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(※当該項は「更新履歴Hyper」で書いた文章をリライトしたもので、若干の再構成をしてあります。) 第5位「SF acquired Beltran」・・・・・(NYM→SF、C.Beltran-OF-) BeltranはFullでのNo-trade条項を持っていたがこれを破棄して移籍した。個人的にはALに行くのかと思っていたが、むしろBeltranとしてはAL球団への移籍を拒否していたらしい。Beltranを欲しがるPO圏内のNLのチームで、かつ同地区を除くとなるとSFというのは特に驚きのある行き先ではなかった。ただNYMがBeltranに金銭(4M=400万ドル)を付けた上、交換相手がZ.Wheeler(09年1巡目)たった1人というのは驚いた。 NYMからしてみれば、秋まで待ってBrltranがFAになることで得られるドラフトピックを狙う手もあるわけだが、それを得るために調停申請をした場合大損するのが目に見えているため(※筆者注:今季年俸から考えるとNYMは最低でも15M近い額を提示することになるが、BeltranがFAになった場合にこれだけの額を払う球団はおそらくなく、確実に調停を受けられる。そうなるとNYMはピックを得られないばかりか相場以上でBeltranを抱え込まなければならなくなる)欲張らずに手を打った…という所か。もっともWheelerはMinorでの成績はあまり振るわないが体格の良さと90マイル半ばの速球を持ち、一応Ace級になりうる素材とされているので悪い取引というわけではない。 一方のSFだが、じゃあこちら側が“してやったり”のトレードになるかといえばそうでもないと思う。BeltranはNYMとの契約で「トレードされた場合、トレード先の球団は調停を申請できない」ことになっているため(ピックが得られないという点では結局NYMと状況は同じ)、SFとしては確実に2ヶ月+POでの活躍(そしてその先のWS連覇)が欲しいわけだが、故障が多いBeltranがどこまで順調に働けるかはやってみないと分からない。期待通り働かない場合はWheelerのタダ損ということにも成りかねず、危険は潜む。また先発陣はM.Cainが来オフ、J.Sanchez・T.Lincecumの2人に加えておそらくB.Zitoも13年オフには続々FAになるわけでM.Bumgurnerと左右の両輪になりうるWheelerを放出したのはもったいなかったのでは(※筆者注:加えてLincecumに関しては2013年まで保有権があるものの、果たしてそこまでSFがキープするのか・できるのかという問題もなくはない)。 第4位「TOR acquired Rasmus」・・・・・(STL→TOR、C.Rasmus-OF-) (結果的に)TOR・STL・CWSの間での大型三角Trade。三者の中で戦力的に見て一番得をしたのは若き5ツールCFであるC.Rasmusを獲れたTOR。右の主砲J.BautistaをRasmusとA.Lindの左2枚で挟む中軸は、額面通り働けば―同地区のNYYやBOSに対してadvantageになるかはともかくとして―かなりの迫力であると同時に、少なくとも今後3年は右中間のポジションで悩まされることがなくなった。Rasmusの保有権は2014年まであり、今季はまだ安く使える(年俸調停は来季から)。巨額の不良債権と化していたV.Wells(現LAA)の見事な処理に続いてのA.AnthopoulosGMの価値ある一撃と評してよいだろう。 TORのにとっての懸念はRasmusの精神面。STL時代は起用法を巡って首脳陣を批判するなどトラブルを起こしていた(そんなことでもなければ普通は放出されない選手)。TOR的には昨年のY.Escobarの様に問題児の操縦には自信があるのだろうが、Rasmusの場合本人というよりも後ろにいる父親が騒動の原因と見られているだけに、ちょっと厄介なことになるかもしれない。中継ぎのJ.Frasorは残してもよかったけど別に出しても問題はないレベル。疑問が残ったのはCWSからM.Teahenの契約を引き継いだことくらいだが、S.Rolen放出以降TORの3Bは固定できてないから、まあとりあえず置いとこうって感じかな。一応複数ポジション守れるからB.Lawrieで固定される来季はUT、駄目ならDFAでも差し支えないし。 良くも悪くも?