イチローが活躍すればするほど、日本のプロ野球の陳腐さが目立つ今日この頃。
7年連続首位打者というとんでもない記録を作り、まだ継続中であったにもかかわらず
マスコミは巨人、巨人と絶叫しておりました。
現在も変わりません。
ひとつ変わったのは、大リーグで活躍する日本人を
マスコミが追っかけるようになったことでしょう。
某プロ野球チームのオーナーがこんなことを言っています。
「イチローは日本での平均打率が3割5分3厘で、
メジャーでもほとんど数字は変わっていません。
投手力、守備力は日本とほとんど変わらないといえます。
実情を知らぬ人が大騒ぎしているのは、
対米劣等感のあらわれではないでしょうか」(7/11)
日本で大騒ぎされなかったことの方がおかしいんです。
3割5分という数字の意味も理解されていないようです。
35億円くらいの価値ですよ、
というように金額にしたらわかるのかもしれませんね。
しかしこのオーナーの対米劣等感は並ではなさそうです。
この一週間でまた書かねばならないことが2つも発生してしまいました。
両方書くのは時間的に無理なので、今回はそのひとつだけ書きます。
オールスター投票についてです。
簡単に経過を追います。投票スタート(6/1)から間もない頃はこうでした。
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●2001/06/07
毎年の事ながら惨い状態ですねぇ・・・。
どんなに成績を残そうが活躍しようが関係ないのか?
讀賣のユニフォーム着てりゃそれでいいんだね。
●2001/06/08
なぜ、二岡が石井琢朗に大差をつけて1位になっているんだ?
6月7日現在、奴の成績は打率209、ホームラン4、守備、走塁共に
石井琢朗の足元にも及ばない、さらにスタメンで出てないというのに!
●2001/06/13
予想通り、巨人の選手ばかりが選出されていましたね。
確かに活躍している選手も選ばれていると思います。
でもその中には、やはりリーグの代表としてはどうだろう?
と思ってしまうような選手も選ばれていると思います。
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オールスターの投票は「成績」よりも「人気」が優先する傾向があります。
人気の高さはほぼメディアへの露出に比例しますので
読売の選手が絶対的に得票率が高くなってしまうのです。
ところが異変が起きました。
広島カープの選手が軒並み票をのばしてきたのです。
中にはニ岡と同じような、スタメンとはいえない選手までもがトップになり
組織票は許せんと批判的な意見まで聞かれました。
しかしこの原因が、「広島エリアでの票が開いたために起きた片寄り」
であるということで落ち着いたようです。(真相はわからない)
地方球団の場合、
「成績」よりも「その地方の球団の選手」に票が集まってしまう傾向があるため
確かにその地方での開票が加算されれば、こういう結果になる可能性はあります。
ただ、広島の選手の突出というのは、
単に広島エリアの票が加算された結果だけではないと思ったのです。
それはテレビの視聴率の低下と関係があります。
いくら何でもここ数年の読売のやり方は、
巨人ファンと言えども嫌気が差しているのではないかと思えるのです。
だからこれは
巨人票が減っているのだと思いました。
その上でさらに、他球団のファンの一部が
巨人の選手など見たくもないから、
球団として対照的な広島に票を入れたのではないかと、
「巨人の選手の票が伸びないとは、日本も捨てたもんじゃない」
と、思ったのです。
このまま最終結果はカープの選手が独占するという
とんでもないことが起きる可能性がありました。
どちらにしても「成績」がそのまま反映されないということになります。
現在の、投票によって選出されるシステムである限り
投票者にとってスターというのは好きな選手であるのですから
成績は関係がありません。
素晴らしい成績でも、嫌いなチームの選手には投票しないということもあります。
7月2日の「最終中間発表」では結局
巨人の選手の部門トップは、投手・上原、一塁手・清原だけでした。
広島はトップが4部門もありました。
金本などは松井の上にいたのです。
ネットのニュースでも話題になりました。
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●2001/7/3
オールスター最終中間発表で大異変が起きた。
最下位争いの阪神、横浜がゼロなのはわかるが、
首位の巨人選手が惨敗で、なんと広島ナインが大躍進だ。
(中略)
さらに、金本だけでなく、広島勢の躍進は目を見張る。
二塁・木村、三塁・新井、遊撃・東出と内野を独占しかねない赤ヘル旋風だ。
(中略)
逆に巨人勢の支持率低下は目をおおうばかり。
(中略)
テレビの巨人戦の視聴率が低迷しており、大問題になっているが、
オールスターのファン投票にも影を落としている。
