●NHKマイルC(G1)
発走 7日15時35分 東京競馬場 距離 芝 1600メートル




馬 名 重量 騎 手
ヨシタカ
エイスケ
ヒカル
ファイターナカヤマ 57 藤 田      
トッププロテクター 57 和 田      
トーヨーデヘア 57 後 藤      
アグネスデジタル 57 的 場      
ノボジャック 57 菊沢徳      
マイネルブライアン 57 北村宏  
 
スイートオーキッド 55 横山典
 
ハセノバクシンオー 57 田中勝      
プラントタイヨオー 57 武 幸      
10 マチカネホクシン 57 武 豊
 
11 ミスターサウスポー 57 佐藤哲      
12 イーグルカフェ 57 岡 部
 
13 ユウマ 57 江田照      
14 ラヴィエベル 55 小 野  
15 ダイワカーソン 57 蛯 名  
 
16 マルターズスパーブ 55 柴田善    
17 ネオポリス 57 四 位      
18 ピサノガルボ 57 吉 田      

2000年天皇賞(春)予想。

「G1馬選定委員会・2000年NHKマイルC編」

B「えー、みんな集まったみたいだし、そろそろいいかな?」
A「まだ一人来てないわよ」
B「ああ、あいつはいいんだ。ツーリングで少し遅れるって連絡が」
C「へえ、あの人、まだゾクやってんですか。もういい年なのになぁ」
D「海が俺を呼んでいる、ってやつですかね」

B「えー、じゃ、そろそろ始めるぞ。みんなも知ってるように、今年のNHKマイルCは
重大な危機に瀕している。有力馬の故障・回避が相次いで、G1どころかG3級のメン
バーではないか、という不満がファンからも出ているわけだ。この緊急事態、かつて
NHKマイルCを盛り上げてきた俺達としても見逃すわけにはいかん。そこで、今後の競
馬の発展のために、真のG1馬にふさわしいマイルC馬を、俺達で選ぼうじゃないか
と、そういうわけで集まってもらったんだが」

C「先輩、今年の一番人気って何なんですか?」
B「出走馬については手元の馬柱を見てくれ。・・・・一番人気はマチカネホクシン
かなあ?」
C「どれどれ・・・ああ、こりゃいけないよ。よくある武人気じゃない。ボクとおん
なじだ。押し出された人気でドボンってやつね」
D「それにけっこう負けが多い。・・・・なんだ、去年のいちょうS以来、勝ってない
じゃないですか」
A「でも、この勝ちって同条件の東京1600Mよ。得意のコースみたい」
C「でも、同じ東京の東スポ杯3歳Sと共同通信杯4歳Sは完敗してますね。長くいい脚
を使えるタイプじゃないのかな?一瞬伸びて掲示板まで、っていう気がします」
B「決まり。じゃ、こいつはパスね。次に有力なのは・・・スイートオーキッドか。
女だな」
A「ちょっと応援したくなるわね。成績も堅実だし」
B「おまけに藤沢厩舎か。ちっ、バブルの奴といっしょだな」
C「ぼくと同期のシンボリインディもそうでした」
D「でもこいつ、ずっと1200Mばっかりですね。オレの年にトキオパーフェクトっての
がいたんすけど、それと同じタイプな気がします。」
C「東京のマイルは持たないってことですか?」
D「うん、東京のマイルは底力もいるからね」
A「それってわかるー。私もトライアルの東京1400Mは大楽勝してたもの。200M伸びる
だけで、
あんなにつらくなるなんて思わなかったわ」
B「じゃ決まり、こいつも消し。他にはなんかいるかなあ?」
A「イーグルカフェ君にもけっこう印がついてるわ」
D「前哨戦惨敗の人気馬って・・・・君みたいだね」
C「きついなあ。でもたしかにちょっと不安。小島厩舎ってのもなんだかね。馬主も
西川清さんだし、G1まで行くって感じはしないですよね。ただ、2着はありそうか
な」
D「じゃ、これは連下にしておこう」

