第一話
冬だというのに、妙に暖かい日だった。
1人の少女が、インターネット仮想社会の「モンパ」のガーデン前で、ひとりたたずんでいた。
いつもは人であふれるガーデン前だというのに、今日はこの少女以外に誰もいなかった。
ただ、パソコンの前であぐらをかいている隊長は、特にこの情景を気にせずに考え事をしていた。ガーデン前がこの「モンパ」の中心にある事や、日曜の朝ということを考えれば、ナンパ師のガクやいつも見かけるミドリがいてもおかしくはなかったのに。
しかし、理由がないわけではなかった。最近のニュースでネットを舞台にした仮想社会で出会った二人による殺人事件があったのだ。ただ、それにしても今日の「モンパ」の人の少なさはなにかを暗示していたのかもしれない。
この、「モンパ」に棲息している人々は様々だ。
ここにいる人はみんな誰かを演じているのかもしれない。銀行員と言ったり、駆け出しの役者だと言ったりしているが、本当はただのカツ上げ野郎あたりかもしれない。
常識的な人は、そのうち来なくなるのもこの「モンパ」の実体を表しているのだろう。実は本当に奇妙で危険な場所になっていたのだ。
そのかわり、なんとも言えない奇妙な人間はたくさん集まってきた。
モノクロ・インターネット小説 「モンパ」