今回のイカサマ巨人ニュースは第33回ということで、
背番号33の江藤を取り上げてみようと思います。
同時期に話題だった工藤はまた別の機会にします。

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江藤 智(あきら)
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先日、掃除をしていたらカープの箱に入ったサインボールが出て来ました。
何年も前に広島に行った時に買ったもので、飾ると汚れるのでもったいなくて
ずっと箱に入れて仕舞っていたのです。
ボールはビニールに入ったままで、「CARP」の印刷とサインがあり、
ビニールの表面に小さなシールが貼られ「33.江藤」と書かれています。
(結局、飾らなくても“汚れて”しまいました…)

私は阪神ファンとは言え、広島の前田と江藤は特別視していました。
ドラフト下位指名から頑張って、カープの3、4番に固定されるに至りました。
その活躍も見事で、長打のみならず、江藤などは盗塁もよく決めていました。
いわゆる鳴り物入りのスター選手を金でかき集める巨人とは正反対で、
選手を育てるカープには好感がもてます。

その好きだった江藤のサインボールを発見して、
軽いショックとともに、その処理に困り果ててしまいました。
今更飾っても目のやり場に困るし、気持ちも萎えてしまいそうです。
だからといって捨てるのも「CARP」と書かれているだけに気が引ける。
保管するにもいまひとつ愛着も消えている。
野球への興味をごっそりと削ぎ取ってくれた人とはいえ
カープの江藤は素晴らしかった。心中複雑でした。
つくづく、移籍問題がなければ良かったのにと思わせてくれました。

■チーム作りに関して

FAの権利を取得した1999年末、江藤は残留より移籍を選択します。
横浜と阪神、中日、そして巨人が江藤獲得の意志表明をしました。

チーム事情で考えれば、江藤が絶対に必要なチームは阪神か中日だと思いました。
しかし中日は打てなくても強力な投手陣がカバーできます。
一発に頼る野球でもありません。
貧打で断トツの最下位にあえぐ阪神を、江藤が引き上げて、
ペナント争いを渾沌とさせてくれたなら
もっとプロ野球そのものが盛り上がったのではないかと思っています。
江藤という男の株も上がったように思います。
(清原の時もそう思いました)
が、決めるのは本人ですから、こればかりは強制できません。

ちょっと話が逸れますが、
チーム事情を優先して選手が行きたいところに行けなくなるのはやはり問題です。
「人気のある球団、金を沢山くれる球団」にFA選手が集まるのは
ある程度仕方のないことで、巨人へ行くこと自体否定はしません。

チーム事情ということで言えば
ドラフトで、ウエーバー制の恩恵を受けるべきチームがあっていいと思います。
そのためのドラフト制度でもあります。
チーム格差を開かないように、拮抗した戦力でスタートした方が面白いし
それがスポーツリーグの運営方法だと思います。
(しかし巨人が逆指名や自由競争枠を導入して骨抜きになっています)

選手もドラフトで希望のチームに入れないとゴネるのではなく、
プロ野球選手になりたいのなら素直に入団し、
実績とFAの権利を得て、行きたいチームに行けばいいのです。
このFAの取得期間が10年と長いため、短くしようという動きが出ているのが現状です。
考え方としてはいいと思います。

古田式という本の中に、考え方としてわかりやすい説明をしている
古田選手の発言がありますので抜粋します。

 たとえばFAが10年ではなくて、7年で取れるようにしたら、
 もっと多くの選手が宣言できる。その数が30人ぐらいになれば、
 どのチームもFAの選手を取れるし、
 他チームに自分のところの選手を引き抜かれたとしても補充できるし、
 活性化がすすむ。
 そうなれば、ドラフトで逆指名は要らないですよ。
 仮に高校を卒業して18歳で入団して、
 25歳になったら好きなチームに行けるシステムがあれば、
 とりあえず入ろうと思うんですよ。そこで自分に価値をつければいい。
 そうなるとチーム間の力は均等化されるんです。
 それを嫌っている。今の野球界は。

ほとんど完璧に言ってくれています。
また、FA選手を獲得する際に、球団も本当に必要な選手なのか、
ファンにも納得のいく説明をしてほしいものです。

江藤に関して、長嶋監督の説明内容は
 ・右の強打者が欲しい。
 ・バランスが良い打線になると期待している。
単にホームランバッターを右も左も半々揃えたいと言っているのです。
だいたい
巨人にはすでに大量の長距離打者がひしめきあっていましたので
(清原、松井、高橋、石井、広沢、他に清水、後藤、斉藤など出せば打つだろう選手、
他にニ岡や仁志、川相など勝負強い選手もいるのに)
江藤を獲得する理由が希薄でした。
もちろん、どれだけ集めても結果の出せなかった長嶋茂雄が監督である以上
まったくの無意味ではないと言うことは言えるのですが、
それはそれで、監督としての能力のなさを証明することになりました。
「だって右の清原も石井も広沢も思ったほど打ってくれないんだもん。
今度は江藤だもん」これが長嶋茂雄の気持ちです。
最近の視聴率の低迷は、このバカバカしいチーム作りに無関係ではないと思います。

