コラム(第7回)

色々と思うことをコラムとしてまとめています。

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いなかの車事情

 私の住む町は長野県のやや南の方にある所です。両側を高い山に囲まれている谷で 国道19号沿いの昔は宿場町だった所のようです。谷には木曽川が流れていて、道は主に 川沿いに有り、一応電車も走っておりバスも走っているようです。私は駅から結構離れた やや山の奥の方の途中に住んでいます。近くの駅まで歩いて5分の東京にいた頃に比べる とだいぶ不便なところに居るわけです。

生活をするには買い物などで色々なところへ行く必要が出てくるのですが、ここへ来るま では買い物と言えば「歩いて」か「自転車で」が主で車はあまり使いませんでいた。 もともと近いし停めるところもないので必要性を感じなかったからです。でも今住んでい るところは駅のある中心地までも結構離れているし、ちょっと大きい隣町も10キロ離れ ています。私は買い物程度にあまり車を使う習慣が無いので今でも自転車で出かけること が多いのですが、地元の人でそんな人は見かけません。家が繁華街から遠いので車で移動 する習慣が定着しているので、何をするのもどこに行くのも車で行きます。家には当たり 前のように車があり、家族みんなが各個人用の車を持っている家もあるようです。そのた め手軽な軽自動車が多いようです。じいさん、ばあさん、奥さん、ねえちゃんなどが乗っ た同じ車を同じ場所で毎日見かけます。車がないとどこも行けないのでしょうがないのか もしれません。

町で一番人の集まるところは大型スーパーでして、町中は結構閑散としているのにスーパ ーだけは常に車と人が溢れています。駐車場はいったいどこから集まったというくらいに 車がいっぱいです。まあスーパーくらいしか行くところがないのも事実ですが。スーパー が唯一の社交場のようです。

仕事に行くのや子供の学校への送り迎えや、農作業や買い物やぶらぶらするのも車です。 遠かろうが近かろうが車で行きます。エンジンを暖めている時間の方が長いだろうという 所まで車で行きます。私にとってはどうしてそこまで車を使うのだろうと感じるようなと ころでも車です。なぜならそれはこの辺では当たり前だからです。家の外に出るのはとに かく車なのです。町でも中心に近い人はそうでもないでしょうが、ちょっとでも離れると 車中心の生活になります。いつもの慣れた狭い道をなんの疑問も感じないで、いつものよ うにスピードを出し、歩行者も気にしないで排ガスを浴びせながら走り過ぎます。でもそ れは当たり前なので特に気にすることではありません。やる方もやられる方も当たり前の ことなのです。誰でも車がないと不便だからです。

この辺はいなかなので自然が多くあまり公害などは無いようです。だから環境意識が高い 結果かといえば全くそんなことは有りません。どこにでも車で行っている時点でそうでし ょう。冬はとても寒いのでしょうがないのかもしれませんが、停車時にアイドリングスト ップをしている車はまず無いです。人が乗ってないのにエンジンだけが元気に回っていま す。経済的だからか知りませんが黒煙を吐いて目にしみる排ガスを出す多くのディーゼル 車が我が物顔で走っています。特に国道19号は最悪で一日中たくさんの大型トラックが 景色が歪むくらいの黒煙と排ガスを出して通り過ぎます。駐車していても暖房のためか1 0000ccのエンジンをアイドリングし続けながら、ハンドルの上に醜く足を乗せて寝 ています。駅前ではタクシーが一日中アイドリングをして、車の中でシートを倒して漫画 を読みながらほとんど来ない客を待っています。でも当たり前なので誰も気にしないよう です。

私が住んでいた東京周辺では、近頃は環境問題が色々と話題になり特に車に関する公害は 大きく扱われ、無用なアイドリングや車の使用を控えることや環境に優しい車を選び運転 をする事は当たり前のようになりつつあったと思ったのですが、ここではそんなことは通 用しないようです。なぜなら空気を汚してもあまり目立たないし別に困る人も居ないから です。何より車が必須の生活では老人から子供までこれは当たり前で有り疑問に持つこと では無いからです。

私も車に乗るのであまり偉そうなことは言えませんが、最近はあまり無用な車の使用をし ないように考えて乗っているつもりです。ガソリンが無駄ですし環境のこともありますし。

いなかに限ったことではないのですがトレーニングで道を走っていたり自転車の乗ってい たりすると、とにかく車の排ガスや行動が気になります。わざとすれすれで抜いていくと か、故意に排ガスを引っ掛けていくとか。無意味にホーンを鳴らしパッシングするとか。 少し邪魔になっただけでバカみたいにアクセルを開けて加速していくとか。何か不満があ るのでしょうかね。

車というものは中に乗りこんでまわりをボディに囲まれて外の空気があたらなく、音が聞 こえなくなってしまうと、それだけでとても強くなってしまう人が多いようです。不思議 なのもで、ひとたび車で動き出してしまうとまるで自分が「車」という存在になり、ただ の人でなくなったような気になります。ロボットのガンダムのパイロットになったような ものでしょうか。車を降りればただの人なのに。とくに車に乗ることに慣れてしまい自分 の足で移動することを忘れてしまった人ほどこの傾向は強いようです。

今日もトラックはもうもうと黒煙を吐き走り過ぎ、おばちゃんや奥さんは買い忘れた野菜 を買いに愛車で長い距離をスーパーに向かい、ほとんど客の乗っていないバスやタクシー はドライブを楽しんでいます。

つまらない話でした。