ただ、巨人に限った現象ではない。
最終中間発表時点での得票数自体が、約5万枚減少してるからだ。
(中略)
未集計票が約120万強あり、最終発表の10日にどんな結果が出るか。
盛り返すのか、それとも日本球界にとって衝撃的な内容になるのか、注目だ。
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そして最終結果が発表されました。
各部門トップは
投 手・上原(巨人)
中継ぎ・岩瀬(中日)
抑 え・岡島(巨人)
捕 手・古田(ヤクルト)
一塁手・清原(巨人)
二塁手・仁志(巨人)
三塁手・江藤(巨人)
遊撃手・石井(横浜)
外野手・松井(巨人)
高橋(巨人)
金本(広島)
7人が巨人。広島は1人。実質首位のヤクルト1人…。
出たら批判されそうな阿部捕手(古田とは格が違う)とニ岡遊撃手(超低打率)は
さすがにトップはとれませんでしたが
いったいあの最終中間発表は何だったのでしょうか。
まあ、全国でテレビ放送され、巨人翼賛解説をされているので
全ポジション巨人というのも考えられますが、
少し不自然なところがあります。
まず投票総数がおかしい。
最終中間発表の投票総数が、153万8426枚でしたので
上記記事の「未集計120万」を足すと約270万となるはずです。
(この120万という数字は多分去年までの数字を参考にしていると考えられます)
いや、この時点で投票は閉め切られているのですから
おおよその見当として120万という数字が出せたのかも知れません。
去年の投票総数が、389万8377枚でしたので、100万以上の激減が予想できます。
ところがふたを開けてみれば
今年の投票総数は、367万9488枚。
つまり、一気に200万も増え、去年とほとんど同じになったわけです。
視聴率が激減している中で、ファン投票がほぼ去年と同数まで「引き上げられた」のです。
80万も誤差(?)があり、不自然極まりない。
セ・リーグは観客動員も減っているはずです。
それから個々の選手を取り上げてみますと、何とも妙な数字と言わざるを得ません。
例えば投手部門1位の上原は、19万3186増えて、224%の増加率です。
総数が253.4%増えているので、これはそれほど不自然とは言えません。
ところが同じく投手部門2位の広島の黒田は、1万8743票(106.1%)の増。
上原との差が17万4443と実に9倍以上開いています。
これだけ上位にいる選手は、普通、総数に対して
極端に得票率が落ちることはないはずなんですが…。
気になるので上位11選手の合計を比較してみました。
とっても面倒なので4チームに絞りました。
巨人 252万3608→550万1230 297万7622増加(218%)
広島 270万6872→298万9021 28万2149増加(110%)
中日 126万6910→325万0700 198万3790増加(257%)
ヤク 149万1032→260万9834 111万8802増加(175%)
なぜ広島がこんなことになるのでしょうか。桁違いです。
広島エリアの票だけが先に開いたとしても
増え方にこんなに差がつくものでしょうか。
名古屋や大阪で、あるいは東京で広島の人気はそんなにないでしょうか。
この結果は極端な言い方をすれば
広島エリア以外の投票の中に、
広島の選手を選んだ人がほとんどいなかったということになります。
ファン投票は成績ではなく、好きか嫌いかで入れる要素が強い。
そういう傾向が読み取れる中で、特別嫌われているとは思えない広島の選手に
まったくといっていいほど票は入らなかったのです。
ゼロといってもいいくらいです。
もしかすると、選ぶだけの選手がいなかった、とファンが判断したのかも知れません。
だとすればオールスター選出の意味をよくわかっていることになります。
それでも、黒田、佐々岡、高橋健あたりは選べるはずです。
広島ファンは妥協を許さないのでしょうか。(^◇^)
なら、中間発表自体どういうことなのでしょう。妥協の産物ということになります。
どの選手も、オールスター選出に値する数字には達していないと思います。
(ディアスがどうにか引っ掛かるくらいでしょうか)
まあ、しかしファンなら木村や東出にも投票するでしょうし
個人的には好きな選手なので、別にいいとは思います。
中間発表でトップだった広島の金本は、
40万2945が48万0150で、わずか7万7205しか増えていません。(119%)
トップだった選手が、ですよ。20〜30万増えても少ない比率なのに。
確かに成績的にはいまひとつですが、実績はあります…。
高橋由伸は同じように今年大した成績は残していませんが、やはり実績はあり、
29万2559だった得票が、63万2349と約34万も増えている。(216%)
高橋の数字がおかしいのではありません。
金本の数字の伸びが低すぎるのです。
とにかく結果から見て、よほど意図的にやらなければこんな推移はしなかったでしょう。
巨人の選手がトップになるのは、全然不思議はないのです。
