「巨人はお金で優勝を買った」という声がある。しかしルールを破った訳じゃない。
企業努力だ。ヤンキースだって同様に強化している例もある。責められることではない。
これは落合博満氏の発言内容。
「大金を投資して選手を集めるのは企業努力、それで勝つのが市場原理」
これはあの渡辺恒雄氏(通称ナベツネ)の発言内容。
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●2000/09/26
「落合もバカか」と言いたいですね。
ヤンキースは確かに補強したけどあくまでチームの弱い所だけに重点をおいていました。
他球団に迷惑をかけないように金額や選手の上限もきちんと守っていますよ。
どこかの金満球団と一緒にして欲しくないです。
●2000/10/12
ナベツネの発言について、スポーツジャーナリストの小関順二氏が
「他球団を草狩り場にしてしまってはエンターテインメントにならない」と反論、
メジャーリーグ通の福島良一氏も「メジャーでは、
リーグ繁栄のために競争力のバランスを保つしくみがいくつも導入されている」と指摘。
メジャーではこのしくみでリーグ全体の観客動員数が大幅に増えたとか。
●2000/10/12
どうやら讀賣首脳陣は「人材育成」という言葉を忘れてしまったようですね.
●2000/09/09
オリックス代表の井箟重慶氏の話
「…巨人のように金を使って強くできる組織にしちゃった。
ドラフトの逆指名,FAが典型です。特定球団に有利な改革ならやるが。
それに面と向かって反対できない雰囲気が充満しています。
少しでも反対すると、リーグを脱退しての新リーグ構想が出てきます。
野球ファンはこんな状態が面白いのでしょうか。
パリーグを含めた共存共栄は置き去りにされています」
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さてさて、
読売は普通の企業ではありません。全国ネットのメディアを持った公共性の高い企業です。
モラルが最も問われる企業です。
何でもカネで解決しようなんて姿勢は世の中に悪影響です。いけませんね。
ところで、
出版物や新聞、音楽CDなどは「再販制度」に保護されています。
「文化水準」を守るという事で市場原理が適用されないのです。詳しく書きます。
「公共性の高い情報を全国どこでも同一の価格で、だれもが容易に入手できる」ことを
目的とした文化政策のひとつが再販制度です。
新聞や出版業界に市場原理を取り入れると、
価格競争によって体力のない販売店は店をたたむことになります。
戸別の宅配は、売り上げの低いところでは、
営業が成り立たないので、切り捨てられる可能性があります。
また売るためには、学術的・専門的なものよりは、
面白おかしいものに傾倒していくこととなり、質が落ちると言われています。
また、売れないものは生産されません。国民の知る権利が侵害されます。
これが「文化水準」を守るという意味で、市場原理が排除される理屈です。
要するに、新聞には価格競争がない。各社横並びの価格設定により、
読者が「質」「内容」を見て選択するための環境を作っているわけです。★注1
スポーツも文化です。同じことが言えます。
市場原理をあてはめると、年俸や契約金(ウラ)を吊り上げることによって(価格競争)、
いい選手が一つの金持ち球団に集中します。
一流選手同士の対決の機会が減少し、その球団で溢れた選手は飼い殺し状態になります。
現実にそうなってます。
日本プロ野球の質の低下に直結します。
これから必要なことのひとつは、
原則的に12球団のメディアへの露出が均等化・公平化することだと思います。
(巨人戦しか入らないのは論外)
一球団だけが露出するより、全球団がアピールし、
多様なチームカラーを見せることによって、選択肢が広がり、
ゆくゆくはファンの獲得にプラスになるはずです。
それから「プロの球」はテレビなんかじゃなく、
実際に見る方がその迫力も伝わるだろうし、
青空の下で見るのが醍醐味じゃないかと思うんです。
そういう意味では、地方開催も大事にして、
それこそ再販制度のような考え方が必要となるのではないかと思います。
つまり「全国どこでも同一の価格で、だれもが容易に観戦できる環境」をつくる。
そういう努力をすることが文化的活動と言えるのではないでしょうか。
あるいはいろんな地方に球団を設立して
