七月某日。「ぼんじー!俳句つくったからおくるわ。」の一言から始まったEiji日記。とうとう1コーナーと相成りました。

二月

朝日の中、目を閉じたら僕は冷たい空気になってしまった
冷たい空気は凍えることはなくて
ただ太陽の暖かさだけを感じた

都営荒川線を線路で停めちゃったのサ(実話)

午前一時、雨は静かに降っている
そんなことに俺は気付かず寝ているが
朝の雫がそれを知らせるだろう

目を閉じるより簡単さ感じないことは
触れたくもないことばっかだけどさ
知りたいんだろ?闇の底を、空の天辺を
なら、とりあえず行こうや 鼻唄でも歌いながら

 

一月

ぼんやりと車窓を眺めながら考えていた
今は楽しくなくて昔は楽しかったのか
子供が一人すっとんきょうな声をあげた
おもちゃを買ってもらって興奮しているようだ
電車は川を渡りきろうとしていた

涙目その輝き伏せて闇に飛込んだ
波をうつ鉄混じりの空ただ見てた
ここから見えるのかって吐き捨てるように言うんだね
確かに

どっから隙間風が入ってきやがる
ひゅうひゅうこれみよがしに泣きやがって
慰めてほしいのか?
朝になりゃ忘れてるぜきっと

一人夜道を歩く
こっこっこっ
遠くで点滅してる信号は何か言いたげで
目を背けてしまうよ

十二月

此処には空気が流れてねえから
誰かが苦しみだす前に走ろう
滞った視界をかき乱そう

僅かな記憶に確かに光る 青白い星 冬の星 きっと窓開けりゃ今夜も見える あの日の二人 手を繋ぎ
離れゆく手もスロウモーションさ 帰りはしない 戻らない

 

十一月

寒空水色空のした
落ち葉独りで踏んでたら
「もう行こう」って声がして
俺はとぼとぼ歩きだした

「旅人の肩に紅葉は落ちたのか」
遠い山の背が俺の眼にゃ霞むが 確かに濡れている
誰があの山の向こうで待ってるのか
旅人の肩に紅葉は舞っているのか

 

十月

ひとのことを天才とよぶのはなんてかんたんなんだろう ひくつなたましいはきょうも天才をつくりつづける
きづけばみんな天才だなのに
なぜじぶんが天才であることをわすれたのだ

今日も雨音の中に沈んでいくようだ 動かない岩に 染み込んでいるようだ 死ぬまでには探し出してやるのさ

こんな錆び付いたポンコツどうすんだ?俺は「悲しい」じゃないし俺は「虚しい」じゃない こんな使えねえガラクタ捨てちまえ! 誰とも同じじゃない「苦しい」なんて 誰にもわからない自分だけの「愛しい」なんて

世界はキンモクセイの匂いに満ちていて 俺は耐えきれず走り出す 走っても走っても ついてきやがる 嫌いじゃないんだ でも足が止まることはない

冷たい雨の中今日の残像を背負って 自分の亡霊が電信柱に立っている
立ち止まらず突っ切れ!

すいせいがちかくにとんできても、どっかでほしがばくはつしてもちきゅうはふつうにまわってる だからかならずあしたがくる

すいせいがちかくにとんできて、どっかでほしがばくはつしてちきゅうはふつうにぶっこわれる それでもうちゅうはつづいてる だからあしたがくるかもしれないしこないかもしれないし

膝は軋むが 急がなければ 信号青さ 今日も逃げ切れ

 

九月

つまんない誰かさんなんておいてきぼりにして早く行こう。行き先はどこまでも決まってる。最良の選択に身を委ねるべきか?

それを土に埋めよう、真っ暗な、光の射さない、盲目の生物のいる。そうしないとずっと見てるじゃないか。脳が軽くなって明日を受容する。

いつも風に吹かれおんなじじゃいられない。雲よお前と一緒だよ。地を這って行くのさ。

怯えた風が
まとわりついて
今日も一人で
手を振るだけサ

赤くそびえる
夕日を見ると
死にたくもなる
揺れる向日葵

ふとったつきは
おれをわらっている
しめったはなびに
ひをつけるおれを

俺のなかに夜空があって 夜空のてっぺんに星があって 子供の俺が見上げてる

電線にカラス一匹
夕日を見てやがる「お前もか」と俺が聞くと「お前にわかるもんか」とカーと鳴いた

海岸線にカメ一匹甲羅を見てやがる「またお前か」と俺が聞くと「お前に打っても冴えないヤツの気持ちがわかるもんか」とホーと鳴いた

 

八月

人は自分の生きた時間に意味を持たせようと必死に生きている。不毛な時をおくるのが怖いから。与えられた時が限られているから。でも僕は、誰かに認められたくて生きてるんじゃない。誰かに憶えていて欲しくて生きてるんじゃない。僕は、僕なりに生きる。

黒い川、風が強かった。沈んでいくんだ。もう、見えない。僕はどっちを向いている?

振り向くと、目があった。また振り向くと、また目があった。そして、信号はかわった。

通り雨がふった朝の道、僕は歩く。日陰で朝顔は、涙流す。風はしらんぷり。

僕は毎日、宝物さがししてんだ。駅のホームに、椅子のしたに、そこの植え込みに、ほら。見えないと思うと消えちゃうよ。


大きく足を踏み出して走る。視界を揺れ、熱に侵される。何も考えない。夏に細胞が壊されていく。


みんなと鬼ごっこするのが嫌で、まちをでたんだ。まちの外はいしころばっか。しろくひかるまちが遠くなってく。


すすきがゆれる。だれもいないから、大声で歌っていたのに。見えてるよ。

今日も海の底に歌声は響く。深海魚達は捕食に忙しい。海の上には何も聞こえていない。今日も海の底に歌声は沈む。ここはいい。ずっとここにいよう。

苦しめど、空の下に人。眠ろうと、月の下に波。(他人の嫌な所にばかりすぐ気付く自分が嫌です。)

静かに浮かび上がってくる。少しずつ、少しずつ。忘れるな、夜は帰ってくる。

ゆっくりと空がおちてくる。いまならのぼれるよ。世界中にはしごがかかる。

黒猫よ。いつまで私の目を見ているのだ。わかりあえるときはこない。

暗闇に静かなよどみ。かきまわしても、なにがかわるか。揺るぎない調和。

赤信号夕焼けにのまれてく。車は走ってこない。私も一人。

かぜきって、かぜきって、かけぬける!決して止められぬ足二本。ぜったいに、ぜったいに、うらぎらない!私の私の足二本。

大事なものが溢れる。点滅して消える思考。見えているが網膜が拒絶する、前へ進めと。

こんな夜は哀愁がうずく。自転車をいくら走らせても額には汗一粒浮かばぬ。怒りも苦しみもない世界。ただ、哀愁のみが月にのびていく。

誰もいない通り。ミドリヲマモル。主を失っても忠実に任務遂行。ミドリハダレノモノ?許されない思考。

黄金雲
俺を今日に置いてかないでくれ
走って走って上をみあげれば今の自分

 

七月    いなびかり          きらめきたんぼ      カエルなく