人気投票なのですから、むしろ普通です。仕方がない。
結論として
数字そのものに偽りがないと仮定しても、推移が不自然。
はじめから巨人の選手が独占して、「しらける」のを恐れたのでしょうか。
ま、それでもどうやったらこんなことになるのか不思議です。
そして前代未聞の事件です。
最終発表の数字が、中間発表時よりも得票数が「減った」選手が続出したのです。
ご存じの方は多いと思いますが、その記事の抜粋です。
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<プロ野球>オールスターのファン投票最終結果に集計ミス(毎日新聞)7/11
プロ野球オールスターゲームのファン投票最終結果(10日発表)に
集計ミスがあったことが分かり、コミッショナー事務局は11日、
集計結果を訂正し、おわびの文書を出した。
投票で選出されたセ・リーグ11人、パ・リーグ12人ら
得票順位が上位の選手については訂正はなかったが、
同事務局は「長年の間、多くのファンに支えられてきたファン投票の
信頼性を損ねかねない重大なミス」と謝罪した。
集計ミスは、同事務局などにファンから寄せられた問い合わせで発覚した。
一部の選手で2日の最終中間発表時より得票数が減ったケースがあった。
約20年前からファン投票の集計を担当している
情報サービス会社の「メイケイ」(本社・名古屋市)が調べたところ、
得票数または得票順位に誤りのある選手は全ポジションの合計111人に上った。
同社によると、集計ミスがあったのは、
ノミネートされた選手のマークを塗りつぶす公式はがき約10万枚分。
ノミネートされていない選手を投票する場合、
欄外の手書き欄に記入することになっているが、
集計用のコンピューターが手書きされた選手の
得票数を加えるべきところで逆に引いてしまうミスを犯したという。
同社の担当者は「最後に残った公式はがきを集計する段階で、
集計速度を高めるためにコンピューターのソフトウエアを作り替えた。
その時にチェック機能が解除されてしまった。人為的なチェックも怠った」と説明。
長谷川一雄コミッショナー事務局長は
「コミッショナーに報告した。来年の集計方法は当然考え直す」と話した。
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細かく調べようと思いましたが、やめました。
数字が合っていても、違っていても、
投票総数の異常な増え方に比べて
上位選手の数字の推移の不自然さに比べて
問題が小さそうだからです。
もちろん公式の投票の集計数を間違えるなんていうのは最低のミスですが
票が減っている部分は確かに全体の下位でしか確認できず、
もし、上位選手にも影響していたとしても、それは絶対にわかりません。
結果的に減っていないからです。
でもこれは本当に単純なミスかも知れません。
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●2001/7/12
メイケイなる会社はクライアントであるNPB事務局に
集計ミスの原因をに報告したと書いているのに、
どうしてNPBが原因を公表せず、毎日が公表するんだ!?
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いさぎ悪い日本野球機構は、隠し通せるものなら隠したいのでしょう。
この読売カラーから早く脱却してもらいたいものです。
ところで、私は今年投票はやめました。来年以降も投票しません。
いいプレーを見るための投票ではまったくないからです。
バカバカしくなります。
毎年毎年そうですが、
投票のハガキは一人あたりの制限がなく、
極端な話一人100枚でも200枚でも出せるわけです。
インターネット投票も1日1回の投票とはいえ、
連日投票することで1人で20票にも30票にもなります。
ひょっとしたら偽名も使えるのではないでしょうか。
1才の赤ちゃんの名前でも投票できるはずです。
携帯電話からの投票も、1人1票という制限はないようです。
(1日4票と人に聞きました)
これがまともな投票システムでしょうか。
数字そのものが正確に人気を反映しているとは思えません。
組織票だのなんだのと、きな臭くて不快度が増すばかりです。
1人1票じゃダメなんでしょうか…。
あんまり厳密にやられても、プライバシーの問題もありますので
難しいですが、今のやり方では納得できません。
いくらでも票の数が増やせるこのシステムが
プロ野球関係者には手放せないものなんでしょう。
人気が落ちても、ファンの数はごまかせるわけですから。
まさかハガキ係やインターネット係はいないでしょうね。
いっそのこと、誰か野球通の人間を集めて、
選手の成績や活躍を見て決めてしまったらどうでしょう。
選出の理由もつけて。
もしくは
必死のプレーはケガにつながるとして、本気のプレーも少ないオールスターなど
やめてしまった方がいいのではないでしょうか。