「競争」を激化させるのも発展のひとつの方法であると思います。
企業努力というのは、この土台を築いた上で発揮されるものです。
練習場の設備投資や優秀なトレーナーの雇用あるいは育成、
戦力の分析、戦術の研究等…これが勝つための企業努力ではないですか。
この土台作りや宣伝活動は「機構」が仕切ればいいんです。
どこかの金持ちがお金の使い方を間違えているばっかりに、その間違いを正当化して
「大金を投資して選手を集めるのは企業努力、それで勝つのが市場原理」
などとおっしゃるわけです。
逆に言うと、市場原理を貫くなら、読売新聞が再販制度を廃止したらいいんです。★注2
本業の「新聞」は都合よく保護されて、
巨人はそのカネを使って市場原理を口実にウラ取り引きし放題、
カネ積み放題とは、なんというアンフェアなものの考え方か。
それとも野球は文化・スポーツではなく「興業」「金儲け」なんでしょうか。★注3
スポーツを「文化」としてとらえ、その発展のためにはどうしたら良いか、
自称・盟主である読売は率先して、プロ野球界全体のことを考えるべきでした。
(過去形です。文化意識の低い読売には何の期待もできません)
イギリスには「特定マスコミによるスポーツ支配防止法」というのがあるそうですが、
世界的に見ても巨人のような「全国レベルで」ひいき放送されるチームなど聞いたことがありません。
それも他の放送局までこぞって…。
しかも都合の悪い情報は隠し、洗脳する形で流すメディアは少なくとも欧米にはないでしょう。
(巨人偏重報道しかない地域は巨人ファンが増えて当然です。
企業努力というよりは謀略です。卑怯だ)
巨人が日本代表であるかのような勘違いをし(そのくせオリンピックをボイコット)、
洗脳まがいの解説を繰り返した(私的に利用した)結果の人気であり、
内容的には戦時中の大本営発表と同類のものです。
これは野球放送を見ればすぐにわかることですから、
気付いていない方はシーズンになったらよく観察してみてください。
巨人の攻撃中はバッターの話、相手の攻撃の時はピッチャーの話。
巨人が点をとると大喜び、相手が点をとるとトーンが下がり
逆転されると「まだチャンスがある」とか言い出し
負けが決定的になるとお通夜状態。
全部が全部ではないですが、昔っからこのパターンは同じです。
コマーシャルの入れ方にも凄いものがあります。
大変なイカサマです。
それを許しているのは、
前回も書いた通り「機構」の弱さであり、
その責任が非常に大きいと言わざるを得ません。
機構自体が読売化しているのでどうしようもないですが
いつまでもこんなやり方ではプロ野球は衰退の一途を辿るでしょう。
カギを握る「放映権」については、あらためてやろうと思います。
最後に、興味深いログがありましたので、少し長いですが、読んでみて下さい。
私としては、一球団を特別視してはいけない理由のひとつとして
こういう見方もあるんだなと感心したというか、納得したログです。
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●2000/01/28
FA制度やドラフト逆指名制度の根底にある、
「プロ野球選手の職業選択の自由」という考え方。
本当にそんなものが存在するのか? と、思う。
そもそも一般企業とスポーツ球団は根本的に違う。
一般企業は自由競争によって商品の質を高めていく。
いっぽうスポーツ球団が完全な自由競争に突入すれば、
チーム間の戦力差が拡大して試合から緊張感が失われる、
つまり試合という商品の質は低下の一途を辿ることになる。
一方的な試合とそれを求めるファンしかいなくなった時、
球団はアイドル事務所と何ら変わりはなくなっており、
そこにはすでにスポーツとしての魅力は存在しない。
自由競争は試合の中でこそ行われるべきであり、
そこに公正な取引をもたらすのが審判である。
スポーツとしての魅力を維持するために戦力均衡がある。
商品価格の均衡が許されない一般企業とはそこが違う。
球団にとっての商品は選手ではなく試合なのである。
自分が応援するチームの選手達がどれだけ活躍しても、
相手チームに歯ごたえがなければ入場料の元はとれない。
そこに気づいている観客は案外少ないのかも知れない。
一般企業と個々の球団を比較するから矛盾が生じてしまう。
プロ野球全体を12の部署を持つ会社として考えてみる。
絶対の権限を持つべきコミッショナーが社長であり、