その思い切りのよさには定評のあるK.Williams(CWS-GM)だが、今夏はまだPOを争える位置にいる状況で先発の一角・E.Jacksonと前述のTeahenを放出した。Teahenはまあ…来年の5.5M負担がなくなっただけでもOKな選手だし、Jacksonも個人的にあまり評価している投手でないので放出自体は問題ない。ただその見返りがB級の投手prospectと来季3.75MオプションのJ.Fraserでは何のために動いたのかがよく分からない。Fraserは三振が取れるWorkhorse型で欲しがる所は結構ありそうだが、ブルペンのコマは既に揃っているCWSでは大きな上積みになるとも思えないからだ。先発はJ.Peavy・M.Buehrle・G.Floyd・J.Dunks・P.Humberと揃っているのでJacksonと1vs1で将来のCL候補生か若干層に不安のあるOFを獲る…この方がまだマシだったのでは(※筆者注:今オフFAのBuehrleを引き止めず、C.Saleを先発に転向させる…というつもりならFraser獲得にも一応筋は通るが、ややBulpenに金を使いすぎという懸念も残る)。 A.Pujolsが今季限りで退団する可能性のあるSTLは貪欲に先発強化に奔った。今季は全休だがA.Wainwrightは最大13年まで、J.Garciaは最大17年まで保有でき、MinorにはC.Martinez・S.Millerという期待値の高い先発prospectが控えているためオフに契約が切れるJacksonは手頃な存在だったのだろう。Rasmus放出は戦力的に見れば大きな痛手だが、外野では一応J.Jayがそこそこやっており、それ以上に不満分子を切る事で今季のPO進出に向けて結束を固めることを優先したのでは。STLとしては悪くないtradeだと思うが、個人的にはRasmus出してJackson程度しか獲れないというのもなんだかな…という感じ。それにしてもJacksonは08年のオフからTB→DET→AZ→CWS→TOR→STLと5度も移籍。ま、評価されてるから移籍してるわけだけれども。 第3位「PHI acquired Pence+ATL acquired Bourn」・・・・・(HOU→PHI、H.Pence-OF-+HOU→ATL、M.Bourn-OF-) POを争う同地区ライバルがほぼ同じ時期に同じHOUから同じ4vs1の内容で同じ外野手を獲ったのがちょっと面白い展開なので、別件のTradeながら一括りにしてみた。 個人的な評価が高いのはprospect3人+PTBNL1人(※後日指名選手)でPenceを獲ったPHI。今季が年俸調停の2年目で(6.9M)、彼は"Super2"なのであと2年雇える。肩を除けば際立ったtoolはないものの、選球眼以外は平均か平均よりやや上程度は持っている外野手。左が多いPHI打線では貴重な右の中軸としての役割(去年まではJ.Werthが担っていた)を望めるし、性格が真面目なので、職人気質なチームカラーにも適っているだろう。またPenceの年齢(28歳)を考えると、選手としての良い時期をPHIが享受するということでもある(FAになった場合でもType-A FAとしてDraft補償が期待できる)。PHIが放出したJ.Cosartは下部組織No.1の投手prospectでJ.Singletonは長打力を備えた外野手とそれなりの代償も払ったが、代償に見合うだけの効果は得られる筈。相変わらずの“前のめり”っぷり―チームがいいサイクルにあるから成立するのだけど―は決して嫌いでない。 一方のATLのトレードだが、Bournは守備面に関しては、CFに広い守備範囲が求められる本拠地(Turner Field)の特徴に合っているだけに確実なプラス。近年のATLはN.McLouthやMe.Cabrera、そして今回放出したJ.SchaferとCFのやり繰りには苦しんできただけに、1人に対して4人出すことも厭わなかったのだろう。ただ攻撃面ではそんなに優れた打者というわけでもなく(※今年は09年に続いて高打率を記録しているが同じようにBABIPも高いし、非力な割に三振も多い)、そして彼の最大の特徴でもある傑出した走力があまり盗塁を重要視しないATLの攻撃スタイルの中でどれだけ生かせるかということにはやや疑問が残る。Bournは今年が調停2年目だが、Penceとは違いこちらは来オフでFAと1年強しか雇えないのもマイナス。