (USA)(1955 黒鹿 by Roman ― Chieftain、Tom Rolfe らの母。*ラディガ、Alzao らの祖母)
Mixed Marriage(1952 鹿 by Tudor Minstrel ― *エタンの母。Tentam、Known Fact らの祖母。
Gone West、Lion Cavern らの曾祖母)
Rare Treat(1952 栗 by Stymie ― What a Treat の母。Be My Guest、Golden Fleece らの祖母)
Bastia(1951 鹿 by Victrix ― Right Royal、*ネプテューヌスらの母)
Rose Coral(1950   by Rockefella ― Rosalba らの母。Sea Pigeon、Bowl Game、Lie Low らの祖母)
Sunset(1950 栗 by Hyperion ― Sunset Glow、Weatherwisec らの母。Madelia らの祖母)
Mako(1950 黒鹿 by Gundomar ― Makat、Marino、Mandant らの母。半姉 Mainkur からは Mangon)
Ampola(1949 栗 by Pavot ― Sly Pola、*タカウォークらの母。Grey Dawn、Right Away らの祖母。
Green Dancer らの曾祖母)
Belle Sauvage(1949 栗 by Big Game ― Noble Lassie らの母。Vaguely Noble、Lombard らの祖母)
Folie Douce(1949   by Caldarium ― Mother Goose、Mi Carina、Sweet Folly らの母。Stage Door Johnny らの祖母)
Queen of Light(1949 鹿 by Borealis ― Picture Light、Crystal Palace、Ancient Lights らの母。
Welsh Pageant、*クロケット、Royal Palace らの祖母。Fairy Footsteps、シャンデリーらの曾祖母)
Ethane(1947 黒鹿 by Mehrali ― Ethylwood、Entrance、William Penn、Hawaii らの母)
オーマツカゼ(1944 栗 by *ダイオライト ― チェリオ、ケゴン、オーハヤブサらの母)
Iron Maiden(1941 黒鹿 by War Admiral ― *アイアンリージらの母。Swaps らの祖母。Tutankhamen、
Outing Class らの曾祖母。半妹 Judy-Rae を通じて今一頭の驚異 Courtly Dee へ)
Dubiosa(1941 黒鹿 by Duce ― Duzzogo、Dunna、Rodosto らの母。
Dicsekvoe、Didergoe、Nem Igaz らの祖母。Diu らの曾祖母)
Roussette(1941 鹿 by Bois Roussel ― Vandalo、Xaveco らの母。Arbitrage らの祖母。半姉 Babylon からは Espresso)
Tourzima(1939   by Tourbillon ― Corejada らの母。Marsyad、Macip、Apollonia らの祖母)
Blaue Adria(1939 鹿 by Ladro ― Baal、Baalim らの母。Benedikt らの祖母)
Impromptu(1939 青 by Concerto ― Star Kingdom の母)
Vagrancy(1939 黒鹿 by Sir Gallahad ― Black Tarquin、Vulcania らの母)
Boudoir(1938 芦 by Mahmoud ― Your Host、Your Hostess らの母。Flower Bowl、Gallatia らの祖母。
Graustark、Majestic Prince、*クラウンドプリンス、ニチドウアラシらの曾祖母)
Imperatrice(1938 鹿 by Caruso ― Scattered、Squared Away、Speedwell らの母。
Here and There、Disperse、Sir Gaylord、Queen's Double、Secretariat らの祖母)
Schiaparelli(1936   by Schiavoni ― Herringbone、Cutaway、Swallow Tail、Barley Corn らの母)
Planetoid(1934 芦 by Ariel ― Grey Flight らの母。Misty Morn、What a Pleasure らの祖母。
半妹 Miyako は Native Dancer の祖母)
Mistress Ford(1933 鹿 by Blandford ― Mystery らの母。Dandy Drake、*バルバール らの祖母)
Gazza(1932   by Magpie ― Delta、Deep River らの母。半姉 Tea for Two は Tea Rose の祖母)
Potheen(1928   by Wildair ― Pot o'Luck、Bewitch らの母)
Livadia(1927 鹿 by Epinard ― Le Lavandou、*ラヴァンダン らの祖母)
Aloe(1926 鹿 by Son-in-Law ― Feola らの母。Kingstone、Hypericum、Woodruffe らの祖母。
Aureole、Mixed Marriage、Round Table、Above Suspicion、Alcide らの曾祖母)
Drift(1926 黒鹿 by Swynford ― Tide-way、Heliopolis、Sun Stream らの母)
