No.74 羅臼岳 1661m 2005/8/8

 今年(2005年)7月、世界自然遺産に登録された知床半島の主峰の羅臼岳。羅臼岳は、登山でも玄人さん向きと子供の頃から知っていた。ついにその山に登れるなんて、感動的。
 さちこの小学校5年生の時の担任のM先生は山男。よく授業中に脱線して登山中のエピソードを話してくれた。M先生は、山男そのものの体型で、細身で真っ黒に日焼けしていた。でもひげもじゃではなかったなあ。
 M先生は本格的に登山をしていたので、冬も登山していた。冬に登山する厳しさや、遭難のこと、遭難救助のこと(遭難救助の依頼もあったらしい)、色々教えてくれた。かばんなどを作る仕事だった私のじーちゃんからも、遭難の恐ろしさ、その後の悲惨さを聞いていた(昔は遭難救助で必要になったらザックの注文が入ったのだそうだ)ので、私がいまだに冬季登山をしないのは、そのせいかもしれない。
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 知床へは、帰省のときの小旅行とかねて出かけていったので、登山口までの往復は相方の両親と一緒。登山口までの薄暗い道中、エゾシカやキタキツネやエゾフクロウ(?)が道路にたくさんいた。ふくろうまで見られるなんて、さすが知床。
 前日に近所の登山ショップで購入したカウベルをザックにぶら下げた。普段はうるさいから鈴をつけないんだけど、知床はオヤジ(クマ)のテリトリーだからね。しっかり準備するさ。だいぶ日も昇ってきたので、登山開始。しばらく登ると「ここからXXmの岩稜地帯はクマ出没注意」というナイスな看板が・・・(汗)オヤジ(クマ)ですか?私は会いたくないんですけど・・・ちょっと冷や汗。岩の隙間を埋める砂地に、アリの巣が一杯。そしてアリの甘い匂いが充満。オヤジ(クマ)が好みそうな場所です。ハイ。
 いつもとは違う緊張感を味わいながら、急な岩稜を登る。登りきったら、オホーツク海が見え、知床五湖が見える。遠くには船が・・・じゃなくて、何そうもの遊覧船が忙しく往復してる・・・

 オホーツク展望台からオホーツク海と船と知床五湖
 
 オヤジ(クマ)出没地帯を抜け、土の登山道をてくてく。あまりすれ違う人も無し。北海道の森林の匂いを堪能しながらどんどん登る。北海道と長野の森林の匂いは全然違う。
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 途中、弥三吉水や銀冷水を堪能。(ここにはキツネいないからね。普通は、エキノコックスの心配があるから、北海道の沢水は飲んじゃダメ!)
 この登山はお天気も最高で、北海道の美味しい森林の匂いで、登っていて気分爽快。ちっとも辛くないし楽しい登山だなあ、と思っていたのは私だけ。相方は標高差1400mにノックアウト寸前だったらしい。
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 羅臼峠についたとき、やっと羅臼岳の山頂とご対面した。山頂は、岩だらけで、雲ひとつない青空にそびえている。羅臼国道は山頂をはさんで向こう側だから、この景色を見られるのは、てくてく登ってきた人だけなのさ。
 羅臼峠の上は、羅臼平といって、ちょっとした広場になっている。テントを張れるようになっているけど、トイレとかそういうものはない代わりに、大きくて頑丈な金属製のフードボックスがあった。
 フードボックスは、カナダとか、クマが住んでいる地域にはあるものなのだ。クマに人が食べ物を持っていると思われると、食べ物を求めて襲われる。と言うわけで、人と食べ物を別々にすることにした。人は、食べ物の匂いがしないように、人だけで。食べ物は、クマが来ても食べられないように、頑丈なフードボックスへ。
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 羅臼平で少し休んでから山頂へ。途中、岩清水という、岩からぼたぼた流れている水も堪能。しかーし、これはちょっと硬水気味で、お腹によくなかった。びみょーに胃が痛い・・・意地汚く何でも口にするんじゃなかった、と反省したけどあとの祭り。(その後、持参の軟水を飲んだら、治ったのでほっとした)
 山頂に着いた。山頂は大きな大きな四角い岩だった。その岩によじ登ると、向こう側がばばーんと見え、羅臼国道の展望台の人たちがこっちを見ているに違いない「さあ、私を拝むがよい!」と腰に手をあて仁王立ちしたら、山頂直下の大きな岩に邪魔されて、羅臼国道の展望台は見えなかった。残念。
 山頂からは、羅臼湖が見えた。国道からは判らなかったなあ。ここから知床の先端の方を見ると、知床連山が連なっている。太平洋には国後島や択捉島が見えて、西のほうには斜里岳も見える。ぐるりと一周、全部見え、なんてすばらしい景色なのかな。
 景色に感動して足元お留守になると、岩から転げ落ちたらまずいまずい、と下を見たら、自然界には無い蛍光ピンクが・・・人?ちょっと驚いてよく見たら、カッパとかザックカバーとかそういう類のものだった。ほっ。
 山頂は寒いし狭いから、ここを占拠したら次に登頂する人達がかわいそうなので、お昼ご飯は羅臼平で食べることにした。

