木刀による剣道基本技稽古法

平成15年6月1日全剣連発行資料より
1.制定の趣旨

 剣道の基本技術を習得させるため、「竹刀は日本刀」であるとの観念を基とし、木刀を使用して「刀法の原理・理合」「作法の規範」を理解させるとともに、適正な対人的技能を中心に技を精選し指導するものとした。

2.構成

基本1一本打ちの技

「正面」「小手」「胴(右胴)」「突き」

基本2二・三段の技(連続技)

「小手→面」

基本3払い技

「払い面(表)」

基本4引き技(鍔競り合い)

「引き胴(右胴)」

基本5抜き技

「面抜き胴(右胴)」

基本6すり上げ技

「小手すり上げ面(裏)」

基本7出ばな技

「出ばな小手」

基本8返し技

「面返し胴(右胴)」

基本9打ち落とし技

「胴(右胴)打ち落とし面」

3.基本指針

(1)所作事は、「日本剣道形」に準拠するものとする。

(2)習技者に対し、木刀を使用し剣道を正しく体得させる。

(3)使用する木刀は基本的には日本剣道形で用いるものとするが、幼少年にあっては発育段階に応じて適切な木刀 を使用する。

(4)基本動作については、「幼少年剣道指導要項」に則って指導する。

(5)習技は基本的に集団指導によるもので、「元立ち」「懸かり手」の呼称は相互に平等の立場で行うという観点から用いた。

(6)集団指導効果を効果的に進めるために、指導者による随時適切な指揮の下に行うこととする。

ア.前記基本技の選別は、指導者が習技者の錬度に合わせて行う。

イ.適宜、指導者の号令を導入するほか、錬度を高めるため「懸かり手」だけの要項を繰り返し行う等の具体的内容や進め方について創意工夫を凝らす。


4.指導上の留意事項

(1)構え

ア.構え方はすべて「中段の構え」とする。「中段の構え」は右足をやや前に出し、左こぶしは臍前約ひと握り、左手親指の付け根の関節を臍の高さで正中線に置く。剣先は一足一刀の間合においてその延長線が相手の両眼の中央または左目の方向とする。

イ.構えの解き方は、剣先を自然に相手の膝頭から3〜6センチメートル下で下段の構え程度に右斜めに下げ、この時の剣先は相手の体からややはずれ、刃先は左斜め下に向くようにする。

(2)目付け

目付けは、相手の顔を中心に全体を見ることとし、ここではお互いに相手の目を見る。

(3)間合

ア.立会の間合はおよそ9歩の距離とし、3歩前進後における蹲踞しながらの木刀を抜き合せと、技の終了した時点の間合は「横手あたりを交差させる間合」とする。

イ.打突の間合は「一足一刀の間合」とし、この間合は個人の体格、筋力、技量の程度などにより若干の差があることを指導する。

(4)打突

ア.打突は、充実した気勢で手の内を絞り刃筋正しく「物打ち」を用い、後足の引き付けを伴なって「一拍子」で行わせる。

イ.打突は、常に打突部位の寸前で止める空間打突となるが、刀で「切る・突く」という意味を理解させる。

ウ.「懸かり手」の打突動作は、「元立ち」が合気になって与える機会を逃すことのないよう、的確に捉えて「掛け声]とともに気合をこめて行わせる。

(5)足さばき

足さばきは、送り足を原則とし「すり足」で行わせる。

(6)掛け声

打突時に、「面(メン)、小手(コテ)、胴(ドウ)、突き(ツキ)」と打突部位の呼称を明確に発声させる。

(7)残心

打突後は、油断することなく相手に正対し、間合を考慮しながら「中段の構え」となって残心を示させる。



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