La Troienne(1926 鹿 by Teddy ― Black Helen、Bimelech らの母。Busher、Bridal Flower、Mr. Busher、
Make Tracks、Busanda、Searching らの祖母。But Why Not、Glamour、Francis S.、The Axe、
Affectionately、Bupers、Buckpasser らの曾祖母。半姉 Adargatis からは Ardan、Pardal など)
Risky(1924   by Diadumenos ― Risque の母。Danger Point、Sky Larking、Beaugay の祖母)
*フリッパンシー(1924 黒鹿 by Flamboyant ― 大鵬、セントライト、クリヒカリ、トサミドリらの母。
ヤシマヒメ、アヅマホマレ、トキノハナらの祖母)
*星旗(1924 栗 by Gnome ― クレオパトラトマス=月城、リプルス=波旗、クモハタ らの母。トシシロ、ハマカゼ=
梅城、モモタロウらの祖母。タカクラヤマ、ハクチカラ、ギンザクラ、ダイサンコトブキ らの曾祖母)
Try Try Again(1922 鹿 by Cylgad ― Tokamura、Tenerani、Trevisana らの母。
Toulouse Lautrec、Theodorica、*ティエポロ、Tadolina らの祖母)
Nellie Morse(1921 鹿 by Luke McLuke ― Nellie Flag らの母。Mar-Kell、Nellie L. らの祖母)
Annette K.(1921 鹿 by Harry of Hereford ― War Glory らの母。War Admiral の祖母)
アストラル(1921 栗 by *チャペルブラムプトン ― カブトヤマ、ガヴァナー、ファインモア、ロッキーモア らの母。
オーマツカゼらの祖母。全妹 賢宝 からは ダイナモ)
Marguerite(1920 栗 by Celt ― Petee-wrack、Gallant Fox、Fighting Fox、Foxbrough らの母)
Black Ray(1919 黒鹿 by Black Jester ― Jacopo、Eclair、Foray らの母。Khaled、Intermezzo らの祖母)
Quick Thought(1918 鹿 by White Eagle ― Princequillo の祖母)
Plymstock(1918 黒鹿 by Polymelus ― Pennycomequick、Sunny Devon らの母。
Sculpture、Pound Foolish らの祖母。Pensive、Court Martial らの曾祖母)
Cinna(1917 鹿 by Polymelus ― Buckler、Belle Mere、Beau Pere、Mr. Standfast らの母)
Waffles(1917 鹿 by Buckwheat ― Manna、Sandwich らの母)
Chuette(1916 鹿 by Cicero ― Cranach、Cavaliere d'Arpino らの母、Caran d'Ache らの曾祖母)
Affection(1914 栗 by Isidor ― Emotion、Escutcheon らの母。Tintagel、Dinner Date、Brittany らの祖母)
Canyon(1913 鹿 by Chaucer ― Halcyon、Colorado、Caerleon の母)
Vaila(1911 黒鹿 by Fariman ― Befuddle らの母。Blue Larkspur、Relic らの祖母)
Rectify(1910 栗 by William the Third ― Copyright、Vermilion Pencil らの母。Dhoti らの祖母)
Bellavista(1904 鹿 by Cyllene ― Mad Hatter、Mad Play、Sabine らの母)
Audience(1901 栗 by Sir Dixon ― Whisk Broom の母)
Goody
Two-Shoes
(1899 鹿 by Isinglass ― Charles O'Malley の母。Dalmary の祖母)
Doris(1898 黒鹿 by Loved One ― Sunstar、White Star、Princess Dorrie らの母。
Bright Folly の祖母。半姉 Carlin からは Carrousel、Peter the Hermit など)
Mount Vernon(1889 鹿 by Uhlan ― Grollenicht、Graf Ferry、Ganelon らの祖母)
Sanda(1878 栗 by Wenlock ― Sainfoin、Black Sand らの母。Amphora、Sundridge らの祖母)
Mazurka(1878 栗 by See Saw ― Simoom らの母。Elba、Clyde、Peter Pan らの祖母)
Kincsem(1874 栗 by Cambuscan ― Budagyongye、Ollyan-Nincs らの母。Napfeny らの祖母)
Quiver [F3-e](1872 鹿 by Toxophilite ― Memoir、La Fleche らの母。Polymelus らの祖母)
Lady Langden(1868 黒鹿 by Kettledrum ― Hampton、Sir Bevys の母)
Lizzie G.(1867 鹿 by War Dance ― Correction、Domino らの祖母。Hamburg、Yankee らの曾祖母)
