コラム(第11回)

色々と思うことをコラムとしてまとめています。

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よろしかったでしょうか?

 北海道に住んでいて気づいたことが有るのですが、それは言葉のことです。地域が異 なればそこで話される言葉も異なることは分かりますが、方言などのその地域特有のしゃべ り口などはともかく、かなり違和感のある言葉があります。

 それは「よろしかったでしょうか?」という言葉です。どういう場面で使うかというと、フ ァミリーレストランなどで注文をした後、店員がその注文内容を復唱(確認)する際に、「ご 注文は以上でよろしかったでしょうか?」といった感じに使われます。最初にその表現を聞 いた時、はっきり言って驚きました。通常はこの場合「よろしいでしょうか?」というのが 一般的で、「・・・かった」という過去表現は、まさに今進んでいる事態に対する表現とし てはかなりおかしいように感じます。

 この一見おかしな表現の「よろしかったでしょうか?」が特殊な表現かというそうでも無 さそうです。コンビニのバイトの高校生などがよく使っているのを見かけるので、まだ言葉 を良く知らない若い世代がたまたま間違って使っているのかと思えば、実はかなりの広範囲 な年齢層で当たり前のように使われている事が分かりました。この現在の出来事に関して過 去表現を使ってしまうことは、確か小学生頃に「日本語の表現として間違っているので使っ てはダメな例」としてテストに出題されていたくらいなので、全国的にも常識ではないかと 思います。事実たまたま北海道で放送されているラジオの何かの宣伝で、間違った表現の例 として放送されていたくらいです。まあ内容は全国向けなのですが。それなのに今でも当た り前のように使われているのが不思議です。

 たかがこの位のことは何の問題ないだろうかと思いますが実際支障が出ることもあります。 電話か何かの契約の件で通信会社の担当者と電話で話したときのことです。その際に料金な どの契約内容について色々と確認していったのですが、相手の担当者が例の「・・でよろし かったです」表現を多用してました。例えば「その件に関しては・・でよろしかったですの で・・」といった感じです。私の質問に対して問題ないという意味で、本来は「よろしいで す」といった回答になるはずなのですが、その担当者は終始「よろしかった表現」を使って ました。「こういう場合はどうなるのですか?」「その件に関してはこの内容でよろしかっ たですので・・・・」「????」。よろしかったと言われてもそれはたった今確認したこ とで、前から知っていることでもこちらが以前に了解したことでもない。これではまるでも う予め確定していることを再確認されているように感じてしまう。私はこの担当者との間で 何度も「これは今確認した内容で前から説明されていたことでは無いですよね?」と確認す ることとなりました。意地悪ではなく現在表現と過去表現をごちゃごちゃに話すので聞いて いる方が訳が分からなくなるのです。話している方も分からなくならないのですかね。。

 これとは直接関係ないのですが北海道の方言のことです。最近「北海道弁」という方言が 一般的に使われます。CMなどでも使われてますね。「しばれる」とか「・・だべさ」「・ ・っしょ」などでしょうかね。テレビドラマの「北の国から」などでも結構有名になったの ではないでしょうか。しかしこの方言にも結構違和感が有るのです。もともと方言とは長い 時間かかってその土地に根付いたその地域独特の言葉だと思います。だから地域性を表すよ うな特徴が有り、狭い日本でも北や南、東や西の地域でそれなりの特徴があります。しかし 北海道の方言は今一統一性が内容に思えます。釣りキチ三平のしゃべる出身地不明の方言と でもいうのでしょうか。元々北海道は歴史が余りない土地です。蝦夷地と呼ばれて人の住む 場所では無いと言われていたくらいなので、昔から住んでいたのは原住民であるアイヌ民族 で、だいぶ最近になって函館周辺を起点にして開拓が進んでいったようです。松前藩とか屯 田兵とか。何しろ冬が厳しくてまともに生活出来なかったようですから。だから北海道には 新しい街が多く人が入植してから100年くらいしか経っていない街がたくさんあります。 本州以南でそれこそ1000年以上の歴史を持つ街はざらですので、その圧倒的な歴史の浅 さは歴然です。

 それに加えて今北海道に住んでいる人は原住民であるアイヌ民族以外はほとんど道外から の入植者らしいです。日本中の様々な場所から新天地を求めて移住してきたとのことです。 とても広い北海道の土地はその土地に名前をつけるのさえ大変だったようで、事実北海道の 地名はアイヌ言葉のものが多く、それ以外の地名には入植した人の出身地の地名をそのまま つけたことも多く、妙な違和感のある聞いたような地名が点在していたりします。

 多分北海道の方言はこのように日本中から入植して来た人達が使っていた言葉がそのまま 定着した物で、その土地独特の表現と言った感じではないですね。むしろ色々な方言的な言 葉が入り交じって、使っている本人も良く分からないでごちゃごちゃに使っているように感 じです。東京の人が良く分からないで、なんとかく言葉の節々に関西表現を使っているのに も似た違和感が結構あります。多分そこに住んでいる人は分からないのでしょうが。。色々 な地域の方言を聞いて北海道に移り住んできたよそ者からみるとどうも違和感がありますね。 北海道はとても広くて地域的にも孤立しているので北海道の外に出たことが無い人も結構ま だいるようです。島なので出るのも大変ですし。この辺も結構独特な文化を形成している要 因なのかもしれません。

 色々と書いてきましたがこれは別に北海道の悪口を言っているのでも、不満を言っている のでも有りません。ただ何か地域性があって面白いなと思い、その理由は何だろうと思った だけです。

ただし、「よろしかったでしょうか?」に関しては一言だけ。

「よろしくない」

つまらない話でした。