今回は法律に関する問題なので、
はっきり言えば素人ではわからない面も多く
難しい部分に足を踏み入れてしまいました。
でも、その道の方に協力してもらい、わかりやすく書けたとは思います。
どうなりますか…
『4月9日、12球団代表者によるプロ野球実行委員会が開かれ、
今秋から実施する新ドラフトでの新人選手の獲得方法を詰めた。
自由競争獲得とドラフト制を併用するという。
契約金の最高標準額(上限)については1億円に戻した形となった。』
はて、これは何でしょう。
自由競争にはもちろん上限はないでしょうから
この上限が1億円? 最高標準額?
というのはドラフト制の部分で上限がついたということでしょうか?
まあ、何はどうあれ実態を考えると
ドラフトの上限についてはあまり意味があるとは思いません。
一等地に家を建ててもらったり、
税金を支払わなくてもいいように家やマンションは球団が所有し、
無料で貸し出す形で住まわせたり、
長嶋の時のように「こづかい」を毎月与えたり
借金の肩代わりをしたりと
このようなことへの監視機関も罰則規定もない中で上限を決めても
あまり意味がないように思います。
前回も書きましたが、コミッショナー事務局は
「上限を決めると独禁法に触れる恐れがある」
としてわざわざ明文化しませんでした。
今回「最高標準額」という変な言葉で
契約金に制限をかけています。
何を考えているのかわけがわかりません。
このコミッショナー事務局やナベツネが言う「独禁法違反」。
そもそも何が独禁法に触れるのでしょう。
★独占禁止法とは
市場の独占や不当廉売(仕入れを切るような安い価格で売ること)などの
不公正な取引を禁止し、市場での公正で自由な競争を促進するための法律。
執行機関として公正取引委員会が置かれている。
法律に詳しい方に話を聞きました。
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ドラフト制度は、もともと、引き抜きが横行して
特定の資本力のある球団が優秀な選手を独占しないために作られた制度です。
しかし、法律をそのまま適用すればドラフト制度は独禁法違反です。
ドラフト制度を独禁法違反であるとする学説も多くあります。
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ドラフト制度は、選手が他球団と契約することを阻害するため
自由取引が妨害され、独禁法違反になるということです。
「ドラフト制度」そのものが独禁法違反であるということですね。
しかしながらドラフト制度がなければ
特定のチームが強くなり過ぎ、
スポーツとして魅力のないものになってしまいます。
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プロ野球というのは、相手球団を
コテンパンにして消滅させてしまっては成り立たない
(巨人1球団ではプロ野球にならない)。
だから、しかたなくこの不公正な取引を認めているのです。
スポーツに資本主義の原則を持ちこんじゃいけないってことです。
アメリカでは、プロ野球には独占禁止法(反トラスト法)は
適用されないという古い判例(1922年の!)があるのですが、
日本では裁判で争われたことはありません。
ただ、黙認されていることは確かです。
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そもそも資本主義の原則、つまりは
あの渡辺恒雄(ナベツネ)の発言である
「大金を投資して選手を集めるのは企業努力、それで勝つのが市場原理」
この考え方を持ち込むことによって
プロ野球自体が魅力のない状態ものになるということが
過去の例や、この独禁法「違反」を認めざるを得ないことでもわかると思います。
法律ですら特例にしているわけです。
ナベツネには学習能力がないのでしょうか。
ちょっとこむずかしい話が続きますが (^。^;)ふー
「契約金の上限を決めると独禁法に触れる恐れがある」
としてわざわざ明文化しなかったコミッショナー事務局の根拠は何でしょう。
やはりというか「ナベツネ」がからんでいるみたいなのです。
ナベツネは以前から
『ドラフト制度も独禁法違反。
契約金に上限を設けるのも独禁法違反だ。』
と言っています。(ある意味筋が通ってます)
つまり、ドラフトなんかやめろ、全部自由競争にしろ、と。
対してコミッショナー側は
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コミッショナー・政府ともに、
「ドラフトは独禁法違反となる不公正な取引にはあたらない」
という見解をとっています(昭和54年7月11日衆議院法務委員会)。
(江川事件の頃、コミッショナーが国会に参考人招致されたときの議事録)
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つまり、
『ドラフトは独禁法違反じゃない。』
と言っておきながら、ナベツネの言う
『契約金に上限を設けると独禁法違反だ。』
という言葉をリピートしてしまったために
ちぐはぐなことになってしまったと思えます。
「上限がない」というのは自由競争とイコールで
もはやドラフトとは言えないものになります。ドラフト以前に買収成立です。
くじにはずれりゃプロ入り拒否です。
(それほどの巨額です。全員とは言えませんが)
ドラフト制度は
高騰する契約金を押さえる意味合いで導入した経緯をすっかり忘れています。
(本当にアタマいいのか、ナベツネのお友達コミッショナーや会長…)
ドラフト制度を認めたら。
本来「自由競争」は許してはいけないと思います。
さてさて、また違う観点から困った話も出てきました。
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契約金の上限を決めようが決めまいが、プロ野球という組織自体が、
実は独占禁止法違反のまま放置されている状態です。
新規に球団がリーグに入るために60億円の加盟金を支払わなければならないことも
新規参入を阻害する独禁法違反の疑いのある制度ですし、
所属球団の同意を得なければ(=トレードや自由契約)移籍できない
「保留選手制度」はまさしく排他条件付取引または拘束条件付取引といって
独禁法の禁じる取引方法です。
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困りました。(笑)
何に困ったかわからないくらい困りました。
プロ野球そのものが違法ということか…。(;_;)
困ったので、ちょっと休憩 ヽ( ´ー`)ノ
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さて、独禁法考察はまだ続きます。
「自由競争を阻害してはいかん」と言うことよりも
むしろ、言い方として
「不当な価格」によって市場を独占してはいけないということの方が
この法律の見方として正しいような気がします。(違うかな?)