Queen Bertha(1860 鹿 by Kingston ― Gertrude、Queen's Messenger、Spinaway、Wheel of Fortune らの母。
Charibert、Busybody らの祖母)
Seclusion(1858 鹿 by Tadmor ― Hermit の母。Elizabeth の祖母)
Antonia(1851 栗 by Epirus ― Gabrielle d'Estrees、Trocadero らの母)
Sunflower (F1)(1847 鹿 by Bay Middleton ― Sunbeam、Rainbow らの母。Sunshine、Glengarry らの祖母)
Hybla(1846 鹿 by The Provost ― Mincemeat、Kettledrum らの母。Tomato、Clove らの祖母)
Legerdemain(1846 鹿 by Pantaloon ― Toxophilite、Sagitta らの母。Trickstress の祖母)
Queen
Mary [F10-a]
(1843 鹿 by Gladiator ― Blink Bonny、Broomielaw、Blinkhoolie らの母。
Caller Ou、Blair Athol らの祖母。Hampton、Tristan らの曾祖母)
Diversion [F5-j](1838 栗 by Defence ― Miami、Crosslanes らの母。The Palmer、Rosicrucian、Morna らの祖母)
Alice Carneal(1836 鹿 by Sarpedon ― Lexington、Umpire らの母。Baden Baden らの祖母)
Emma (F7)(1824 栗 by Whisker ― Mundig、Cotherstone らの母。West Australian らの祖母。
全妹 Maria からは Extempore、同じく Maid of Lune からは Mickleton Maid など)
Guiccioli(1823 栗 by Bob Booty ― Birdcatcher、Faugh-a-Ballagh らの母)
Beeswing's Dam(1817 栗 by Ardrossan ― Tomboy、Beeswing らの母。Nunnykirk、Newminster、Honeysuckle らの祖母)
Canopus
Mare (F3)
(1812 鹿 by Canopus ― Lap-dog、Spaniel の母。Cara の祖母)
Treasure(1810 栗 by Camillus ― Destiny、Industry らの祖母。Lady Evelyn [F2-g]、Voltigeur らの曾祖母)
Boadicea(1807 鹿 by Alexander ― Touchstone、Launcelot らの祖母。Satirist、The Libel、Macaroni らの曾祖母)
Penelope [F1-o](1798 鹿 by Trumpator ― Whalebone、Whisker、Whizgig らの母。Middleton、Oxygen らの祖母。
Cobweb、Charlotte West、Riddlesworth、Glencoe、Pussy らの曾祖母)
Young Giantess(1790 鹿 by Diomed ― Eleanor、Julia、Whizgig らの母。Phantom、Muley、Antar、Nicolo、Priam らの祖母)
Highflyer
Mare (F2-2)
(1785 鹿 by Highflyer ― Spread Eagle、Didelot、Eagle らの母)
Flyer(1777 栗 by Sweetbriar ― Rhadamanthus、Daedalus らの母)
Angelica(1761 鹿 by Snap ― Assassin らの母。Spadille、Young Flora らの祖母)
Horatia [F6-b](1758 鹿 by Blank ― Diomed、Young Eclipse らの祖母)
Spilletta(1749 鹿 by Regulus ― Eclipse らの母)
Spanker Mare (F6)(1690   by Spanker ― Jigg らの母。Flying Childers、Bartlet's Childers らの祖母。実に伴性血縁1x1。
この「最近交牝馬」が、サラブレッド種の確立に大きな影響力を及ぼした。例えば三大始祖を見よ)

 実際、およそ名牝系と呼ばれるものは、そもそものポテンシャルを維持し向上/方向転換してゆくために、絶えずこうした工夫(一種の〈ブリードアップ〉)を施されています。つまりそこでは、基幹牝馬や父系といった究極的な原因ばかりではなく、途中のプロセスとしての配合が、非常に重要となるのです。
 そうした仕組みを知りまた使いこなすことで、名牝たちの栄光の一端に触れることができれば、競馬を、血統を眺める行為は、もっと楽しくなるのではないでしょうか。


2000/01/22 ― ( Revised on 02/02,02/27,03/18,06/09,07/27,08/20,11/23, 2001/06/16,09/08,11/13 )
apparatus criticus ― ハイタイムさん:桜町血統研究所「ハイタイムの血統のお勉強」内「名牝列伝」
有芝魔春さん:「名牝の話 Stories of Matriarchs」
hatさん:@nifty/FHCUL/MES/14 および hat's Ash Tray #b1 内【名牝鑑賞】【牝系鑑賞】など
同上会議室における大神惟文さんのご支援


目次へトップへ | to English VersionEnglish