8月13日

昨晩は不眠症の私にしては珍しくぐっすりと眠ってしまいました。いつも遅くまで寝ているカイブツの方が先に起きていました。

旅行をしていて、ホテルの部屋で目覚めるのに、人様のおうちというのは、なんか変な感じですね。

顔を洗いに行ったら、「朝食の用意ができてるわよ」と言われて、キッチンに行ったら、なんと、ごはんにみそ汁、おつけものや昆布の佃煮まであるのです。
私は別に日本食が恋しくてたまらなくはなかったのですが、久しぶりのごはんの味は格別のものでした。やっぱ日本人ですね。

食事のあと、日本語でホテルの手配をしてくれるところがあるというので、そこに電話をしてみたら、すぐに安いホテルを予約してくれました。

これは便利な電話番号です。アメリカ国内のどこからかけてもフリー料金なのです。そして、ジャパニーズプリーズと言えば、日本人に代わってくれて何でも代わりに手配してくれるのです。

私達の予約したホテルはニューヨークにしては安過ぎるとベラがホテルに直接料金の確認をしてくれました。ニューヨークっ子も知らない安ホテルだったみたいです。

そして、ニューヨークは危ないからと車でホテルまで送ってくれて、夜電話するからと言って帰って行きました。
本当にベラは優しいお姉さんです。見かけは、どこから見ても黒人なのですが、中身が日本人ぽくて、細かい思いやりがあるのです。

私達にわかるような簡単な単語でゆっくり話してくれるし、私達のこと心配でほっとけないようです。
「ニューヨークにいる間は私がテイクケアしてあげる」と言ってくれました。すごく嬉しいです。心強い知り合いができました。

ホテルに荷物を置いて、近くをブラブラしてたらスーパーがあったので、ぶどうやオレンジなどの果物を買いました。

今迄はニューヨークのホテル料金は他の地方の2倍以上だと本に書いてあったので、すごく倹約してきたのですが、予想よりだいぶ安いホテルに泊まることができたので、これからは少しぜいたくができそうです。

早速ホテルのすぐそばにあるピザ屋さんでピザを買いました。
これが大きくて安い(95セント)のです。すっかり気にいってしまいました。

ホテルに帰って少し昼寝をしてたら、ベラから電話がかかってきて、車で迎えに来てくれました。
そして、ベラの友人の日本人のアーティスト、ヒサシカの家に連れて行ってくれました。ヒサシカの家はビレッジの近くの倉庫のような広い部屋で、大きな犬と一緒に住んでいました。

ヒサシカは40歳くらいの人で、日本を出て20年くらいになるので、日本語がすぐに出てきません。始めイタリア語で考えて、それを英語にして、それから日本語にするのだそうです。どういうこと?? 純粋な日本人でもそうなってしまうなんて不思議ですね。

そして、話すことより書くことはもっと難しいそうで、日本のお母さんに出す手紙の代筆をカイブツに頼んでました。私は字がヘタなので遠慮しました。

その後、ベラが会員になっている会員制のディスコに連れて行ってくれました。
ソーホーの近くのなんか危ない雰囲気のディスコです。ここは地元の人しか知らないですよね。私達以外はほとんど黒人でした。
踊りはロスと同じような跳ねる踊りでした。曲もロックっぽかったです。ベラは踊りがうまくて、カッコ良かったです。


8月14日

きのう夜遅くまで遊んでたので、きょうは昼過ぎまで寝てました。

それから観光局に行き、資料をもらって、その後、42丁目のグランドセントラルステーション、ユナイテッドネイション、パンナムビルを見学して、マジソンアベニュー沿いをブラブラ歩いて、また角の店でピザを買ってホテルに帰ってきました。

きょう、すごく感じたこと、見学場所で見る日本人の女の子達は、みんなきれいな格好をしています。私達のようなきたない子はニューヨークでは会いませんね。

もう一つの発見、チーズケーキがおいしいです。チーズが濃厚で口の中でとろけるのです。これもホテル近くのお店でテイクアウトしたものです。


8月15日

きょうは、ロックフェラーセンターの中にあるラジオシティ・ミュージックホールでやっているミュージカル「ロケッツダンス」を観に行きました。

これは宝塚のラインダンスの元になったものだそうで、開演30分前からパイプオルガンの演奏が始まりました。
これがなかなか素晴らしくて、大きなホールの中に音が響いて、これだけ聴きに来てもいいくらいでした。

