各社対抗野球 毎日新聞運動部SOX 試合速報

(2001年11月5日 明治神宮外苑・ヒマラヤ球場)

1 2 3 4 5 6
テレビ東京 0 9 1 3 2 0 15
毎日新聞 0 0 0 2 0 0 2

(時間切れ六回コールド)

【戦評】強豪・テレビ東京の一回の攻撃を1四球だけで切り抜けた毎日のルーキー・高橋が、二回につかまった。4番に3ランを浴びるなどで一挙に9点を献上。その後の小刻みな継投も砕かれた。大量リードに気をよくしたテレ東のエースは、95マイルを越える速球と、常識破りのカーブやフォークで毎日打線をほんろうした。毎日は三回まで、熊田の二塁打のみの1安打に抑えられたが、四回に身上の粘りで、食い下がった。2死後、滝口が中越え二塁打、大矢が体を生かして四球で歩いた一、二塁で、仁瓶の中前適時打で2点を返した。六回、この日2度目のマウンドとなる大矢がゼロに抑え、反撃か、と思われたが、無情にも時間切れコールドとなった。

G18 田 内 中 飛 四 球
北 村 遊ゴロ
@61 高 橋 三 振 捕 邪 左前打
A 小 坂 三ゴロ 三 振 四 球
B 熊 田 右越二塁打 二ゴロ 一ゴロ
D 滝 口 捕邪飛 中越二塁打 三ゴロ
E186 大 矢 左 飛 四 球 右 飛
C 仁 瓶 左 飛 中前打A
落 合 三 振
F 清 水 二ゴロ
H7 斉 藤 三 振
H 笹 子 捕ゴロ
二階堂 投ゴロ
石 井
高橋 2 17 6 2 4 7
大矢 1 7 2 1 2 1
田内 1 9 0 1 5 0
高橋 1 7 3 0 1 2
大矢 1 5 2 0 0 0

  
気迫の投球でテレ東の勢いを止める大矢(左) 四回にはパワフルなスライディングで生還(右)

焦点
 二回表、毎日の遊撃・大矢の目に待ちに待っていた人の姿が映った。満員に膨れ上がった一塁側観客席の片隅に、ひっそりとすわる花。「見に行っていいかしら」「もちろん。君のために頑張るよ」。前夜、約束はしたものの、本当に来てくれるだろうか。半信半疑だったキャプテンは、すべての筋肉がパワーアップするのを感じた。
 その裏、4番の熊田が本塁打性の右越え二塁打でチーム初安打を記録。1死後に回ってきた打席で、そのパワーが炸裂した。鋭い打球が左翼へ伸びる。「よしっ。これで7点差だ」。ところが大矢のエネルギー充満ぶりを観察していたテレ東の左翼手は、極端に深く守る「大矢シフト」を敷き、さらに超美技まで見せて、ボールをグラブに収めた。
 三回表。「ピッチャー大矢に代わります」。冨重監督が球審に告げた。「さすが俺が尊敬している監督だ。わかっているじゃないか」。交代の指示がなかったら、先発・高橋にタックルして、あるいは買収してでも、マウンドへ上がるつもりだった。「秀明はビール2本で応じてくれるだろうか」と計算したことはすぐに忘れて、捕手の小坂のミットに集中した。
 右腕がうなる。彼女が食い入るように自分の投球フォームを見つめているのは、見なくてもわかっていた。小坂が驚いて、ミットからこぼすほど球は走っていた。盗塁? 気にならない。おれの敵は打者だけだ。あまり速過ぎて呆然とし、右手を上げ損ねた球審の判定などにより、1点は失ったものの、まずまずだ。1点にこだわるほど、小さな人間ではない。
 彼女に披露したのはパワーだけではない。四回の攻撃では、ローズ(近鉄)かボンズ(ジャイアンツ)のように相手投手から勝負を避けられ、四球で歩いたが、続く仁瓶の単打で一気に本塁まで還った。イチロー(マリナーズ)並みのスピードだ。
 ちらっと観客席に視線を走らせたら、彼女はものすごい勢いで拍手をしていた。心が通じる、ということは、これほど満足感があるものか。試合には敗れたものの、充実したひとときさえあれば、人生こわいものはない。野球を通じて一回り大きくなった大矢は、間もなく始まる新婚生活に向けて、大きな自信をつかんだ。  【冨重圭以子】

 
大矢の雄姿に熱い視線を送る登紀子さん(右)姉妹  登紀子さんの姿をスタンドに見つけ笑顔の大矢

 【コメント】
テレビ東京・田中投手(完投勝利) あの2点がなかったらなあ……。

登紀子さん まるでリトルリーグみたい。弟が小学生のころの試合を思い出しました。あっ、これ、内緒にしておいてくださいね。


冨重監督は深々と礼をするがナインはまだ眠い

 
完ぺきな立ち上がりを見せた先発・高橋  チーム初安打を放った熊田

 
スタンドの陰から大矢を見守る登紀子さん(左)と妹・千恵子さん  満員で立ち見も出た一塁側スタンド

  
往年のヤクルトを思わせた笹子    捕手を怒らせるほど豪快な制球の田内  反撃の口火を切る二塁打を放った滝口   

  
貴重な四球を選んだ大矢          中前2点打に笑顔の仁瓶        疲れの色を見せつつ奮闘する捕手・小坂

  
華麗なフォームを披露した二階堂    必死に球に食らいつく北村         厳しい内角攻めを身軽によける落合

  
足元ヨレヨレも表情は明るい斉藤     好守を連発しながら謙虚な清水     来年の奮起を誓う冨重監督


個性的な毎日(左半分)とサマになってるテレ東