■巨人の江藤獲得の理由、江藤が巨人を選んだ理由

江藤獲得の理由の一つに他球団の補強の妨害が考えられます。
横浜が獲得した時の「マシンガンに大砲がからむ打線の驚異」、
中日が獲得した時の「投打のバランス」が、
長嶋にはお気に召さなかったのでしょう。
翌2000年という切りの良い年は特に、
それだけで「優勝しなければならない」と自分達だけで決めているので、
「相対的に最強になる」ためには、驚異となる選手はみんな欲しかったのです。
実際に江藤に続き工藤、そして横浜が獲得に動いたメイまでも
あっという間に獲得してしまいました。
(メイはメイで別の機会にまとめます)
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●1999/11/27
中日は必要な戦力補強であって、巨人は他チ-ムの戦力補強阻止が狙い。

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1948年の別所引き抜き事件の時も、読売首脳が
「別所が活躍できなくても、南海がその分弱くなるからそれで十分」
と言っていたように
飼い殺し体質は現在までずっと変わっていません。
江藤の場合も、読売側の理屈では他チームの強化を阻止する狙いがあったと言われても
仕方のない状況(過剰な長距離打者の数)でした。

江藤は自分が行きたいチームを明言しませんでした。
ただ実家のある関東のチームを希望していました。
仲の良い選手がいるとかで、横浜入りが濃厚と言われていたのです。
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●当時のスポーツニュースより
 (99年11月)16日、横浜と交渉を行い、
 入団の意思を隠しきれない表情だった江藤。
 巨人は17日、長嶋監督が直々に出馬して口説くが、
 逆転は極めて難しい情勢だ。

●1999/11/18
昨日のスポーツニュースを見たんですけど
江藤は巨人に行く気はないみたいですね
横浜の交渉の時と違って、全然、喜んでないみたいですね
今日の朝刊にも、巨人の印象はあんまり残ってないって、言ってましたしね
これで、江藤はほぼ、横浜じゃないですかね

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それと、巨人を選択しない理由として
江藤自身、広島カープの巨人に虐げられてきた歴史を
知らないとは思えなかったからです。
少なくとも、巨人へ移籍することの意味は、
どういうことなのかわかっていただろうと思っていたのです。

この辺にも軽く触れます。

カープは球団設立後、しばらく運営するためのお金に困り、
何度も潰れそうになりました。
遠征のための交通費もなかったという話もあるくらいです。
それを広島市民の「たる募金」などで補い、どうにかやってきました。
巨人とは対照的です。
そんな中で
金のない球団ということで、邪魔者扱いをしてきたのが
「球界の盟主」だったわけです。
ある事件をきっかけにセ・リーグから追放される危機もあったそうです。
(広島ファンが巨人の選手にビール瓶を投げ込み怪我させたことがあったらしい)
今でも読売は貧乏球団は潰せと主張しているくらいですから
広島市民も江藤も、感情として巨人を好きになれるはずがありません。

カープで4番を打ち、広島のヒーローだった江藤が
市民を裏切るような「巨人を選択」するとは考えにくかった。
それを言えばカープから巨人へ移籍することができなくなってしまいますので
絶対ダメということではないんですが、
市民の感情を逆なですることは分かっていたはずです。

この辺の事情を知らない人でも
あれだけの長距離打者を集めておいて「またか」と
うんざりした野球ファンは少なくなかったと思います。
江藤本人がその空気を読めなかったとも思えません。

であれば
ひょっとして本当に巨人へ行きたかったのか?
なら最初から「行きたい」とはっきり言うべきです。

阪神との交渉では、5年15億円の提示までさせておいて、
最初から入団の意志はなかったとして断るような、
人をバカにした交渉などするなと言うのです。

しかし巨人へ行きたいという気持ちがあったかどうかについては
たいへん疑問です。
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●1999/12/19
知人のそのまた知人の中日OB現解説者の人に聞いたんですが、
工藤も江藤も実は読売にほぼ100%入らない予定だったそうです。
それを読売が無理やり使って入れたそうです。
工藤に25億、江藤に30億とか・・・
裏から金を渡せば税金も取られないので二人ともそのままの金額を手にしたそうです。
ちょっと多いから半額としても破格ですね。
沢山金もらってももうあきらめるから表の金で税金納めて欲しかった。
ちなみに槙原はマジで中日に来たいそうです。工藤と仲も悪いし。