ショーの内容は、アメリカの一つ一つの州の良い所を映画や歌で表現していくのです。
とにかく一人一人が個性的で、歌も踊りもすごく上手なので感動してしまいました。言葉はわからなくても楽しかったです。

その後、有名な五番街を歩いてみたのですが、想像していたような高級感は感じませんでした。ただの普通の道です。
ロスのロデオ街の方が規模は小さいけど、きれいだったような気がします。

ここはメインストリートだから観光客が多いので、大道芸人がいたり、アイスクリーム屋さん、ホットドック屋さん、ジュース屋さん、変わったところでは、バーベキュー屋さん(日本の焼き鳥屋さんみたい)などが、ワンブロックごとに居て、それを歩きながら食べている人がいて、そういう風景も高級品のお店が並んでいる所のようではないのかもしれません。
ティファニーもお休みだったし、ちょっとがっかりしてしまいました。

ただ、セントパトリックカテドラルの中は素晴らしかったです。マンハッタンのど真ん中にこんなに大きな教会があるなんて素敵です。

カイブツが急に具合が悪くなって先にホテルに帰ると言うので、私も帰ろうとしたら、大丈夫だと言うので、私は一人で47丁目まで歩いてみました。

そして、有名なデパート「サックスアベニュー」に入ってみたら、もう秋・冬物ばかりで、カルバンクライン、ジパンシーなどの高級品ばかり、ずらりと並んでいました。

その後、ホテルに向かって歩いていたら、外人の人に日本語で話しかけられました。
以前お茶ノ水のアテネフランセで英語の先生をしていたそうで、日本語がペラペラなのです。ホテルの近くまで話しながら帰ってきました。

悪い人には見えなかったけど、ここはニューヨークだから気をつけなくてはいけないです。
なにしろ、ホテルの隣の部屋には、夜中になると叫ぶクレージーな奴が泊まっているのだもの。


8月16日

きょうは朝起きたら、すごく良いお天気だったので、マンハッタン島をグルリと船でまわるサークルラインツアーに行くことにしました。

船はイーストの42丁目辺りから出発しました。船に乗ってすぐにあのエンパイヤステートビルが見えてきました。
私の一番好きな古い映画「めぐり逢い」の中にでてくるビルです。

船旅で知り合った二人が「半年たっても気持ちが変わっていなかったら、ニューヨークで一番高い場所で会おう」という約束をして、半年後、女性は、もうすぐ彼に会える嬉しさで、上ばかり見ていて車にひかれてしまい、足の不自由な身体になってしまうのです。
ふと、そんな場面を思い出しながら、あー、あのニューヨークに今私はいるんだ、と思ったら嬉しくなってしまいました。

ウォール街の近くになると、ツインタワーが見えてきました。
今一番高い所はこのビルなのですよね。新しいキングコングにでてきたビルです。

それから、しばらくして右手に自由の女神の置いてあるリバティアイランドが見えてきました。船は自由の女神のすぐ近くまで寄って、Uターンして、マンハッタン島のイーストサイド沿いに進んでいきます。

ユナイテッドネイション(国連)のビルやクライスラービルなどが見えてきました。その後しばらくは茶色のマンションの続く住宅街です。
ニューヨークは、まわりが川で囲まれているので、すぐにボートやヨットに乗ることができるので、うらやましいです。

マンハッタン島は、高層ビルばかりで、低い建物はほとんどなくて、ちょっと圧迫感がありますね。
セントラルパークはすごく広いのに、ビル街は密集していて、なんかもっとバラければいいのに、なんて思ってしまいました。
しばらく行くと危ない地域、ハーレムのそばを通りました。

そして、右手にブロンクスのヤンキースタジアムが見えてきました。その先で、またグルリとまわって元の場所へと戻ってきました。

三時間があっという間で、マンハッタン島の様子がよくわかった楽しいツアーでした。これはニューヨークに来たら、ぜひオススメのツアーですよ。

感想は、「ニューヨークって小さいね」です。やはり東京一周三時間では見れないですよね。

その後、メーシーズというデパートをのぞいてから、カイブツの友達のパンナムのスチュワーデスをしている純子さんのスチュワーデス仲間のミヤコさんに電話をしたら、マンハッタンの友達の家に行くから、これからいらっしゃいと言われて、おじゃますることになりました。