 羅臼平から羅臼岳
 
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 羅臼平でランチの人は結構沢山いる。お昼ごはんを食べていると、ツバメが頭上を飛んでいる。そして、しゅぽぽぽぽーんと風きり音をさせながら頭の30cm上をかすめていく。何度も何度も。おちょくられているのかな?からかわれているのかな?ツバメはややしばらくしゅぽぽぽーん、とやってたけど、そのうちいなくなった。
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 あとは下山。相方の両親が迎えに来てくれる時間までに戻ればいいけど、あまりのんびりもできない。下山の常で、後半戦は足が痛くなって結構辛い。オヤジ(クマ)出没地帯から先は、結構辛い。毎度だけど下山ってかなり大変。
 約束の時間より少し前に下りきって、登山口のホテルの駐車場で日向ぼっこしながら、バイクツーリングの人が沢山やってくるのを眺めてた。みんな、バイクで来て岩尾別温泉(無料)に入っていくらしい。たぶん露天風呂だから、私もさっぱり汗を流したかったけど、無理だ。来る人も男ばっかりだし。
 いろんなバイクあるなあーと見物。
 
 
 <世界遺産について>
 世界遺産って色々あるらしい。知床は世界自然遺産。富士山は世界自然遺産の候補にもなれず、世界文化遺産を目指すらしい。
 確かに、自然遺産になった知床は、ゴミひとつなく本当にきれいだ。飴の小袋、おにぎりの包装なんて、ひとつも見なかった。富士山はせっかく霊峰なのに、ゴミだらけ。すこし拾ったくらいじゃ、岩の隙間に入り込んだ小さなゴミまでは取りきれるわけが無い。ここが自然遺産になれなかった理由だろう。
 翌日、知床半島の北側、カムイワッカの滝まで観光船で行ったけど、海もゴミひとつなくキレイだった。海岸線と海の一部も自然遺産の範囲なのだ。

<水場のこと>
 岩尾別温泉のところにある。しかしエキノコックスの恐れがあるので一度煮沸しないといけない。
<駐車場のこと>
 岩尾別温泉のところに少しある。
<携帯電話のこと> 
 全然通じません〜
<ピンバッジのこと> 
 登山口の小屋においてある。ここには、熊よけ鈴も売っていて、熊撃退スプレーも1000円くらいでレンタルしている。(スプレーは買うと4000円くらい)
<その他のこと> 
 熊よけ鈴は必需品。知床はオヤジ(クマ)のテリトリーなのです。人は「お邪魔してまーす」表示はするのがマナーなのです。

タイムテーブル
出発 到着 場所 歩行 累積歩行 休憩 累積休憩
. 5:00 登山口(岩尾別温泉) . . . .
5:05 . 木下小屋 0:05 0:05 0:00 0:00
5:40 5:45 オホーツク展望台 0:35 0:40 0:05 0:05
6:30 6:45 弥三吉水 0:45 1:25 0:15 0:20
7:30 7:40 銀冷水 0:45 2:10 0:10 0:30
7:55 . 大沢入口 0:15 2:25 0:00 0:30
8:35 8:45 羅臼平 0:40 3:05 0:10 0:40
9:05 . 岩清水 0:20 3:25 0:00 0:40
9:40 10:00 羅臼岳 0:35 4:00 0:20 1:00
10:20 . 岩清水 0:20 4:20 0:00 1:00
10:40 11:20 羅臼平 0:20 4:40 0:40 1:40
11:40 . 大沢入口 0:20 5:00 0:00 1:40
11:50 . 銀冷水 0:10 5:10 0:00 1:40
12:25 12:30 休憩 0:35 5:45 0:05 1:45
12:55 . オホーツク展望台 0:25 6:10 0:00 1:45
13:25 . 木下小屋 0:30 6:40 0:00 1:45