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「お金を渡している人がいるわ」 ファンと選手との黒い取引に気づいたのもコンスタンチーヌだった。 確かにしわくちゃな米ドル札を車の中に差し出している。 ポートもその現場を押さえた。 選手は米ドル札にサインをして付加価値をつけて返していた。 持ち物に名前を書いたら、書いたヒトのものではないのか? 諭吉を連れてこなかった自分を呪いながらポートは思った。
フェティソフは他の誰とも違う行動に出た。 |
「私は降りるわ」 コンスタンチーヌは一時間に一本のバスを逃すまいと、駐車場を後にした。 Y氏もとっくにアリーナを後にしていた。 気づけばキットの頬にはマッキーのラインが一筋。 スキモノ的気恥ずかしさも、みんなでやれば怖くない。 「あれは、誰?誰が出てきてるの?」 地元ファンが尋ねた。 「ランディさ。ランディ・マッケイ」 ポートも随分その場になじんできてしまっていた。 それにしても、ブロデューア以外は地味目の収穫だ。 元々、スターは彼だけと鮫皇子から聞いていたから、納得はできた。 ビーザーに会えただけでも儲けものだったのかもしれない。 最後のご馳走、ゴメスが出てきた。ゴメスは自分のポートレイトを目の当たりにして、しばし凍りついた。が、彼はゴメスだ。ここはいつものふにゃふにゃした笑顔を取り戻し、サインをした。
陽だまりのなか、フェンスに寄りかかったゾンビ親子の母が、諦め顔で娘に話しているのが聞こえてくた。 |