そして、スイカと麦茶をごちそうになってから、チャイナタウンへ連れて行ってくれました。きょうはチャーシューメンの夕食です。おいしかった。

その後、あのきたない落書きだらけの怖そうな地下鉄に初めて乗りました。まだ早い時間だったので、ちっとも怖くはなかったです。ただ音がものすごくうるさいです。
地下鉄を降りてビレッジに向かったのですが、途中有名なワシントンスクウェアを通りました。凱旋門のような門のあるあの広場です。

そして、ホモで有名なクリストファーストリートを通って、「スウィートベイジル」というジャズのライブハウスに連れて行ってもらいました。
生演奏はいいですね。迫力があって、おなかに響いてきます。一番前の席にしてくれたので、演奏している人が目の前で感激しちゃいました。

帰りが11時過ぎになってしまったけど、地下鉄の中にも外にも人がいっぱいいたので、あまり怖くなかったです。
地下鉄利用の安全な方法というのをミヤコさんが教えてくれました。

まず、人がたくさん乗っている車両を選ぶこと、人の少ない時は前か後の車掌さんのいる場所の近くに乗ること、それから貴金属は隠すこと、路線によって安全な線と危険な線とあるので、危険な線には乗らないこと、いろいろ教えてくれました。
ニューヨークで生活するための知恵ですね。


8月17日

きょうは、いよいよエンパイヤステートビルに登ることにしました。天気が良いので眺めがよさそうです。

86階の展望台は外に出れるので、ひとまわりしてみたら、隣の州のジョージア州やコニーアイランドなど、よく見えました。
突然キングコングのぬいぐるみを着た人が現れたのには笑っちゃいましたけどね。

その後さらに102階まで登りました。サンシャインの倍の高さなのですから、すごいですよね。
エレベータを降りたら、「めぐり逢い」の場面でした。映画ではもっと広いような気がしたのですが、実際は狭くて暗くて、ちっとも素敵な場所ではなかったです。東京タワーの方がロマンチックかもしれません。

その後、どうしても日本食が食べたいということになって、42丁目にあるサッポロラーメン屋で、天丼を食べました。
アメリカ人向けの味付けなので、甘くて味が濃かったので、始めはおいしかったのですが、だんだんしつこくなってきました。でも大大大満足です。

その後、地下鉄に乗ってビレッジに行ってみることにしました。ビレッジの中は道がいりくんでいて地図を見てもよくわからないので、まいごになりそうでした。

夜ミヤコさんの家に行く約束をしていたので、一度ホテルに帰ることにしました。
ミヤコさんのお部屋は、ワンルームなのですが、日本のワンルームという感覚とは違っていて、すごく広いのです。

日本食を用意して待っていてくれました。お料理がとっても上手なのです。私達はガツガツ食べてしまいました。気がついたら、もう夜中になってしまっていたので、きょうは泊まらせてもらうことにしました。

シーツやカーテンがかわいいと言ったら、明日売ってるお店に連れて行ってもらうことになりました。


8月18日

きょうは、お昼頃起きて、ごろごろしながら、ミヤコさんの作ってくれた雑炊を食べて、4時頃ミヤコさんの家を出ました。

シーツの売ってるデパートを2つ教えてもらったので、明日はゆっくり買物でもしようかな。

夜は、ブロードウェイのミュージカル「アニー」を観にいきました。赤毛のアンをモデルにしたもので、1977年からロングランをしているそうです。

ミュージカルは前売券が買えないからと観るのはあきらめていたのですが、ミヤコさんのおかげで当日券が買えました。英語ペラペラというのはいいですね。

「アニー」はストーリーが簡単で、英語のわからない人でも楽しめるミュージカルだからとミヤコさんお薦めのものです。
子供がいっぱい出てきて、歌も演技も上手で、とってもかわいかったです。 「トゥモロー」という歌がすごくいい歌で、曲がいつまでも頭に残っていました。