とはいえ、Bournについては活躍次第では契約延長orType-A FAのどちらでも選択できるし、放出人員についてもおそらくHOUから要求されたであろう"untouchable"な面々を完璧にProtectした上で交渉を成立させたことには、何かと批判の多いF.Wren(ATL-GM)一定の評価を与えてよいだろう(※この点後述)。 そして、主力2人の放出で計8人を得たHOUだが。はっきり言って2つのトレードで"Loser"になったのはこのチーム。元々再建中で今季もMLB最低勝率なだけにPence&Bournの放出自体は規定路線に過ぎない。ただ印象としては「質より量」に走った感があり、ただでさえMinor組織がBAでTop50に入るようなProspectが皆無な状況下でチームの中心を担えるような存在を一人も獲得できなかったのは痛い。例えばPHIとのトレードではD.Brownの要求を拒否されたようだが、例えばPenceの今季残り年俸(2.5M程度か)を負担してのSwapなどの提示で粘ってみてもよかったのでは。得たprospectも悪くはないが、例えばCosartは制球と球種に問題があって先発適性を疑問視されていた。Singletonの場合は現在はOFだがMLBでは1Bが適正とされており、PHIの1BにはR.Howardが鎮座しているため行き場がなかったわけだが、HOUでも1BにはB.Wallaceがいてポジションが被る。またATLから獲得したB.Oberholtzerは将来的にローテの一角―下の方だろうが―を任せられるような左腕ではあるものの、ATLの下部組織での“投手prospect四天王”的存在のJ.Teheran・C.Perez・A.Vizcaino・A.Delgadoや既に昇格済のM.Minorには結局1人として手が届かなかった。 もう一言付け足すと、HOUがチームとして本当に放出したかったのはPenceでもBournでもなくC.Leeであることは誰の眼にも明らか(その契約がなければむしろPenceとは長期契約したかったはず。選手側が応じるかはともかく)。完全に不良債権化したLeeだが、来年も1850万ドルの契約が残っている。 第2位「DET acquired Fister」・・・・・(SEA→DET、D.Fister-RHP-) SEAがDETと行った2vs4(含PTBNLx1)のTrade。これはDETが“WIN”かはともかく、トレードの時点でSEAが“少なくとも戦略的にLOSE”なことがはっきりしている点が最大の特徴。 まずはSEA側から。7月初旬までは何とか5割近辺で健闘していたものの、ASを挟んでの17連敗でPO進出の可能性は霧散した。その時点でFlagdealの売り手になるのはおかしいことではない。しかしD.Fisterを出したことは明らかな失敗だった。では何故こうなったのか。チーム再建中のSEAが本来売りたかったのはE.Bedard(今オフFA)とJ.Vargas(調停初年度&13年オフFA)の両先発左腕だったはず。ところが前者は6月末からDL入り・後者は前半戦で3完封もAS以降の4登板で0勝4敗・防御率8.84という惨状でTradeValueは暴落。F.HernandezとM.Pinedaは"untouchable"とくれば残るのはFisterしかいなかった…ということなのではないか(※Fister移籍後に結局BedardもBOSへ移籍)。その意味では積極的に出したのではなく出させられたのであり、このあたりが“戦略的にLOSE”なのである。 ただ、この思考の流れには「そもそもFisterを放出する必要があったのか?」という疑問が立ち塞がる。09年に初昇格したFisterは今年が実質2年目の右腕。昨季は開幕から好調だったもののDeadArmでDL入りし、復帰後は18先発で防御率5.24(DL前は10先発で同2.45)と冴えなかった。今季は移籍前の時点では3勝12敗と大きく負け越していたものの、これは極端な援護点の少なさによる所が大きく(AL最低の1.97)、防御率(3.33、RotationではNo.1)・平均投球回(6.96)・本塁打率(打者599人で7本)・与四球率(2を切る)など内容はむしろ良かった。J.Zduriencik(SEA-GM)としては、今のFisterの状況が“出来すぎ”と判断して売りに出したのだろう(Fisterが自らchoiceした選手でないということも遠因か)。そうだとすれば、彼は大きく見誤ったのではなかろうか。 一方でDETからSEAに移ってきた面々だが、PTBNLだったC.Ruffinこそ一応1巡目補完ではあるものの4名の中にJ.TurnerやN.CastellanosといったA級prospectは皆無。