コラム(第5回)

色々と思うことをコラムとしてまとめています。

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メーターのある生活

 私はメーターが好きです。車やオートバイにも色々なメータがついているのですが、 スピードメーターや燃料メーターなどメーターがたくさんついている程に何か得した気分 になります。

本当はそれぞれのメーターには意味が有って必要だからついているのでしょうけど、実際 は気にして見ているのはごく一部で大半はあまり役に立っていないようにも思えます。ま あ手の込んだ飾りみたいな物です。あまり気にしてないつもりので、有っても無くてもど ちらでもいいのかもしれません。でも本当に気にしてないかというとどうでしょうか。

メーターが好きな私の自転車にはご多分に漏れずたくさんのメータがついています。たく さんと言っても車みたいにメータが並んでいるのではなくて、1つのメーターにたくさん の機能が詰め込まれている「サイクルコンピューター」というものがついています。サイ クルコンピューターは本格的に自転車に乗ってレースなどをする人には一般的なもので、 大抵のレーサー(レース用の自転車)にはついているようです。それで何が分かるのかと いうと、「スピード」や「距離」などが主です。レースの場合はゴールまでの残りの距離 とかペースを考える上で出ているスピードなどが必要になるからです。更に「ラップタイ ム」や「積算時間」「ケイデンス」と呼ばれるペダルの回転数などが分かるものもあり ます。

私の持っているメーターは更に高機能で、「心拍数」や「気温」「気圧」「標高差」など が分かり、更にそれらのデータを蓄積してあとでパソコンで解析することが出来ます。心 拍数は運動強度を把握していま体がどのくらい疲れているか、もう無理なのか、まだ大丈 夫なのかなどが分かりますし、標高差はどのくらい坂を登って体力を消耗したのか、あと どのくらい登る必要があるのかなどが分かりますし、ケイデンスはペダルの回転数を効率 のいい回転数に維持するのに使ったりする車のタコメーターみたいなものです。パソコン では、ここでスピードが落ちたのは坂が急になって苦しくなって心拍数が上がった結果、 ペダルの回転数が落ちたからなのか..などが分かったりします。

更に距離の長いトライアスロンのレースなどではハンディGPSを取り付けて、「自分の 位置」を把握して「目的地までの残りの距離や方向」「到着や通過予定時間までにその場 所に行くには、今のペースは遅いのか早いのか」などを知るのに使っていました。まさに 電子武装、情報武装の電子の要塞といった感じでした。まあいつもこんな装備そしていた わけでは無いのですが、それでもスピードや距離くらいは常に気にしています。実際のプ ロのレースの世界でも情報を駆使して戦略を立てるのは当たり前となっているようです。

最近、今シーズンはもうレースは無いので自転車のメンテナンスを兼ねてメーターやセン サー類を全て取り外しました。そしていつものように乗ってみると妙にハンドルまわりが スースーします。いつも気にしていたメーターなので、無意識に無いメーターを見る癖が ついています。メータが無いのでスピードも距離もどのくらい坂を登ったのかも分かりま せん。そこで感じたのは、普段はメーターがあるが上にスピードや距離を常に気にしてい て、もっとスピードアップしないとダメだとか、長い距離を走らないとダメだとかのつま らない強迫観念にとらわれていたのですが、メーターを取ってしまうとそんな情報を把握 しようがないので気にする必要が無くなり、とても気楽に走っていられることが分かりま した。何か初めて自転車に乗った時のような純粋に楽しいといった感覚でしょうか。そん な無意識のうちのとらわれていた何かに解放されたのかもしれません。

もちろんトレーニングのためには自分の実力を定量的に把握できるメーターは欠かすこと が出来ないのですが、あまりにも定常的にメーターに頼っていると、不要な時でもメータ ーの情報に気が散ってしまい、本来ならば必要のない余計なプレッシャーを感じてしまう ものだと感じました。

これは自転車のメータに限らず何にでも言える気がします。いつも時計をみて時間を気に していたり、携帯電話で話したりメールを見たり、ネットを見て色々調べたりするのはと ても便利で有り必要な事だと思いますが、度を超えて必要以上に頼ってしまうとむしろ過 剰で不要な情報による弊害の方が大きいのかもしれないと思いました。

つまらない話でした。