ブラジリアン柔術家の受難
プライドで新ルールが採用され、結果偉大な2人の柔術家が失神するという事件がおこった。
原因は4ポイントスタンスでの打撃の危険性である。
少なからずゴエス、ヘンゾには4ポイントでの危険性に対する認識が甘かったと考えずにはいられない。
BJJの選手があの状態で殴られたのはかなり古く、有名なところではUFC9でのアマウリ・ビテッチvsドン・フライがそれにあたる。
あの試合でもアマウリがBJJの選手特有のまっすぐ入るタックルに行き、それをレスリング選手のフライにがぶられ膝をかなりくらいTKO負けを喫している。
1996年のあの試合ですでにBJJ選手がレスリング選手に惨敗を喫する場面が起こっていたのである。
同じトップ・チームでありながら、同じようにがぶられる体制を拒否しなかったのは旧プライドルールと新ルールとの大きな違いに対する認識の甘さだと思う。
一つルールが増える(減る)だけで、その技術体系は大きく違ってくる。
グランドでのパンチが無かった時代には、ポジショニングという技術は然程重要では無かった。
しかしグランドでのパンチが解禁された事により、パンチを打つ体勢又は避ける体勢に入る為のポジショニングというものが技術として加わった。
そういう部分でBJJの選手は、他の格闘技の選手よりも進んだ技術を持っていて勝つ事ができた。
しかし現在MMAの技術は格段に進歩し、同じ組技格闘技でありながら苦渋を舐め続けたレスリング選手がMMAでの闘い方を身につけてきた。
それに比べ、BJJ選手たちのグラップルに対する自身は選手達に打撃という方向に意思を向けさせてしまった。
タックルを切られ、がぶられた時の4ポイントスタンスからのエスケープの技術をゴエスに関しては持っていなかったと考えるしかないだろう。
時代は流れブラジリアン柔術家達は今、受難の時代を迎えている。
VT先進軍団は本人達も気づかないまま時代の流れに追いていかれていたのだろうか?
奇しくもこの日、この偉大な2人の柔術家達から勝利を奪ったのは2人ともアマチュアレスラーであり、しかも4ポイントスタンスでの膝蹴りの認められているUFCのトーナメントの覇者だという事に気付き感慨深くなった。