●第61回 菊花賞(G1)
京都競馬場 距離 芝 3000メートル
| 枠 番 |
馬 番 |
馬 名 | 重量 | 騎 手 | ヨシタカ | エイスケ | ヒカル |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 1 | エリモブライアン | 57 | 藤 田 | ▲ | ||
| 2 | ダイワバーミンガム | 57 | 柴田善 | △ | |||
| 2 | 3 | ヤマニンリスペクト | 57 | 福 永 | |||
| 4 | ケージージェット | 57 | 佐藤哲 | ||||
| 3 | 5 | トップコマンダー | 57 | 松永幹 | |||
| 6 | アグネスフライト | 57 | 河 内 | △ | ◎ | × | |
| 4 | 7 | ホワイトハピネス | 57 | 小 原 | × | ▲ | |
| 8 | スプリームコート | 57 | 四 位 | ||||
| 5 | 9 | ジョウテンブレーヴ | 57 | 蛯 名 | |||
| 10 | マッキーローレル | 57 | 本 田 | ||||
| 6 | 11 | ゴーステディ | 57 | 吉 田 | |||
| 12 | ヒシマジェスティ | 57 | 角 田 | ○ | ○ | ||
| 7 | 13 | トーホウシデン | 57 | 田中勝 | ○ | ▲ | ◎ |
| 14 | マイネルビンテージ | 57 | 熊 沢 | ||||
| 15 | エアシャカール | 57 | 武 豊 | ◎ | △ | ||
| 8 | 16 | カリスマシルバー | 57 | 小林徹 | |||
| 17 | フェリシタル | 57 | 高橋亮 | × | ★ | ||
| 18 | クリノキングオー | 57 | 幸 |
◎エースケ的予想。
冬将軍が近づこうとしていた。
「冬将軍、なんて、ちょっと古すぎる言葉じゃったかな」
と、エースケ老人は自分ひとりごちた。
「ひとりごちる、というのもな」
それはさておき。
冬が近づいてくると決まって嫌な顔をするのは孫娘だった。
毎年学校ではなぜか冬になると体育の授業が全部マラソンの練習に変貌するからだ。
おまけに、1月にはマラソン大会なんていうものもある。
今年はじめてのマラソンの授業が明日だというので、今夜の孫娘は不機嫌だった。
「なんであんな長い距離を、無意味に走らなきゃならないわけぇ〜」
「じゃが、短い距離だって走るのに意味があるわけじゃなかろう」
「あるわよ、100M走なら、わたし、速いもん」
孫娘はどうやらマラソンが遅いらしい。そういえば、
エースケ老人も短い距離ならともかく、長い距離は嫌で嫌で、仕方なかった。
「だいたいさー、あたし、抜かれると追いつこうって思わないんだもん。
ついついまた後ろの人を探しちゃうのよねー」
ああ、それは、70年前に、エースケ少年が行っていた言い訳と同じではないか。
なんという血のドラマであろうか。
孫娘がマラソンが嫌いなのもむべなるかな、というべきであろう。
あ、これも古い言葉づかいだった。
やんぬるかな。
とにかく、である。
長い距離を走るのは、本当は誰だって嫌なのである。
その一家が、エースケ老人の一族のように、
もともと長い距離向きにできていない一家ならば尚更のことだ。
だいたい、長い距離を嫌がるのは、甘やかされて育つボンボン一家に多い。
根性、という言葉を知らないのである。嫌なのである。憎むのである。
人生テキトーにやってテキトーに楽しければそれでいいじゃん、
なんで、わざわざ大変な思いをしたがるわけぇ〜、マゾ?
といわんばかりなのである。
そういう甘ったれた人間に、長距離は根本的に向かないのだ。
それは、長い競馬の歴史も証明している。
菊花賞。
21世紀になってセントレジャー化したといわれつつもまだ一応は残っている、この、
クラシック最後を飾る3000Mのマラソンレースでは、
かつては決まって柔弱な超良血馬よりも、頑強な、雑草魂の根性の馬が活躍してい
た。
メジロマックイーン然り、ライスシャワー然り。
渋いところではヤシマソブリンやトウカイパレスもそうだった。
いくら血統のスピード化が進み、
時にマチカネフクキタルなどというおちゃらけた馬が勝つことがあっても、
菊花賞は頑強な血統の馬が活躍するレース、
エースケ老人の中でその図式は変わらなかったのだった。
そう、20世紀最後の菊花賞においても、
それは同じだったのだ。
この年の人気を集めていたのは、
ダービー馬のアグネスフライトと、皐月賞馬のエアシャカールだったと記憶してい
る。
たしかに、実力ではこの2頭の力は抜けていたはずだ。
しかし、どちらもはっきり言って究極の超良血、ボンボン中のボンボンである。
根性、という言葉を知らないのである。嫌なのである。憎むのである。
人生テキトーにやってテキトーに楽しければそれでいいじゃん、
なんで、わざわざ大変な思いをしたがるわけぇ〜、マゾ?