セ・パの会長はそれぞれの支店を統括する支店長。
各球団の経営者は部署をまとめる部長に過ぎず、
監督は野球という現場において指揮を振るう課長。
選手はドラフト会議を経て各球団に配属された社員。
社名は「プロ野球株式会社」とでも呼んでやればいい。
ハイレベルな野球の試合、それがこの会社の唯一の商品。
一個の会社と考えれば一般の企業と何ら変わりはない。
社内のすべての部署は健全に機能していなければならず、
人事異動は社員個人の意志よりバランスが優先される。
そこには部署間の自由競争が存在できるはずもなく、
社員の"職場"選択の自由を認めている余裕はない。
・・・かなり極端な議論になってしまったが、
要はプロ野球関係者の意識改革の問題だと思う。
FAを宣言して好きな球団に行くのは簡単である。
逆指名で自分の行きたい球団を選ぶこともたやすい。
豊富な資金力で選手を集めれば確かに注目度は高まる。
しかし、人気球団を取り上げて視聴率を稼いでも、
好きな球団に一流選手が集まるのを喜んでも、
プロ野球が衰退してしまえばそれまでなのである。
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ナベツネは言いました。
「大金を投資して選手を集めるのは企業努力、それで勝つのが市場原理」
ここで言う企業というのは「プロ野球界全体」を指すべきで
スポーツ自体に市場原理を持ち込むのはお門違い、ということです。
★
ふー。
話の流れを断ち切らないために、注意書きを3つ入れました。
またまた長くなっちゃいますが、省くにはもったいない情報です。
読んでみてください。
★注1
新聞は、価格競争のない「再販制度」により質を確保しているという言い方ができます。
そして本来は、消費者がその「質」「内容」を見て選択するわけです。
しかしながら実際には、特に読売新聞は「景品」と「嫌がらせのような勧誘」によって
拡張している現実があり、再販制度の意味をないがしろにする、
根幹を揺るがす大問題を自らつくり出しているマヌケな企業なのです。
これは考えてみれば、表向きのルールは公平に見えて、
読者獲得の時は質で売らずに
ウラ金にあたる「景品」とか「無代紙」とか「脅し」で読者を獲得しているわけです。
読売の読者が一番多いのは、そのえげつないやり方によるものと思われます。
野球でいうとルールとして契約金の上限を決めておきながら、
「ウラ金」や「脅し」で選手を獲得しているところなど、まったく同質の愚挙と言えるでしょう。
まさに同じ根の組織なわけです。
★注2
過去にオリックスが再販制度は廃止したらどうかという論議を巻き起こし
ナベツネがカンカンに怒りまくっておりました。
新聞社としては安定収入の基礎が崩されますから、
猛反対し、廃止阻止にやっきになっていました。
結果として再販制度は維持されましたが、よっぽどイヤだったのでしょう。
その時の恨みなのか、
「日本シリーズの相手はダイエーか西武がいいだろう。
“金貸し”とけんかするのはイヤだ。
大巨人が“金貸し”を相手にするのは、イメージの問題がある。
負けないと思うけど負けたらみっともない。」
と息巻いていましたね。しかしこれがオーナーの発言か? ε=(>ε<) プッー!
ナベツネがオリックスを嫌うのはこういうウラがあったのです。
★注3
実は巨人に限っては興業という言葉がピッタリなんです。
何せ読売新聞社の宣伝機関なのですから。各球団名を見るとわかります。
・株式会社よみうり
・株式会社阪神タイガース
・株式会社中日ドラゴンズ
・オリックス野球クラブ株式会社
・株式会社福岡ダイエーホークス
・日本ハム球団株式会社
・株式会社千葉ロッテマリーンズ
・株式会社西武ライオンズ株式会社
・株式会社大阪近鉄バファローズ
・株式会社広島東洋カープ
・株式会社横浜ベイスターズ
・株式会社ヤクルト球団
巨人は、株式会社よみうりの抱える東京読売巨人軍というまさに野球興業部門なのです。
もともと新聞を売るためのツールという位置付けなんです。
販売促進のための道具ですね。
最初に言ったように、全国ネットのメディアを持った公共性の高い、
モラルが最も問われる企業が、「スポーツ」の分野で共存・共栄の理念もなく、
自社の利益のために徹底したひいき報道をしているのです。
(これを20世紀読売式とでもいいましょうか)
この球団の本質がこれひとつで見えますよね。