8月19日

きょうは、きのう教えてもらったデパートで買物をしました。

2つのデパートが並んでいて、始めに「ブルーミングデルズ」でシーツを買って、次に隣の「アレキサンダー」で洋服を買いました。

そして、またピザをテイクアウトして帰ったら、ベラから電話があって、夕食を一緒に食べることになりました。
連れて行ってくれたお店がピザ屋さんでした。これには、ちょっとピザ好きでもまいりましたね。

その後、ローラーディスコに連れて行ってくれました。ローラースケートを履いて踊るディスコなのです。でも、入場料が高いので、どんな所かのぞいただけでやめました。おもしろそうでしたけどね。

次にどこに行くか、ベラがソーホーニュースという新聞を見ながら探してくれました。
そのお店は「ペパーミントラウンジ」といって、とっても変わった所でした。

入場料は無しで、一応入り口に大きなガラスの瓶のようなものが置いてあって、そこに気持ちのお金を入れるようになっているのです。気持ちだから、1セントでもいいのです。

そして、テレビがずらっと並んでいるカウンターがあって、そこにミュージックビデオがうつっていて、その音楽が店全体に流れているのです。

いくつかのパーツに分かれていて、ディスコのように踊れる場所、ライブハウスのような生演奏の聴ける場所、バーのような飲む場所、どこの場所にも自由に行けて、何も飲まなければ、1セントで楽しめちゃうのです。いいですよね。

すごくアメリカ的なお店で日本人は一人もいませんでした。でも、イエローマジックオーケストラのビデオがお店に流れてましたけどね。
ニューヨークの最後の晩をこういう場所で過ごすことができて、最高です。ベラのおかげです。

その後、ワシントンスクウェアの近くのカプチーノという名前のお店で、カプチーノを飲みました。
コーヒーにソフトクリームのように渦巻きの生クリームが乗っていて、シナモンがふりかけられているのです。
これがなんとも言えないおいしさで、四年前にカリフォルニアのハンティントンビーチでチチというカクテルを初めて飲んだ時以来の発見です。

その後、ヒサシカに会ってお別れを言って、部屋に帰ったら、もう4時でした。ベラも家に帰れず、私達の部屋に泊まっていきました。


8月20日
いよいよニューヨーク最後の日です。
荷造りをして、ベラの友達が迎えに来てくれるのを待っていました。
ホテルの隣の手作りケーキ屋さんでケーキを買って、向かいの公園で食べました。
ニューヨークはビルばかりなせいか、こういう小さな公園があちこちにあって憩いの場となっているようです。ランチタイムになると、そういう場所でみんなハンバーガーを食べています。

ベラの友達が二人、車で来てくれて、最後のニューヨーク案内をしてくれました。リンカーンセンター、セントラルパーク、そして、ブロンクスを通ってJones Beachという海岸に連れて行ってくれました。

途中ハーレムの近くやブロンクスの市街を通ったのですが、エンプティの壊れかけたビルがあちこちにあって、怖い場所でした。
日本だったら、すぐに壊してしまうのに、こちらでは壊すのにお金がかかるので、ほっとくそうです。

ジョーンズビーチは、すごくきれいな海岸で、風が強かったけど、久しぶりに海が見れてホッとしました。やっぱ私、海が好きです。
ヨットハーバーでサンドウィッチを食べたのですが、カニがそのままパンに挟まれているのには、びっくりしました。

そして、そのままケネディ空港まで送ってくれました。
本当に最後の最後まで充実していた1週間でした。怖いニューヨークで毎日夜中まで遊びまわっていて、普通の人の倍の楽しみ方ができたような気がします。

ベラが本当に優しくしてくれたので、私もカイブツも別れがつらくて泣きだしてしまいました。こんなに離れがたい場所は今までなかったです。
ベラと三人で抱き合ってワンワン泣いてしまいました。

飛行機に乗ってからも涙がなかなか止まりませんでした。
ベラは本当に私達を妹のように扱ってくれたのです。いろいろな場所に連れて行ってくれました。一生忘れることのできない思い出がいっぱいできました。

ボストンへは夜着いたのですが、すぐにホテルのある駅まで地下鉄に乗れて、全然迷うことなくホテルに着くことができました。

カイブツが家にコレクトコールしたら、カイブツのお母さんが私の家に電話をしたそうです。

うちのみんなも元気だと聞いて、なんか安心しちゃった。私はもったいないので、電話しませんでした。



旅行記