つまりSEAは先発3番手(+今季好調の中継ぎ)を大した見返りもなしに出したことになる。もちろん4人が成長すれば将来的にこのトレードが評価されることもあるかもしれない。ただHernandezの契約から見てもSEAは来年からの3年間を一つのPeakと設定しているはず。毎年成長を見せている技巧派右腕(同じ右腕でもHernandezやPinedaとは異なるタイプ)であり、4年以上の保有権が残り来季もまだ格安で使えるFisterを放出というのは本末転倒な話。個人的な評価として、Zduriencikは結果的としての失敗も多いが必ずしも動き自体が悪いGMではないと思ってきたが、はっきり言って今回の彼の動きには擁護できる部分が一切ない。 ではDETの状況はどうか。こちらはTrade成立時点では確実にWIN。前述の通り今季のFisterはAL有数のInning Eaterで、被HRも少なく安定感は抜群。J.Verlanderの後ろを投げるM.Scherzer・R.Porcelloの2人が2桁勝っている割には信頼性に欠ける中で、まさにそこを補えるFisterが入るのは大きなプラス。3人と違って四球が少ないタイプなのも意味がある。しかも前述の通りあと1年は安く使えるのだから言うことなし。そして中継ぎのD.Pauleyは先発5番手候補から中継ぎに転向して成績を上げた投手で、彼もFister同様15年までの保有権&13年からの調停。右投げながら今季はChangeUpを武器に左に対して打者91人で143/170/154、許した長打はたった1本(二塁打)という無双ぶり。J.Valverde・J.Benoitの対左成績を踏まえればまさに喉から手が出るほど欲しい存在だったはず。つまりDETは必要なpieceを先に記したとおり余剰prospectだけで手中にしたわけだ。2人(+SEAの4人)が今後どのような成績を残すかは分からないが、交渉としては限りなく100点に近い評価を与えられる。 「選外+"Don't move"」 1位発表の前にTop5から漏れたいくつかのTradeについて少しずつ論評してみる。 「TEX acquierd Adams-RHP-,Uehara-RHP-」 Bulpenが唯一の懸念材料だったTEXが強化に成功。一瞬H.Bellと誤報された分発表時は拍子抜け感があったものの、MLB有数のSetupであるM.Adams(SD)の獲得でAdams-N.Felizのコンビが確立できるのは今だけでなくPO(さらに言えば来季)に向けても価値は大きい。もう一つのK.Uehara(BAL)の2vs1Tradeは、T.Hunter&C.Davisの放出には出しすぎという見方もあるだろうがTEXにとってはもはや余剰戦力の2人なので問題はない。ただ肝心のUeharaが球威のないフライ系投手である点が気がかり。確かにBAL本拠地のCamden YardsもHR指数の高い球場ではあるが…。一応来季は4Mの登板数による自動更新OPとなっているが、BALが金銭をつけているのでそこまでの出費にはならない。 そして取引相手のBALとSD。まずBALについて。そこそこ勝負の時期に入っているものの、今季もPOは遥か遠く。先発陣はZ.BrittonがROY候補に挙がる活躍をしているものの、一番手を担うべきB.Matuszが今一つで他は(ryという現状なので、昨季13勝を挙げたHunterの加入は悪くない。Davisは…BAL好みの“粗いパワーヒッター”だとは思うが、当たるとは思えないな。当たればデカいけど。そしてSD。普通はCLのBellを出してAdamsを残す所なんだけど、Bellを引き留めにかかっている以上Adamsを出すのはあり。Adamsの穴は大きいが、並の投手を優秀な中継ぎに仕立て上げ続けているSDにとっては埋められる穴。彼を出して得た2人も、右腕のJ.Wieland・左腕のR.Erlinはともに制球力に優れたタイプで先発4〜5番手を任せられる力があるとされ、投手優位のPetco Parkで開花する可能性は大きい。2人とも違うチームならば出し惜しみされる可能性のあった注目Prospectでこのレベルを惜しげもなく出せるTEXのMinor組織は大したものだ。 「CLE acquired Fukudome-OF-」 第1位の項でも後述するが、CLEは再建中ながらPOの可能性ありと見て「買い」に出た。Fukudomeは夏以降は並以下の打者としてお馴染みだがwCLEの外野は故障者続出でやり繰り自体がかなり苦しい状況だったので、故障なく最低限やってくれればとりあえずOKといったところなのかも。