コラム(第4回)

色々と思うことをコラムとしてまとめています。

column-4

本屋の未来

 本を買うために久しぶりに近くの本屋へ行きました。小さな町に良くある小さ な本屋です。買おうとした本は特殊な本だったので在庫があるはずも無く、やむを得ず 取り寄せの注文をすることにしました。その時のやりとりです。

私  「この本の取り寄せをお願いします。」
店員 「構いませんが少々時間がかかりますよ。」
私  「どの位ですか?」
店員 「問屋に在庫が有って10日位です。在庫がないともっとかかります。」
私  「10日! 在庫が有ってもそんなに時間がかかるのですか。」
店員 「いろいろな問屋を経由してくるのでどうしても最低10日位はかかります。」
私  「一応注文しておくので、とにかく在庫があるか確認してもらえますか。」
店員 「わかりました。確認して後で連絡します。」

 その後、やはり10日もかかるのでは問題だと思い、インターネットで調べると某大河 の名前の付いたオンラインショッピングサイトで在庫があり24時間以内に発送できると分か りました。到着は発送の翌日だそうです。つまり2日後です。圧倒的に早くしかも無料で配達 までしてくれると分かり、早速そのまま注文しました。その間わずか20分位でした。

翌日、昨日注文した本をキャンセルしようとして例の本屋に電話をしました。すると。

私  「昨日注文した本をキャンセルしたいのですが。」
店員 「お急ぎのようなのでもうFAXで問屋に注文しました。」
私  「キャンセルできますか?」
店員 「問屋に電話で問い合わせて確認しますが、出来ない場合は買い取ってもらわないとダメです。」
私  「納品まで10日もかかり、注文してから1日も経ってないのにですか。」
店員 「もう問屋で発送の続きが済んでいるとキャンセル出来ません。」
私  「もう手続きが済んでいてもやはり10日もかかるのですか。」
店員 「そうです。色々な所を経由してくるので。」
私  「・・・・・分かりました。キャンセル可能なものはキャンセルして下さい。」

 その後、やはり1冊はキャンセルできないことが分かり私が本屋から買い取ることになり ました。インターネットで注文した本は既に発送済みで、ネットで3冊注文した中の重複する1 冊のキャンセルは出来ませんでした。(発送前ならいつでもキャンセル可能)しかし注文から2 日経たないで届いた本は届いてからもキャンセルが可能なことが分かり早速送り返しました。 なお、その際の問い合わせや手続きもメール等で迅速丁寧に行え、全く迷うことも無しです。

 今度しばらくしたら私は例の本屋に注文した本を取りに行かないとならないのですが、今回 の一件で町の本屋の未来はかなり危ういと感じました。もちろんよく考えないで「注文」をしてし まった私にも非が有るのですが、本の取り寄せに最低10日もかかると当たり前のように言い切る 店員、そしてわずか一日も経っていないのにキャンセルもできないで買い取れという仕組みに驚き、 個人でさえインターネットを使えばリアルタイムに在庫の確認から注文、支払いまでスムーズにほ とんどストレス無く可能な時代に、まだFAXや電話で問屋とやりとりをしていて、しかも問屋の 流通ルートが複雑と言う理由でやたら時間がかかり、キャンセルさえ受け付けないという時代錯誤 の本屋の商売方法に、このままだと利用者は離れる一方だと感じました。

 なお、私の住む町は確かに田舎ですが真横にトラックの往来がひっきりなしにある大きな国 道が通っていて交通の便は決して悪くは無く、それこそ恐らく問屋があるだろう都市まで車で1時間 も有れば行けるところです。その区間を10日もかかって今まさに私の本がこちらに向かっている ということは海外でも経由しているのですかね。週刊誌などの雑誌は発売日がほとんど毎日のよう にあるので配送が10日に一回しか無いとは思えないのですが。

 もちろんこれは出版や運送業界が遅れているのではなく、大きな書店の対応は迅速だし、宅配 便なども配達時間の短縮や時間の指定が出来るなど、まことにユーザニーズのかゆいところに確実に 手が届いています。そしてインターネットを活用した商売も当たり前になってきており、私のまわり でも日常的に本などを買っており、とても恩恵を得ています。しかし、情報の最前線の1つであるべ きの出版業界のお客さんとの接点でもある町の本屋が相変わらずこういう不便な状態ということは、 もしかしたら出版と流通が協力してユーザと直接の販売ルートを確立する事により、単なるブローカ ーでコストをつり上げる原因でもある販売店(町の本屋)を無くして行こうとする布石なのかも知れ ないと感じました。結局、利用者は便利で自分に恩恵がたくさん有る物しか求めませんから。

つまらない話でした。