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この書き込みの信憑性はあるともないとも言えませんが
これまで巨人のやってきた札束で選手を釣るやり方、
どんな汚い方法でも獲得すればこっちのものという考えが見え見えの球団が
やっていても全然おかしくない、
むしろ今回だけクリーンという方が不自然なくらいです。

江藤は当初は単に別の球団でやってみたい、実家の近い関東の球団がいいと
それだけのFAだったのではないかと思います。
ところが、ただでさえ高額な年俸の何倍(10倍以上か?)ものお金が、
心を迷わせたような気がしてなりません。

ルールに乗っ取った契約金の提示で見ると
中日は提示額を公にはしなかったようですが
阪神は、5年15億円の提示
横浜は、4年10億円の提示
巨人は、4年12億円の提示
もともと条件(関東)外の中日・阪神を除外すると、
必ずしも巨人をカネで選んだようには見えません。
(2億円の差は、この際あまり意味をもっていないように思います。
この差なら、本当に行きたい方を選んだでしょう)
FAのルールとして、

 ・移籍の場合は契約金は年俸の50%が上限。

というのがあります。
契約金での競争にはそれほど差がつかないよう配慮されているのです。
江藤の場合は、1億8000万円の50%の「2億7000万円」が上限です。★注1
横浜の単年計算は2億5000万円と範囲内ですが
阪神の単年計算3億円は推測とはいえルール違反と言えます。
巨人も同様に3億円でルール違反ですが、
多分、阪神も巨人も上限いっぱいの提示だったんだろうと思います。
中日も含めておそらく、
“単年で比較すれば契約金はほとんど横並び”だったはずです。

移籍の決め手はこの提示額ではなく、他の条件ということになります。
その条件が長嶋茂雄の『荒波に向かって行きなさい』だとすれば
こんな茶番はないでしょう。子供騙しもいい加減にしてほしい。
江藤はこの時29歳(1970年生)。
長嶋の引退は1974年で、長嶋の世代じゃありません。
長嶋を知っている年齢じゃないんです。
これが決め手とは思いません。
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●2001/7/26
その汚い部分をきれいに隠すのがミスターの1年の中で最も重要な仕事というか、
仕事らしい仕事はこれだけかもしれない。
巨人の監督は誰でもいいのだが、この仕事だけはミスター以外では役者不足。
ご存知江藤の場合は、背番号33を空けて待つという臭い話。
そこまでミスターにされると行かないとは言えないという状況ができて、
金で動いたというダーティーなイメージや
リーグの均衡を乱す巨人入団という世間の批難をかわせるのです。
ミスターにあそこまでされると断れない。
広島ファンの人ゴメン、星野さんゴメン、横浜さんゴメンと言いやすい訳です。

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江藤へのインタビューでは、巨人を選んだ理由が次の発言。

 「長嶋監督に『荒波に向かって行きなさい』と言われ、
 どうせやるなら一番プレッシャーのかかる大きなところでやろうと思った」

 (背番号「33番」を譲るという話に)
 「温かい言葉をいただいたと思っている。
 自分も監督の『3番』を見たいし、
 ファンもそれを望んでいるだろうから、前向きに考えたい」

長嶋茂雄が言っているから、ファンが望んでいるから
だから巨人を選びました、と。
また長嶋かとあきれました。
そしてマスコミの「さすがは長嶋さん」というオチが着くわけです。

過去にもFAで
「お前の生き様を若い選手に見せてくれ」(落合への言葉)
「思い切って僕の胸に飛び込んできてほしい」(清原への言葉)
そして今回の
「荒波に向かって行きなさい」
さらに工藤への
「男の花道を飾ってほしい」

どれもゲロゲロな言葉で、こんなんでコロッと行く選手の気が知れない。
(落合だけは「カネをいっぱいくれるところに行く」と非常にいさぎよい)