と、内心では思っているに違いないのである。
特にエアシャカールは、母父ウエルデコレイテッド。
3歳短距離で活躍する血統なのだ。
10で神童、15で才子、20過ぎればただの人、という、そんな血統なのである。
いわば、エースケ老人が母方のおじいちゃんです、というようなものだ。
勝てるはずがない。
「こういう馬は、菊花賞を勝ってはいけないのじゃ。美しくない。」
というのが、若かりし頃から一環して変わらない、エースケ老人の主義であった。
一方のアグネスフライト。
たしかにダービーでは強い勝ち方をした。
菊花賞の前哨戦・神戸新聞杯でも好位から進むレースぶりで、
新境地を開拓した。
しかしこれも、母父ロイヤルスキーというのは、マイルの距離に強い血統であり、
3000Mの菊花賞にはふさわしくない。
母のアグネスフローラも、桜花賞ではあれだけ派手に勝ちながら、
オークスではエイシンサニーの2着に破れたではないか。
歴史は繰り返す。
アグネスフライトは、2着に敗れるだろうと、若かりしエースケ老人は思っていた。
では、1着は何か。
同じサンデーサイレンス産駒でも母父マルゼンスキーのヒシマジェスティ。
同様にサンデー産駒で母父コインドシルバーのダイワバーミンガム。
長距離に強いブライアンズタイム産駒トーホウシデン。
雑草魂を思わせるタマモクロス産駒ホワイトハピネス。
エースケ老人が選んだのは、この4頭である。
いずれも、血統的に2強よりも菊花賞を勝ち負けするのにふさわしい。
馬券的には、2着候補のアグネスフライトから、この4頭へ流す。
「じゃが、それではアグネスフライト本命の奴と、
結果的に予想が同じになってしまってのう・・・・」
それは、まだ馬単が導入されていなかった、20世紀競馬ならではのエピソードだっ
た。
<エースケ老人若かりし日の美学>
◎アグネスフライト(ただし2着候補。馬連の軸としての◎)
○ヒシマジェスティ
▲トーホウシデン
△ダイワバーミンガム
△ホワイトハピネス
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Eisuke Sawada
mail:ask@ma3.justnet.ne.jp
【B&B】:http://www3.justnet.ne.jp/~ask/
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◎ヒカル的予想。
有力馬が数頭菊花賞を回避してしまいました
チョット残念
皆さんお大事にしてね
そんなわけで
400万クラスの馬が2頭も出られてしまう2000年菊花賞
でもそんな400万クラスの馬にチョット思いを寄せてます
幸運(たぶん)とかいう意味をもつ
フェリシタルってキレイな響きの名前
お母さんがツィンクルブライトってのもステキ
そして父・トニービンのパワーで3000Mを激走して欲しいです
とりあえず芦毛はおさえましょう
ホワイトハピネスには注目です
芦毛だからっだけじゃありません
父・タマモクロスっていいじゃないですか
淀の3000Mって相応しい
母の父マルゼンスキーっていういとなんとなく安心してしまいます
ヒシマジェスティってスペシャルウィークと3/4同配合なのね
距離に不安はないでしょう
先行して勝ってきてるようなので
差し馬が多いのでチョット面白い気がしますね
同配合といえば
トーホウシデンはマヤノトップガンと3/4同配合
これまた不気味な1頭ですね
堅実な走りっぷり
前走休みあけ2着
かなり要素が揃っているように見えます
なんだかひょろひょろしてるようにみえます
エアシャカールはどうなんでしょう
血統から想像するより胴が長くて
距離の融通がききそうに見えます
なかなか男前さんです
能力の高さを見せ付けてくれるのでしょうか
良血で優秀な成績
アグネスフライトよりも3000Mが似合う馬は結構います
なんて思うんですが
そこはダービー馬
意地と誇りで着外なんてコトはないと思います
でも黄色い栗毛が中距離・早熟をイメージさせるんです
払拭してくださいね
