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08 12 30 総合格闘技 2008年も終わる。新たな展開も出て来るかと期待をしていたのだが、なかなか厳しい状況が続いている。アメリカ発の世界的な金融危機も、さらに深刻化。UFCですら、いろんな噂が立っている。不況だから格闘技がペシャルと言う事はないが、景気の良い話は、なかなか出て来ない。マクロ的に見て、どうなるやら混沌としている。プライドのような興行は、しばらくは、現れないようだ。ただ、円に対して、他の通貨が全面安と言う強烈な円高が進んでおり、海外の選手にとっては、日本のファイトマネーが高く感じられるだろう。円高で輸出企業がダメージを追ってしまう。アメリカの自動車の大メーカーが一ヶ月の生産中止と言う非常事態に比べれば、まだ、ましな方だろう。景気の冬の時代は数年は続くと予想されている。アメリカ国民の浪費癖が世界経済を下支えしていたのだが、もう、アメリカの浪費に頼る時代ではなくなってしまった。大消費地として、アメリカに次いで、中国、インドが注目されている。中国の場合は一人っ子政策で、子供の数が減り、高齢化が進む。近未来に中国の人口は14億人に、そして、何とインドが、20億人を突破しそうだと言う。中国とインド2国合わせて34億人、地球上の人口の半分になる。この2ヶ国が経済成長を続ければ、地球上の化石燃料を大量に消費する事になり、地球上の化石燃料は、加速度的に残量が減っていく。経済成長と共に、巨大な消費マーケットは形成されるが、それが、人類にとって大きな不安要素にもなっていく。根本的な問題として、浪費による、経済の下支えは、もう無理なのだ。バブルの崩壊のたびに、その国は大きなダメージを負っていく。今までは、一部の先進国が、地球上の富を独占し、その富によって、豊かな生活ができた。地球の人口の半分を有する二つの国が、経済成長を遂げ巨大な消費地になる事が、一体、何をもたらすのか、そら恐ろしい未来予想図がそこにはある。今般の金融危機によって、価値観そのものの転換を迫られるだろうし、そうしなくては経済は成り立たなくなる。不況は、一国の問題ではすまず、常に世界的に連動していく。社会的状況そのものが、バブルに浮かれる風景ではなく、新たな価値観の元に、経済のシステムそのものを再構築する必要があるだろう。プロスポーツもこの経済的な危機の影響を強く受ける事になる。企業の広告塔としてのプロ野球の役割は終わりを告げ始めている。スポーツの視聴率も厳しい数字になってきている。格闘技の場合は、マニアックなファンの数が、他のプロスポーツと比べて、決して多くはないので、厳しさは他のプロスポーツ以上だろう。それでも、地上波放送が、まだ続いているのは、テレビ局さんに感謝したい。いつまでも地上波で放送してもらえると言うほど、甘い世界ではないだろうが、何とか持ちこたえられればと願っている。K-1が、上向いているので、それが、プラス材料にはなるだろう。K-1グランプリの決勝で、若手エース格のバダ・ハリがバカな反則をやらかし、タイトルを剥奪されるなど、罰を受ける事になった。勝つにしろ負けるにしろ、良い試合をしていれば、歴史に残るようなすばらしい大会になりそうだったのだが、本当に残念だった。試合を作り上げると言うプロ根性にバダ・ハリは欠けていた。MAXで、ダウンを奪われても、勝負を諦めず、相手に必死に食らいついていった魔裟斗選手のプロ意識を見習ってもらいたい。感動的な試合を作っていくのがプロの使命でもある。その試合を自らの反則で汚すのは、敗北宣言だ。故意に反則をする選手は、プロとして公の場で試合をする意味を分かっていないのではないだろうか。勝利に固執する戦い方はあってしかるべしだと思うが、それと故意に反則を行う行為とは次元が違う。日本では、プロレスと格闘技をまだまだ、ごっちゃにしている方も多いのだろうか、悪役をもてはやす風潮も残っている。しかし、もう、そんな時代ではない。地上波は、企業のCMが収入になるが、企業にとってテレビCMの最大のメリットは、イメージ戦略だ。視聴者に不快な思いをさせるような番組にCMを流すのは企業にとってイメージダウンになる。地上波のテレビCMでブランドイメージをアップさせ、ネットで製品の詳細を提示するようになってきている。企業のブランドイメージを損ねるような番組にはCMを流さなくなるだろう。