●第34回 スプリンターズS(G1)

中山競馬場 芝 1200メートル


 



馬 名 重量 騎 手 ヨシタカ エイスケ ヒカル
ビハインドザマスク 55 福 永  
ブラックホーク 57 横山典
タイキブライドル 57 郷 原      
キングヘイロー 57 柴田善    
マイネルラヴ 57 蛯 名    
スギノハヤカゼ 57 芹 沢   ×
ベストオブザベスト 57 ホワイト      
マイネルマックス 57 佐藤哲      
アグネスワールド 57 武 豊
10 マサラッキ 57 藤 田      
11 ユーワファルコン 55 中 館      
12 ブロードアピール 55 松永幹      
13 シンボリインディ 57 岡 部    
14 ジョーディシラオキ 53 北 村      
15 ダイタクヤマト 57 江田照      
16 タイキトレジャー 57 後 藤      

◎エースケ的予想。

「おじいちゃーん、バンソーコーどこだっけ?」
階下から聞えたのは孫娘の声である。
「えーと、真ん中の部屋のドアを4つあけて階段を上った奥の部屋の窓の向こう側の
部屋の戸棚の奥から3番目の箱の中じゃろう」
ややあって、孫娘がエースケ老人の部屋に入ってくる。
「もう、この部屋ならこの部屋って最初から言えばいいのに」
ぶつぶつ文句を言いながら戸棚をさぐっている孫娘に、
「正確を期したんじゃよ」といいながらふと見ると、膝をすりむいて真っ赤になって
いる。
「どうしたんじゃこれは?」
「運動会のかけっこの練習で転んだのよ。コーナーを曲がりきれなくて」
「ほー、そう言えばもうすぐ体育の日じゃったな」
思えば21世紀は運動会にとって波乱の世紀と言えた。
やれ団体主義だのなんだのと批判を浴びていたのが一転、子供に協力の精神を教える
という名目の下、全国に運動会の強化がはかられたのがもう30年前。
そのあおりを食う格好で今は各地で運動会の廃絶運動が起きているのだ。
激動の20世紀運動会史を経ても「かけっこ」という競技がまだ残っているのは、驚異
的だと言えるかもしれない。
「あれはきっと、誰よりも速く走りたいという子供の本能を刺激するんじゃろうな」
と、エースケ老人は孫娘を見ながらひとりごちだ。
それにしても、まだかけっこには1周100M程度のトラックコースを使っているのだろ
うか。
一度でもかけっこをした者ならわかることだが、
あのコーナーを曲がるには純粋な「速さ」とは別の技術が必要とされるし、
第一スピードにのっているところを無理して曲がるのだから危険極まりない。
孫娘が転ぶのも無理はないのだ。
それなのにまだ周回コースを使っているなんてなんと進歩の遅いことだ
と、エースケ老人は思う。
進化の速度は昆虫にも劣るといわれたJRAでさえ、
今では直線コースでスプリンターズSが行われているというのに。
「でもたしか、50年以上前はまだ周回コースでスプリンターズSをやっていたん
じゃっけな」
ふと思い出して、エースケ老人は例の競馬ノートを取り出した。
20世紀最後、2000年のスプリンターズS予想ページ。
「おお、やっぱり中山右回り1200Mでやっとるわ」
中山右回りコース。仮柵が外されるので、
芝の痛んでない部分を走れる内側有利が鉄則のコースである。
つまり、速さではなく、枠順で勝負が大きく左右されてしまうのだ。
20世紀のスプリンターズSは、純粋な速さを決めるものではなかった、と言われる由
縁である。
「ええと、どんな馬がいたんじゃったっけな・・・」
アグネスワールド、ブラックホーク、キングヘイロー、マイネルラヴ、ビハインドザ
マスク、
マサラッキ、スギノハヤカゼ。
今でもエースケ老人の脳裏にその名前が刻まれている馬ばかりである。
まったく、これこそG1というにふさわしいメンバー構成だったのだ。
直線コースで純粋なスピード勝負をしたら、どんなに盛り上がったことか。
しかし。
この年のスプリンターズSは、まだ周回コースで行われていたのだった。
ということは、内枠の先行馬が圧倒的に有利。
見ると、若かりしエースケ老人の本命は、2番ブラックホークとなっていた。
「まあ、内枠を引いて先行する脚もあるからの、これは当然じゃったな」
相手はこれも先行していいコースを選べるマイネルラヴとアグネスワールド。
それ以外では、好きな馬だったスギノハヤカゼにも印をつけているが、
これは勝機もないわけではないが応援の気持ちが強かったのだろう。
外枠を引いた差し馬のマサラッキ、追い込み馬なのに最内に入ったビハインドザマス
ク。
そして外枠でしか好走できないキングヘイローも内に入った。
この3頭、いずれも思うように能力が発揮できる枠順ではない。
これらの馬の戦いは、枠順が発表された時点で終わっていたのだ。
「気の毒にのう、広い直線コースで何の不利もなく、
まっすぐ伸び伸びと走らせたかったものじゃな」
生まれてくるのが早すぎたといえるのかもしれない。
いや、JRAの決断が遅すぎたのだろう。
ま、そのおかげで予想が簡単だったとも言えるのだけれど。
とはいえ、この予想が果たして当たっていたのかどうか、
肝心なところは一向に思い出せないエースケ老人なのであった。         
      