交換要員も大した選手は出してないしFukudomeには金銭が付いているのでリスクは意外と少なく“そこそこLowcost-Lowreturn”な感じか。一方のCHCは、オフにdraft補償なしで出て行かれることにならなくてOK、というところ。 「MIL acquired F.Rodriguez-RHP-」 MILが元ALセーブ王のK-RODを獲得。Prince最終年の今季に賭けているのが伝わる。かなり高額な登板数によるVesting OPがあるものの、3.5Mでbuyoutできるので問題…やっぱ高いか。一方のNYMは疑問符だらけ。まず何故放出先が昨冬のZ.Greinke&S.Marcum獲得でProspectが底を尽いているMILなのか。そして金銭負担5Mはいくらなんでも多すぎる。C.BeltranのケースをみてもS.Alderson(NYM-GM)はtradeが上手いGMとは思えない。来年あたりD.Wrightがこんな感じで放出されたりしたらそれは嫌だな。 「BOS acquired E.Bedard-LHP-」 期限ギリギリに決まったTrade。C.Buchholzに復帰の見込みが立たない(※結局腰椎疲労骨折で今季終了)ために先発を探していたBOS。H.Kuroda(LAD)などを狙っていたが最終的にR.Harden(OAK)と交渉を成立させた…もののMedicalで引っ掛かったため土壇場で候補の一角だったBedardを獲った。SEAとLADに放出した若手4選手はほとんどが今オフにRule5 Draftの対象&上で使い道が見当たらなかった選手なので痛みはない。今季のBedardは1度DL入りしたものの比較的(これでも)健康に過ごせており、健康でありさえすれば実力は確か。一緒に来たJ.Fields(08年1巡目)は小柄なノーコン豪腕で、怪我しやすそうなmechanicをうまく修正すれば使えるようになる可能性“は”ある。全体として悪い取引ではない。一方のSEAは若手外野手をそんなに集めてどうしたいの?という感じ(あのGMは軟投派左腕も好きだな)。BOSの若手から獲れそうなのを狙うならC.Balcom-MillerやA.Wilsonといった先発候補の右腕だったのでは。 「AZ acquired B.Ziegler-RHP-」 PO争い中でJJ.PutzがDL入りしたAZがReliefを獲りに動くのは当然として、問題はOAK。PO進出が絶望的な状況下で名物GM・Beaneが成立させたTradeはこの一件のみ。確かに活躍すればType-B FAになるベテラン野手は何人もいるが、期待できる若手が居ないわけでもないのに来年いない選手ばかり使って彼らをMinorやSub扱いでService Timeを浪費させるのでは先に繋がらない。…ひょっとしてこれはBeaneの新戦略、、、という見方も出来なくはないが、BeaneにはCHC行きの話もあり、OAKでの仕事への情熱を失っている可能性もある。話戻って、Zieglerの放出自体は悪くないと思う。対右ではMLB有数のReliefではあるものの、獲得したB.Allenも将来的に中軸を打つことを期待できる(あくまで期待)打者なので。 「J.Reyes-SS- stays NYM」 以下2件は移籍劇ではなく残留劇。NYMのJ.Reyes残留は意外なようでいて実は意外ではない。Reyesは絶好調の今季成績を引っさげて、オフにはC.Crowford(BOS)レベルの大型契約を狙いに行くとされている(※筆者注:打撃・走塁はともかく守備の方は今季DRSがかなり悪化しており、彼の望み通りの契約を得られるかは分からないが)。NYMは今放出しなくても秋に年俸調停を申請すればType-A FAになるReyesの補償として来年のDraftで1巡目が2人獲れる。万が一Reyesに調停を受けられたとしても、Trade valueは今より低くはならないからだ(もちろんそのまま使うこともできる)。とはいえ優秀なGMなら今放出しても十分な見返りが得られると思うけど、ねえ…。 「H.Kuroda-RHP- stays LAD」 こちらの残留は普通に考えれば意外だが、Kurodaの性格を考えればその決断にも合点がいく(※ある意味ではSEAのIchiroと共通するのではないか。それが誰にでも受け入れられる哲学かはともかく)。LAD首脳陣は「目論見が外れた…」と思っているに違いないが、オフのあの状況下でNo-trade条項(しかもFull!)