DEVIL’S DANCE

「まともなカフェ」 
翌朝のポートが求めているものはそれだった。
晴れ渡ったマンハッタンの街をポートとキットは、ミドルタウンのとあるオフィスに向かって歩いていた。途中NYPDにも立ち寄ったが、NYPDは人間の犯罪処理担当で、悪魔退治はレンジャーズという専門家軍団に任せているらしく、収穫はなかった。
その日の昼食は悪魔の一員が出没するイタリアンレストランに行こうという案もあったので、朝食はいい加減なもので済ませても構わない気分になっていた。歩道の屋台に詰め込まれた、ドーナツはNYPD御用達かもしれない。味見をするべきかと考えないでもなかったが、サイズはベーグル的もしくは第一ホテル的で、素材からいうと、どうも紙製品的に見え…パスした。立ち食いは行儀が悪い。

NYに赴任しているH氏からまともなカフェ情報を得て立ち去ろうと思っていたが、彼はある店に連れて行ってくれた。
そこは、スターバックスだった。
ここにもサンドイッチはなかった。このNYでは金輪際スターバックスには入らない、という誓いを立てるポートだった。

歩いてすぐのところにあるFAOシュワルツは子Devilsの巣窟だった。
広めのキディランド、乗り物のないアミューズメントパーク。子Devilsを操る怪しい大人達が要所要所に新製品をデモンストレーションするために肉体労働している。 その扮装は魅惑的マジシャンであり、派手な体操選手であり…。日本のスーパーマーケットに出没する、試食販売のおばちゃんもこのくらい趣向をこらすべきだと…いけない、既に悪魔に脳を冒され始めている。ポートは邪念を消し去ろうとした。Devilsも、ここで子Devilsのために、もしくは己自信の為に散財しているにちがいなかった。
キットは豊富なスターウォーズフィギュアコーナーの大画面にくぎ付けになってしまった。 NYまできてTVを見ている場合ではなかったが、キットにはこれから山ほどのタスクが残されているので哀れに思い、ポートはダースモールが倒されるまで、そこに留まる事にした。

Next