A「他にはいないもんかしらね・・・・ダイワカーソンも前走惨敗してるわね。これ
は休み明けだけど」
B「こいつはちょっと面白いんじゃないか。惨敗でも休み明けなら許せるだろう」
A「あら、私は休み明けでもG1勝ったけど」
B「お前といっしょにされてたまるかよ。それにこの馬は重賞も勝ってる。G1馬に
なってもいいんじゃないか」
D「でも本質的にはダート馬って感じがしますけどね。アグネスデジタルと同じで」
E「ヘイヘイヘイ〜!カモナップベイベー!そこのヤングボーイ、ダート馬を馬鹿に
しちゃいけねえぜ。時代はまさにダート、真の男の闘いの場所に、ヤワな芝生は生え
ねえのよ!」
B「お、ようやくご登場か。相変わらずだな」
E「これは先輩、ハウアーユー?アイムファインセンキューエンデュ?」
B「はいはい、どうだった、湘南の海は」
E「もうサイコーっすよ。今日も爆走でフィーリングッド!ところで諸兄、ダート
馬って馬鹿にしちゃいけませんぜ。かくいうミーもダート馬の低評価を覆す大激走!
もう観客はびっくりのエキサイトメント!」
B「たしかに、強い馬は芝もダートもこなすはず・・・・真の名馬は、スペシャリス
トよりも、ゼネラリストであるべきだしな、うん」
C「じゃあ芝でも勝ってるダイワカーソンはチェックしましょうよ。で、芝未勝利の
アグネスデジタルは消し、と。他に何かいないですかね」
D「オレはトーヨーデヘアが気になるんですけど、どうすか?」
A「うーん。名前がちょっと安直ねえ。トーヨーの冠号に父デヘアの名前を足しただ
け・・・・こういう名前は、G1馬にしたくないな、G1馬のあたしとしてはね」
B「いちいち言うなよ。どうせ俺はG2止まりだよ、悪いか?」
D「まあまあ、でもマチカネフクキタルだってG1勝つご時世ですから、名前はそんな
に気にする必要ないんじゃないすかね」
A「あら、そんなことないわよ。あなたの同期のエルコンドルパサーなんて、とても
素敵な名前だったし」
E「おうおう、ミーみたいなスプレンディドな名前の馬ならラヴィエベルちゃんなん
てどーよ。フランス語で「生きることは素晴らしい」って意味らしいよ。泣かせるい
い名前じゃないの、湘南海岸までツーリングに誘っちゃうよ、もう」
C「あー、この名前はいいですね。一票。」
B「成績はちょっと足りないけどなー。父がクラフティだし、東京のマイルじゃ用な
しじゃないか。」
A「あら、いいじゃないの。素敵な名前をつける馬主さんは、G1馬の馬主さんにふさ
わしいと思わない?そういうところも今後は考えていく必要があると思うの。能力だ
けじゃなくて」
B「うん、まあ、名馬は何事にもゼネラリストであるべきだからな。じゃあ応援もこ
めてこれはチェック
しておこう」
D「名前、ということではミスターサウスポーなんてどうすか。左まわりの東京コー
スで本当に激走があったりして」
C「本当に強い馬はどのコースでも走るべきだと思いますけど」
B「まあ、そうだな。名馬はゼネラリストだから、コースに左右されているようじゃ
名馬にはなれん」
E「世情を反映してバスジャックの後のノボジャックなんてどうだいベイベー?」
C「犯人の17歳の少年と同じ17番枠にネオポリスなんていう馬も入りましたね。ここ
は警察の刷新も期待して」
B「おいおい、ここは伝統と権威あるG1馬を選定する会議なんだぞ。まずは力量・品
格だ」
C「あ、ども、すみません。じゃあマイネルブライアンなんてどうですかね。デ
ビューからダートで三連勝」
B「うーん。これはどうかなー。穴人気で惨敗っぽいな」
D「でもこいつは無敗っすよ。オレの年は4頭無敗の馬がいて、その内2頭が連対です
もん。無敗はやっぱすごいっすよ」
A「さりげなく自慢するんじゃないの。結局負けたくせに」
D「え、わかりました?」
A「あたしだって本番までは無敗だったんだからね」
B「それにこいつは無敗って言ってもダートだろ?」
E「ダート勝ちを馬鹿にしちゃいけないぜベイベー」
A「名前は素敵よね」
B「おい、これも冠号にブライアンを足しただけじゃないか」
A「そこが素敵なのよ」
C「ブライアンズタイム産駒ってこういう名前が走るんですよね」
B「だけど内国産馬だぞ」
D「マイルCって今まで内国産の勝ちはないっすよね」
E「内国産を馬鹿にしてもいけないぜベイベー」
C「あ、先輩も内国産だったんですよね、そういえば」
A「その口調で忘れてたわ」