◎トーホウシデン
○ヒシマジェスティ
▲ホワイトハピネス
△エアシャカール
×アグネスフライト
★フェリシタル
◎由紀夫馬券。
初老というより、すでに老年の域に達したといってもよい男が娘ほどの年頃の女と台所に立つ。
使い込んだガスレンヂにこれまた使い古した油の染み込んだフライパンをかざし、熱する。
次に、知り合いのレストランから特別に譲ってもらった牛肉のヒレの部分を丹念に焼いていく。
もうほとんど白くなった頭を前かがみにして、額に汗して肉を焼く男、
その姿を斜め後ろで微笑みながら見守っている女、
朝の澄んだ空気の中、窓の外は青く、そして高く晴れ渡っている。
「はじめてというのが肝心なのですよ」
男は汗を拭こうともせずに尚も手厚く、肉を焼いている。
「まるで、競馬関係者みたい」
女が少しおどけて斜め後ろから応える。
「関係者ですよ」
男は肉をひっくり返し控えめに微笑む。
肉はやがてパンに挟まれてサンドイッチになり、
場面が競馬場に切り替わると突然登場する若い男がサンドイッチをパクつきながら競馬を観戦している。
「この二人の設定はなんなんだろう」
吉田伸介はJRAのコマーシャルの緒方拳と藤崎奈々子の役設定がいまだに理解できずにいる。
親子のように見えるが、お互いに敬語を使っている。
養子とか再婚相手の連れ子とかだろうか、そんな感じはしない。
緒方拳には息子がいて、藤崎奈々子は息子の婚約者だったが、登山が趣味の息子は
ある時、ヒマラヤに出かけたまま帰って来なかった。
それから3年、いつまでも緒方の家に居て不満ひとつ言わない藤崎に緒方拳は
息子のことはもういいから新しい相手を見つけなさいというのだが
聞きいれず、緒方の身の回りと世話してくれる。
二人はそういう関係なのではないか、吉田はシャワーを浴びたあとの濡れた頭を乾かしながら
テレビのコマーシャル映像を眺めていた。
日曜日の『イージーゴーア』の開店は昼の二時からだ。
夕方まではカフェとして営業している。
妻のミチコは娘を連れて駅前の百貨店に出かけている。
30年営業してきたその百貨店も今日限りで閉店するそうで
閉店記念のバーゲンに出かけたのだった。
「菊花賞に出かけましょう」
藤崎奈々子の声でコマーシャルは締めくくられた。
菊花賞−
例年より2週間早められてトライアルレースが1つ減って
出走条件が厳しくなり、実績の無い馬は
トライアルレースへの出走すら危ぶまれるという状況である。
そんな中で2つのトライアルレースを勝った馬が共に本番を回避して
新興勢力として期待されたはずの可能性は1勝馬の可能性へと挿げ替えられた。
勢力図は春先と変わってないように吉田には感じられた。
今年の4歳牡馬はメンバーに恵まれたと思っていたが
これほどリタイアが多いとやはりつまらない。
ダイタクリーヴァがここを選んでもいい勝負になったんじゃないかと思う。
さて、なにはともあれ2強にはやはり注目すべきだろう。
距離が伸びて良いとされていたエアシャカールが調教でまっすぐ走ったと
それまで不安視されていた斜行の悪癖が直ったといわんばかりの騒ぎようだった。
2日前に調教助手が言うには「本番でヨレてしまう」といったものだったはずだ。
さて、それに対し、ダービー馬アグネスフライトは万事順調のようで
不安の影も無く本番を迎えて、按上の河内も自信を深めているようだ。
「だからこそエアシャカールなんじゃないか」
まあ、ここにきて地力を付けて、エアシャカールと雌雄を決するとすれば
アグネスフライトよりもトーホーシデンのような気がした。
《先週からすっかり風邪をこじらせてしまった由紀夫に成り代わり、とつじょ登場したように見えるかもしれないこの男、吉田は由紀夫が時折訪れるバー『イージーゴーア』のマスターである。ちなみに競馬の的中率は由紀夫と同じくらいであるが、二人が当てるレースは片方が外している場合が多い》
◎トーホーシデン
○エアシャカール
▲エリモブライアン
△アグネスフライト
×フェリシタル
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