  
<若かりしエースケ老人の自信>

◎ブラックホーク
○マイネルラヴ
▲アグネスワールド
△スギノハヤカゼ


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Eisuke Sawada
mail:ask@ma3.justnet.ne.jp
【B&B】:http://www3.justnet.ne.jp/~ask/
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◎ヒカル的予想。

気が付けば
もう10月か
すぷりんたーず
字余り。

てなもんで、はや中秋
月日がたつのは早いなあ
ここ数年競馬番組がコロコロかわるので
スプリンターズSが秋競馬のハナと知ったのはつい一月ほど前でした。

サテ、
物事始めが肝心ですのでキッチリやりましょう。
デですね
鉄砲は論外
レースから離れすぎてるのも対象外
使われてきてるのに前走馬券にからめてないのも除外
デ残ったので枠順に検討しますと

ビハインドマスクってカッコイイ
血統を見て
「ホワイトマズル〜?長距離馬やん」
と思いましたが母の父がMr.プロスペクターだし
たしかホワイトマズルのおじーちゃんはリファールで短いトコもいける筈
女のコですが短距離は気にしなくていいですねー。

ブラックホークは強いんでしょうが
まあ前走は休み明けで2着ってあたり「健在?」って思いますが
どうでしょうね
もっと強くてイキのいいのがいると思ってしまいます。

スギノハヤカゼはもう「老練」という言葉がいつのまにやら似合うお年頃
4歳のときにスワンSを取って
「おおっダイイシスって知らなーい。この怖い顔の造りの4歳馬強いんだねー」
なんて思ったのがもう4年前……ええもう
確実に時を積み重ねてますね
でも平地競走参加お馬サン的にはもう8歳は潮時のような気がします
よく頑張ってるなあエライなあ
でも無理はしないでね、といったところですか。

アグネスワールドは
「おにーちゃんはGT勝ったけどだからって弟も強いとはかぎらんよねー」
と思ってたらまあ3歳時に地方交流のGV(だったと思う)勝って
どこまでやるかなと思ってたらなんだかホームグランドで勝たずに
アウェイでGT勝つなんて面白いことやってくれました
ここはひとつ日本でも勝ってほしいですね。

ブロードアピールはよく知りませんが
どうでしょう7歳はどうでしょう?どうですか?
一寸この面子では力不足な感は否めません

シンボリインディはとても気性が激しいようで
勝つか負けるか
なんとも2進数な競走結果ですね
能力は高いと思ってるので気分よく走れれば
2つ目の冠を戴けるんじゃないでしょうか。

今回、どちらかと言えば差し馬が多いようで
チョット先行馬有利かなあと思ってます。

アグネスワールド<ここを勝って気持ちよくBCにチャレンジしてほしいものです>

○シンボリインディ<ブリンカー着用で落ち着いて走ってくれますかね>


▲ビハインドザマスク<これから楽しみーここでもこれくらいは…>


△ブラックホーク<世代交代な気もします。でも掲示板ははずせないでしょう>


×スギノハヤカゼ<若造がもう老練、しみじみと思い入れで掲示板は…(希望)>


◎由紀夫馬券。

10月、雨上がりの日曜日、
ふさぎがちだった気分が幾らか軽くなった気がして柴田由紀夫は目が覚めた。
何か夢を見ていた気がするが思い出せない。
昨夜からつけっぱなしにしていたテレビで
ストックホルムについての旅行記のようなものをやっている。