まあ巨人も江藤も「ウラの金」が決め手であると思われたくないのでしょう。
巨人は巨人で長嶋茂雄をフル活用、
江藤は江藤でこの矛先をかわすようなことをやっています。

江藤は、周りから横浜有力と見られていました。
それはサードの進藤選手がFAで移籍を希望していたこともあり
ちょうどサードのポジションが開くタイミングだったわけです。
ところが、進藤選手は残留が決定しました。
そこで江藤は、「進藤選手に申し訳ない」とか「進藤選手に勝つ自信がない」として、
横浜を遠慮するという話が出てきました。
当時の巨人ファンの書き込みが、それをよく現しています。
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●1999/12/08
巨人ファンとして一言言わせて!
いろんなホームページで、江藤を非難しているみたいですが、
アンチの皆さんに勘違いして欲しくないのが、今回はお金で転んだ訳ではないこと。
確かに条件面では巨人がいちばん上だったが、
巨人を選んだ大きな理由は、進藤の横浜残留だと思う。
それに新聞によれば, 早い段階で横浜っていうことを周りに打ち明けていたし、
また横浜関係者にも伝えていたらしい。
そこまで傾いていたのが変わりだしたのは、
進藤が残留したあたりからではないですか?
だから江藤がお金に釣られたわけではなく、進藤が原因だと思います。

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純粋に報道からこのように思わされてしまうのです。
巨人にだってサードはゴロゴロいます。
結局は競争するのはどの球団でも同じなわけですから、全然理由になっていません。
曲がりなりにも、その道のプロがそんなことを考えるはずがありません。
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●1999/12/08
本当に進藤が原因かな?
それよりも引退後の安定した生活とか、高い年俸とかを選んでるような気がします。

●1999/12/08
進藤は「江藤さんが来るなら僕は控えでもいいです」と言ってました。
それに横浜に行こうが読売に行こうがポジション誰かから奪うのは同じでしょう?
進藤のせいにするなんてあんまりです。

●1999/12/08
巨人にも正3塁手として元木がいますよねぇ(今年はケガしてたけど)
進藤からポジションを奪うのは嫌やが、
元木からポジションを奪うのはオーケーやったってこと?
よっぽど、元木って人徳ないんや(笑)

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と、ここまでいろいろ書いてきましたが、
はっきり言って、みーんな「カネ」で巨人に取られてしまうという気持ちが
巨人以外のファンの方々にはあったと思います。
そして、そのたびに「怒り」と「どっちらけ」で
バカバカしくなったと思うんです。
いつも不自然な形で決まっていく。
巨人には行かないと明言していた選手まで行ってしまう。
ウラで何かやっているというのは間違いないでしょう。

ウラはともかく、江藤には落合のようないさぎよさがあれば
まだ救われたような気がします。
「金銭的な条件が良かったから巨人へ行きます」と。

江藤の長嶋がどうのという理由はショックでした。
こんなくだらない野球界なら見る価値がないと思いました。
江藤が巨人でホームランを打つ度にくだらなさが増幅していきます。
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●1999/12/16
ちなみに今まで長嶋監督が使ったお金は
第二政権(1993年〜)だけで、なんと!300億を超えていると言われています。
それだけ使う金があるなら、少しはアフリカとかに寄付してもらいたいですね。

●1999/12/19
読売がン十億使おうが、営利企業だから一向にかまわないけど、
この馬鹿な金の使い方について、
読売系以外のマスコミ(朝日・毎日・NHKなど)が
一向に批評しない現状(一部の夕刊紙や週刊誌はしているが)にはむかついている。
庶民感情を逆撫でする読売の金の使い方は、教育の面から、社会正義の面から、
といったように様々な角度から論評できるのに…。
マスコミって一体何やってんだ?

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日本は不況で苦しんでいるのに不思議です。

巨人のお金で買ったくだらない勝利の数に比例して、
プロ野球ファンは減っていくように思います。
マスコミが巨人を持ち上げれば持ち上げるほど、しらけていくでしょう。
ファンが離れて、
選手の年俸も払えなくなる日が来るかも知れません。
(読売は新聞社の利益を突っ込んでいるかも知れませんが)

さて、江藤は2000年の10月にレイプ事件を起こします。
これもまた別の機会にまとめることになると思います。
今回はここまでです。

気になるサインボールですが
今は私の机の上にただ転がっています。
なんとも寂しい感じです。

★注1 移籍の場合の契約金についての記事
●99/12/07
江藤智内野手(29)の巨人入りが6日決まった。
契約期間4年、
来季年俸は野球協約に従って今季と同じ1億8000万円、
契約金9000万円。
年俸は毎年の成績によって変動し、これに出来高払いも加えられた。

江藤は、88年にドラフト5位で広島に入団。
93年に本塁打王、95年には本塁打と打点の2冠。
96年には、守備中に打球を右目付近に当てて骨折するけがを負ったが、
7年連続25本塁打以上、通算10年で248本塁打をマーク。
今季は打率2割9分1厘、27本塁打、79打点。