堂々と戦っても暴力的だと言われる事もある格闘技で、故意に反則を行う行為がどれほど格闘技を貶める事になるのか、選手は考えてもらいたい。MAXの試合で、魔裟斗VS佐藤戦、微妙な判定だったが、佐藤選手の態度は立派だった。佐藤選手には世界チャンピオンになれる実力があるのだから、その実力を示して文句のない勝利を掴めばいい。2008年夏のオリンピックで金メダルを獲得した柔道の石井選手がプロ転向を表明した。ドリームや戦極も獲得を狙ったが、UFCに行く事を決意。石井選手本人の希望が優先された。UFCには、何人もの日本人選手が参戦しているし、ダナ社長は、歯に衣を着せぬ社長だが総合格闘技への情熱があり、日本の格闘技にも詳しい。プライド全盛期の頃は、日本にやってきてプライドを観戦していた。今では、UFCが世界でNo.1の総合格闘技の団体だ。石井選手のUFC参戦は、UFCにとってもメリットは大きい。日本のメディアでも試合は報道されるし、日本の一般の人達へのUFCの認知も進むだろう。世界的な金融危機が進む中、日本は、まだ、ましな方だと言われている。中国、インドへの進出を考えた場合、日本は拠点にもなる。中国は、やや失速気味だが、インドマネーは、これから目立つようになるだろう。石井選手は、夢と希望が膨らんで,はち切れそうになっているだろう。アメリカにその夢があるとは限らないが、まだ、若いので、変に打算的にならず、失敗を恐れず、思う道を突き進めばいいのではないだろうか。石井選手の総合の選手としての可能性は、何試合か見た後でないと何とも言えない。そのUFCでは打撃で大きな変化が起きている。もちろん総合格闘技なので立ち技専門の打撃ではない。タックルや組んでのテイクダウンにも対応しなくてはならない。金網特有の攻防もある。元々広い金網のUFCは、レスリング+ボクシングスタイルが有効だと言われていた。元プロレスの王者だったレスナーがクートゥアを破ってチャンピオンになった。ヘビー級では柔術のノゲイラもチャンピオンなので、統一戦が行われるのだろうと思っていたら。そのノゲイラがパンチでやられて負けた。対戦相手のミアはサウスポー。ミアは、右ジャブに右アッパーを交えて立体的に攻めて行く。そして、ミアの左のパンチをノゲイラは食らってしまう。BJペンの試合もそうだったが、ボクシングの試合のようだった。ミアは、ノゲイラの寝技には、まるで付き合わない。ノゲイラはパンチを食らってダウンし、パウンドを集められてレフリーがストップした。ランペイジVSシウバの試合も差を感じる試合だった。この二人の試合は日本のプライドのリングでも行われている。この時はシウバが勝っているが、UFCのリングでは逆になった。シウバが距離を詰め、ノーガードで、左右左といつものフックを振り回して行く。シウバのパンチ連打をランペイジがブロッキングする。右左右、そして同じタイミングで左フック。右ブロッキング、左ブロッキング、そして右ブロッキングしながら、左フック。シウバのパンチは完全にガードされ、フック連打に左パンチを合わされた。左一発だった。シウバ転倒。ジャブにアッパーを混ぜて変化を付けるミア。単調なフック連打で攻めるシウバ。その連打のタイミングを読んでガードからパンチを合わせるランペイジ。UFCでのパンチのテクニックは、確実に次の段階に進んでいる。石井選手は、UFCの金網の中では、このパンチに苦戦しそうだ。テイクダウン、寝技に関しては、さほど心配もないが、パンチに関してはかなり大変だろう。UFCに世界中の強豪が集まり、その中で鎬を削り、技術的にも進歩している。現状でもUFCのトップクラスの選手には隙が無くなりつつあり,攻略が難しくなってきている。いつまでも異種格闘技戦のような、大味な試合にたよっていては、UFCが手の届かない所に行ってしまう可能性もある。戦国は、試合内容はともかく、プロの大会としての成熟が課題だ。ドリームは、全階級で、選手がそろっている訳ではないが、ライト級では、高いレベルの試合が行われているし、日本の選手のレベルも高い。UFCに負けてなるものかと言う負けじ魂を感じる。格闘技の本流は何なのかをしっかり捉え、その中に興行的な彩りを組み込んで行く。そういうやり方が望まれる。
                                                                                               

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