というわけで、
G1馬選定委員会の推薦結果。
◎マイネルブライアン
○ダイワカーソン
▲ラヴィエベル
△イーグルカフェ

エースケとしては以上のボックスを推奨。
A〜Eが誰かも当ててね。

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Eisuke Sawada
mail:ask@ma3.justnet.ne.jp
【B&B】:http://www3.justnet.ne.jp/~ask/
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≪以下、ヒカル的予想≫

なんですかね…
なんということー!?
有力馬2頭も回避しちゃってさ
もう誰を本命にしていいのやら…(本音)
てなわけで
よくわかりませんワタシ
とりあえず女のコの見方をしたいので
マルターズスパーブをまず推したいです
ま、重賞ウィナーですし
距離も問題なさそう
で、スイートオーキッドもよろしーんじゃないでしょうか
1200Mしか勝ってないのがチョット気になるところです
あとラヴィエベルですね
このコも距離がどうかと想いますが
いいです
今回は意地でも女のコの見方です
でも外せない気がするのは
マチカネホクシンですね
個人的にホクシンと言う名前に縁があるので
チョットだけ応援します

◎マルターズスパーブ
○スイートオーキッド
▲ラヴィエベル
△マチカネホクシン


◎由紀夫馬券。

81200円。

京都競馬場で行われた天皇賞、 由紀夫はテイエムオペラオーとラスカルスズカの馬連1点を2万8千円分購入していた。
2.9倍の配当がつき、日曜日の収入としては良くも悪くもない金額を手にしてはみたが
由紀夫にとって大事なことは単勝馬券を賭けていたラスカルスズカが 2着に終わったという事だった。
由紀夫の目はラスカルスズカよりもその背に跨っている武豊という男に注がれていた。
自分と同年齢のこの男が天才と呼ばれ、そのことに奢るでもなく
更に過酷な場所へと居場所を求める姿に由紀夫は自分に無いものを見るような気がして
それが何なのか見極めたいと思った。
その日の午前中に稼いだ分を注ぎ込んで2年ぶりに馬券を買ってみた。
一着を当てる単勝馬券をラスカルスズカへ1万円分。
1着2着の組み合わせを当てる馬番連勝式馬券をその日圧倒的に本命と見られていた テイエムオペラオーとの組み合わせで2万8千円。
合計3万8千円を全て武に注ぎ込んだ。

「全く、俺らしいな」

目の前のテレビで武は2着に敗れた、 当然、武に賭けたのだから馬券は全て紙屑になるはずだった。
ところが大本命のテイエムオペラオーが勝ち、 武が2着に入ったということは 1,2着を予想する方は当たるという結果になった。
気分的には敗色一色に染まっていたのだが 日曜日の夕方前にして、8万円ほど稼ぐという結果になった。
肝心なところではしくじっても、何処かで保険を掛けておくような 俺はそんなヤツだ。
未だにそのクセが抜けきれていないのかもな なんにしろ勝ちは勝ちか。
誰にともなく呟くと少しだけ胃が重くなった。
潰瘍になったこともあるほど胃はあまり丈
夫ではない。
いや、あの世界では潰瘍持ちは当たり前だった。
100人に1人の本当に才能のある奴以外 緊張の無い奴はたいてい木偶の坊だ。
テレビで勝利者インタビューを受けるテイエムオペラオーの和田騎手は少しだけ嬉しそうな顔をしてはいたが
23歳という年齢に似つかわしくなく冷静だった。

「ロンブーの髪赤い方に似てないか?」
「アツシ、っていうんだよ、名前くらい覚えとかないとオヤジ扱いされるぜ」
「重さん、ミーハーだね、でも、俺だって名前くらい知ってるよ」
「じゃなんでそんな言い方するんだよ」
「知らない振りする方がかっこいいだろ」
「へんなこだわり持ってんなあ、オマエ」
「うるせえ」