「ストックホルムってどの国だっけな」
さて
それも思い出せないので何か自分は世の中で
一番無知な人間な気がして
馬鹿馬鹿しいと苦笑いしながらパソコンのスイッチを入れる。
ここのところ知識の穴埋めの為にインターネットを常用するようになった。
知りたいという欲求はそれで満たされる場合が多いが
あまりのあっけなさに達成感が感じられない場合もまた多い。


すでにパソコンのスイッチは入っていて省電力のための
セイフティー機能が働いて画面が黒くなっているだけだった。
気が付けば、部屋の中はスイッチが入ったもので覆い尽くされていた。
蛍光灯も少し暗めな状態で付きっぱなし
冷蔵庫も付きっぱなし
換気扇も付きっぱなし
付けっぱなしの機械たちの立てる
穏やかな駆動音たちに囲まれて生活しているのが由紀夫の日常だった。
きっと限りなく静かな
機械の排除された静かな田舎の別荘のような場所だと眠れないような気がする。

まず目が覚めて思ったことはそういうことだった。
ストックホルムはスウェーデンだった。

窓の外がすっかり晴れわたっていて
秋の雲が青い空に浮かんでいて
由紀夫は少し晴れ晴れとした気分になって微笑んだのだった。

かかりっぱなしのプレーヤーからマドンナの"MUSIK"が流れていて
それもまた由紀夫の気分を軽くしていた。

焦点の定まらない頭のままコーヒーを煎れながら
昨日着ていたジャケットのポケットからラークを取り出す。
ラークは一本だけ残っていて、その最後の一本を吸うと
やかんの湯が沸くまでの間に近所のコンビニに煙草を買いに行くことにした。

セブンイレブンでラークとベーグルサンドとサンケイスポーツを買って
コーヒーを飲みながらスポーツ新聞に目を通す。
今日は秋競馬のGT戦線緒戦のスプリンターズステークスがあるからだ。
昨年まで12月にあった1200メートルの短距離レースを
二ヶ月以上も前に持ってきたのは日本競馬協会の大幅な番組改正によるものだが
他の番組はともかくこの件に関しては由紀夫は賛成だった。

気分的に、寒い時期はマラソン、
短距離は暖かい時期にして欲しいと思うからだった。

《今日がオリンピック最終日だとスポーツ新聞を見て初めて知った由紀夫のスプリンターズS予想》

ともかく今回はGT馬が七頭、
緒戦にふさわしく豪華なメンバーが揃った。
使い込まれた中山コース、
展開のアヤ、枠順、
もちろんここまでのローテーションや調子。

それらの条件もあいまって拮抗しているように見える。
そういう条件下でことごとくロスを少なくレースを展開するのは
やはり武だろう、
五枠九番の絶好枠に入ったアグネスワールドを導き
ゴール板を先頭で通過するための技術を武は知り尽くしている。    
また、アグネスワールドはその技術に応えるだけの実力を備えてもいるのだ。

最も入りたくなかった一番枠に入ってしまったビハインドザマスクだが、
ここのところの充実には目を見張るものがあり
鞍上もここのところ騎乗ぶりにも貫禄が見られる福永祐一。
使い詰めが気になるところだが、実力としてはかなりのものを持っていると見る。

ブラックホークは昨年に続く連覇が期待されているところ、
メンバーもさして変化がなく、要は調子と鞍上の腕次第といったところだろう。
調子は悪くないと見ている。

キングヘイローは休み明けで評価を落としているが
昨年は三着で走っているし、内枠に入ったとはいえ
ここでも好走可能と見る。

ベストオブザベストは七ヶ月振りで香港から日本へ来るという
そのようなローテーションでここを勝たれては
日本の競馬の程度も知れると思われる。

アメリカ西海岸でもがいて手に入れた武の手綱さばきに注目。

◎アグネスワールド
○ビハインドザマスク
▲ブラックホーク
△キングヘイロー

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