をOKしていた時点で既に見通しの甘さを曝け出していたと言われても仕方がない。 第1位「CLE acquired Jimenez」・・・・・(COL→CLE、U.Jimenez-RHP-) COLとCLEの1vs4Trade。これは今夏もっともインパクトの大きく、かつ両者がWin-Winになりうるものだと思われるのでNo.1に選んだ。 まずCLE側から。D.Pomerantz(10年1巡目・全体5位、移籍発表時はPTBNL)、A.White(09年1巡目・全体15位)という将来を期待される左右の先発Prospectを中心とした4人の放出はかなりの出血。序盤戦好調だったCLEだが、夏にかけてその勢いは衰えたもののまだ十分にPOを狙える状態にあることで再建中ながら「買い手」に回る決断をした。そしてそのためには先発の中で軸になれる(ライバルに脅威を与える)存在が必要だった。しかしここまでして今年勝負を掛けることには疑問符をつける人もいるかもしれない。元々CLEはCabrera・Chooの調停組の残り保有年数とその他の選手の想定されるPeak時期が少しズレていて、再建モードの中でどう動くか(特にCabrera・Chooとの契約延長をするか否か)というのは判断の難しい所だった。 個人的には、今季どういう結果に落ち着くかはともかくとしてここで球団社長のM.Shapiro(※CLEのGMはC.Antonettiだが、実権はShapiroが握っているので敢えてこう書く)が動いたのは決して間違った判断ではないと思う。「再建モード」というと短絡的に「若手起用」とか「買い控え」とか「(より上位のDraftピックを貰うために)敗北容認」と言うようなWordと結び付けたがる人が少なくないような気がする。しかしながら再建というのはあくまでも強化の一手法に過ぎず、再建を掲げて始まったシーズンだったとしても、POのチャンスが拓けていて戦力が上がっていると判断するならば思い切って勝負に出たとしてもそれ自体は批判されることではない。 放出人員を見ると、確かに質の高いProspectを出しはしたもののMinorの有望株を上から並べて出したわけでもない。確かにPomerantzとWhiteは近い将来Rotatinの一角を任せうる存在だが、伸び代を踏まえてもどちらもJimenez―先発1番手―クラスとは言いがたい。CLEはDraft含めた人材発掘力には自信を持っており、その辺りもこの放出を容認しうる要素になっていたのでは。 そして獲得したJimenezだが、こちらは今季年俸が2.8Mで来季が4.2M。そこから2年は5.75Mと8Mの球団OPとなっており、このレベルの投手を20M弱で3年強も雇えるのは相当なお買い得。また最大で2014年まで保有できるということは今季だけでなく数年に渡って勝負できる可能性を持つということなので、そう考えてみると勝負時期の1〜2年前倒しがそこまでリスクを伴う事とは思えない。ただJimenezは売りであるところの速球の球速が低下していて昨季前半のような圧倒的な投球を再現しつづけるようなことは難しく、もしも球速低下の原因が何らかの故障によるものであればCLEとしては完全な失敗になりうる(※ただし球団OPをBuyoutすれば支出としてはそこまで大きくはならないが)ことも付け加えておく。 一方のCOL側。現状を考えれば今年のPO進出は可能性がないし、球速低下は気になる要素ではある。それでも前述した通り格安で、"CarGo"・"Tulo"の2人と長期契約しているCOLがこれだけ簡単に先発の柱を手放すことには大きな疑問符。まあ2人の長期契約があるからこそ、再来年のMiddle-Rotationを期待できる投手を2人獲った…ということも考えられるけれど。まあCOLは投手のprospectが今一つ育っていないという話もあるし。まずい取引をしたわけではないだろう。 PomerantzとWhite以外の2人についても。J.Gardnerは90マイル半ばの高速シンカーを操る右腕。M.McBrideは元捕手の一塁手でパワーヒッター。2人とも改善点はあるが“COL向き”の要素を備えた選手なので、現時点での評価は高くなくても将来的には意外な活躍を見せたりするかもしれない。 (2011.08.15 drawing up) |
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2011年08月16日 02時15分35秒
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