調べてみました、
◎不公正な取引方法 7号(不当高価購入)
不当に商品又は役務を高い対価で購入し、
他の事業者の事業活動を困難にさせるおそれがあること。
素人考えでは、この日本語の意味から普通に考えると
まるっきり巨人はこれにひっかかるのではないかと思うほどです。
さらに独禁法を調べていて気にかかる部分がありました。
◎不公正な取引方法 10号(抱き合わせ販売等)
これは、商品供給の際に、別の商品を抱き合わせて、
別の商品の購入を強制してはいかん、というものです。
借金の肩代わりや、家を与えて、契約金と「抱き合せ」て選手を強制的にかき集めている
巨人はやっぱりベースが独禁法違反なんじゃないかという疑問が出てきました。
読売新聞にしても、再販制度という公認の独禁法違反まがいの制度下で運営されていますし
テレビ放送にしても1チームだけを特別に扱っていることも
共通した「独占」体質に思えます。
専門家の話では、
思わぬところに「抱き合わせ販売」が存在することを指摘してくれました。
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プロ野球でいえば、今年の敦賀気比の内海と李の例で、
敦賀気比高校が売主だとすれば、気比高校による「抱合せ販売」です。
「ついでに李も買ってくれれば、内海を売ってやるよ」
ということがいけないのです。
巨人のやったのは、李を人質に取って内海にオリックスを拒否させる
ということなので、これとはちょっと違いますけど。
3年後、巨人が内海に
「巨人を逆指名しないと、おまえの相棒の李をクビにするぞ」
と逆指名を迫れば、独禁法違反です。
テレビ放送のことは、独禁法違反とはいえないです。
需要と供給のバランスですからしょうがないです。
関係ないことですが、放送法にはひっかかる可能性があります。
放送法 第三条の二
放送事業者は、国内放送の放送番組の編集に当たつては、
次の各号の定めるところによらなければならない。
第三条の二の四
意見が対立している問題については、
できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。
本来は「政治的な意見の対立」のことなので、
球界全体の制度的な問題などのことで、
一方向からの見解を垂れ流してはいけないということでしょう。
一球団を特別に放送するのは、倫理的な問題はあれども、
特に問題はないんではないでしょうか。
民間の放送内容にあまり干渉はできませんから。
NHKなら大問題ですけどね。
だから、NHKの中継は、それなりに球団を分散させてますよね。
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法的なことはさておき、テレビの野球中継に関しては
非常に問題があり、危険すら感じます。
マスコミについては次回まとめようと思います。
さて最後に
試合を商品として考えた場合、
プロ野球そのものの質を巨人が落としていること自体が、
(巨人だけ強ければ試合の質は落ちます)
消費者を半ば無視したやり方をしていると言えないでしょうか。
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まあともかく、プロ野球は、全体としては利益を追求する団体ですが、
内部では「自由競争が阻害されていなければならない」という、
悪く言えば全体主義的な団体です。
各球団は、だれもが逆転可能なように設定されたルールの中で、
努力を惜しんではなりませんが、
外部の要因(親会社の莫大な資金力の差)を持ちこんではならない。
考えてみれば、ロッテは読売新聞より相当大きな会社です。
しかし、野球にはルールに従ったお金しか出していない。
本来はこうしなければならないものだと思うんです。
完全に自由競争にしたら、今のパイ(巨人ファン)が増えるどころか、
その中から
「野球がおもしろいから見てる巨人ファン」が去り、
逆にパイが小さくなるにちがいないです。
そのことがわかってないナベツネは○○(ピ〜)です。
多少、演技もあるんでしょうけど。
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野球界全体が発展するためにやるべきことを
たった一人の独裁者的な人物がいるために阻害されている。