和田は確かにロンブーに似ているとその場にいる客も納得したが由紀夫は笑いながらも空虚だった。

これからもうひと稼ぎして今日は、そうだなあと4万くらいにしとくかな
それで少し高いシャンパンでも買ってキョウコでも呼んで
… キョウコは多分本当の名前はキョウコではない
半年前に露店でシルバーのアクセサリーを売っていた子だ。
田舎の、何処だっけ、
群馬か埼玉かそこらの専門学校で作り方を学んだそうだ。
と、いっても授業にはロクロク出ずに夜な夜な踊りに行った先で知り合った。
オトコや女友達や男友達に影響されて才能が開花したんだそうだ。
俺はキョウコのセンスはなかなかのもんだと思う。
俺の着けるリングは一つだけを除いてキョウコが創ったものばかりだ。
ナンパ目的で買い集めたわけじゃない。
そういう裏心をキョウコは軽蔑する。
したたかだから愛想良くしてはいるが軽蔑してることは確かだ。
その当時、寂しそうな指してるね と言って 真剣にリングを見比べている俺に話し掛けてきたのはキョウコが先だった。
キョウコと俺は付き合っていることになっているがキョウコが付き合っているのは俺だけではない、
そんな気がする。
… 呼んでみるかな
いつも通りキョウコはわかった、と自然な調子で応えると俺が部屋に帰って落ち着いた頃合いを知っているかのように 訪れた。
軽い食事を作ってくれてそれはパンにサラダを挟んだものだったが、サラダはポテトからちゃんと手作りしたものだった。
リンゴの皮を剥き、アスパラを茹でながら俺はいつもキョウコは音楽的に料理をする、と思う。
手際の良さや刻むときに立てる音が心地よいと思うのは、
母親が朝、大根か何かを刻むときに立てる音が懐かしいというやつと同じだろうか。

サンドイッチを食べて、シャンパンを飲みテレビでスポーツニュースをやっているのを見て、
昼の天皇賞をやっていると和田騎手がロンブーアツシに似ていることに同意を求めた。
キョウコは染めていない色素の薄い髪をさらりと揺すらせて笑った。
俺達はセックスして いつも通り日付が変わる前にキョウコが帰るのを見送ったあと
近所の公園の近くを歩いていてふと見上げた桜の木が
やけに青々しい若葉を光らせているのを見たときに
桜の下には死体が埋まっているという話を思い出した。

闇に浮かぶ黄緑
置き去りにされた赤ん坊が泣いているように見えた。
夜は亡びていく者の時間だ
マンションの明かりに向かって歩くのは
まるで街燈に群がる蛾のようだ
いまだに空虚が続いていることに気がついた。

そうだ 競馬をやめたもう一つの理由を思い出した。
日曜日の競馬を終えた後の虚しさだった。
一週間がまた始まるということを否応無く意識してしまうこと
区切りがあるということによって時間の経過がかえって身に迫って感じられる。
そういうのが由紀夫は苦手だった。
そうしてまた一週間が始まり
いつも通り冷静に由紀夫は堅実にスロットをまわし続けた。
あれからずっと虚しさに付きまとわれている。
まるで 夢中になった女にふられたかのようだ。
新しい恋でも見つけたらといつも言ってくれていた友達だと思っていた女と付き合って
その居心地の良さにもやがて単調なものしか感じられなくなった頃
何気に立ち寄ったバーであいつは酔いつぶれてたっけな。

今週はNHKマイルカップがある。
何ということのないメンバーでそれこそ話題はその前日にアメリカのメイビルで行われるケンタッキーダービーにさらわれていた。
第126回ケンタッキーダービー、 チャーチルダウンズの競馬場でその日振る舞われる
ミントジュレップというキツ目のカクテルを毎晩飲んでいた頃は
学生でありながらやくざ者が取り仕切るノミ屋で馬券を買っていた。
危ないことに片足を突っ込んでいい気になっていた。
目の前で数字がくるくる回っている。
親指で押すたびにメダルが機械から吐き出されてくる。
今週はどれだっていいや
そういえばケンタッキーダービーで人気になっているフサイチペガサスという馬の馬主は関口という名の日本人で
最近、皐月賞で本命が予想されていたフサイチゼノンという馬の馬主でもある。
フサイチゼノンを独断で出走取り消しした田原という調教師に関口は腹を立てて
預けてある馬を全部引きげることも辞さないといっていたらしい。
それは気になるな。
今週のレースは本当にどうでもいい。

それでも由紀夫の頭の中では本命2頭が抜けた状態での勢力図が既に描かれていた。
その勢力図自体に価値はないがそこを抜かしては全体図が見えてこないからだ。
親指で定期的にメダルを出しながら騒音と煙の中このまま煙に巻かれて消え去りたいような気がしたが
そういった意識は具体的な意識を透過して明白な言葉としては決して成り立たず
夢中になった末捨てられたあの女に偶然出会ったバーに今夜辺り出掛けてみようと
そんな気になっていた。

日曜日のバーは空いていて
由紀夫は結構そういう場所が好きだった。
今週行われるGTのことは既に意識から遠ざかっていった。

≪今週の由紀夫の消えかけの予想≫
◎マチカネホクシン
○イーグルカフェ
▲スイートオーキッド

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