さらに言えば、それに対抗するだけのエネルギーを持った人物や組織がない。
何とも悲しい現実です。
読売は野球をスポーツとして捕らえていないと思います。
スポーツとして成立させたい他球団は「興業」の部分で読売なしでは成立しない。
というよりは1から構築する大変さに、楽な方を選んでしまっているように思います。
野球人気にかげりが出て、読売に危機感が出てきても、
野球界全体を活性化させる方法をとらないかも知れません。
とことん市場原理を通すような気がします。
(突き進めば崩壊します)
ところで、
昔、企業は、環境を破壊しようが何をしようが
自分のためだけに利益を追求していました。
20世紀も終わる頃から、メセナという概念が生まれ
環境保護はもちろん、文化の保護、社会福祉への協力という
むしろ人類全体・地球全体のことを、
利益以上に重要視する方向へ進んできたわけですが
まさに読売に欠けているのはこれではないかと思います。
非常に前時代的な企業であるように思います。
たかだか野球というスポーツの世界ですら、
「共生」を実現できない。やっているのは「強制」です。
自分の利益にしがみついています。
自分達がその環境を破壊していることすら気付かずに
せっせと汚水を海に捨てているようなものです。
くどいようですが、まとめます。
独禁法とのかかわりで言えば、
市場原理が成り立たないスポーツ(文化)の世界だからこそ
本来なら独禁法違反に当たるドラフト制度が特例として、認められているわけです。
それをぶち壊す「逆指名」「自由競争」を強引に持ち込んだ。
同様に新聞という「文化」への独禁法違反の特例「再販制度」に甘んじているのに ★注1
こちらはとことん保護しろと言う。「自由競争」を持ち込ませないようにしている。
(個人的には再販制度は必要と考えています)
「ドラフト制度」と「再販制度」にはこういう共通するものがあるんです。
結局読売は自分の利益だけを基準に考えている古い企業だから
自分に都合のいい解釈しかしないということです。
困った存在です。
今後、あのナベツネが事あるごとに「企業努力だ」「独禁法違反だ」と
吠えまくることが予想されます。ドラフト制度の撤廃を主張する可能性も大です。
その時には、今一度、このイカサマ巨人ニュースを覗いてみてください。
役に立たないかも知れません…。 ~(>_<。)\あたた
で、一言…
「ドラフト制度の撤廃を言うなら、再販制度を廃止しろ!」
これでナベツネは「ゆでダコ」になるはずです。
付け足し。
●
※最新のドラフトの記事より
実態は従来の「逆指名」が「自由獲得」になっただけだが、
これまでのように2位を社会人、大学生の即戦力で固め、
1位を高校生でいくことはできなくなった。
出来高払いや年俸の上限、交渉期間などの細部は今後、ドラフト検討委で詰めていく。
●
今回のドラフトに関する検討は、読売がやや妥協した形となっています。
それでも自由競争というかつてないドラフトの根幹を無視した制度が
ドラフトと並列されたこと自体、とんでもないことだと思います。
高校生以外なら、2人の欲しい新人を札束を積み上げることで
獲得できる可能性が高まったわけですから
またしても「巨人に有利」な制度が強化されたことになります。
今後「読売」の自分勝手なルール作りを許さない方向に向かってくれれば
未来もあると思うんですが、絶望感の方が大きいです。
プロ野球人気が凋落して、はじめて慌てることになるのでしょう。
プロ野球、特に「巨人戦を見ない」というのは
読売の横暴に歯止めをかける有効な手段となるでしょう。
★注1 1996年3月 ナベツネの発言の一部
いま公取委員会が、新聞の再販を廃止しろと動いている。
これは新聞の部数を半分に減らせっていうことと同じなんです。
戸別配達が崩壊しますから、半分じゃ済まないでしょう。10分の1になる。
いま新聞の部数は世界で日本が一番です。
それを潰そうというのが公取委員会の独禁法の専門学者。
この連中が国の産業憲法である独禁法の解釈を勝手に変える。
解釈を180度平気で変えるんですから。
法律によらず国会の議を経ず閣議決定もなしに公取委員会の
一片の告示で政策を180度変えることができるんですから。
こういう馬鹿なことが民主国家で行われているっていうことに対して、
僕は許せないものを感ずるんですがね
お前が「民主国家」言うな。(--メ)