宮古島
miyakojima

 夏休みを利用して訪れた9月上旬の宮古島。降り立った宮古空港は南国特有のとんでも なく強い太陽のまっただ中にあった。持ってきたMTBを組み立てて走り出す。自転車でこん な炎天下の中を走っている人なんていない。でも、初めて来た宮古間に南国の匂いを感じなが らゆっくりと走る。楽しくてしょうがない。平良の町まででてみるととても大きい町に驚く。 高いビルはないが様々な店や住宅地に都会を感じる。町中はあまり好きでないので早々に池間 島を目指す。昼も近くなりとんでもなく強い日差しに意識が朦朧としてくる。自転車は人力だ。 こげばこぐほど前へ進むが、その分、水分とエネルギーを消費し、体力を浪費していく。周り が暑ければなおさらだ。サトウキビのに囲まれたまっすくな陽炎のたつ道を走っていると、自 分だけ異次元空間に迷い込んだ気がしてくる。汗は滝のように流れ、そのまま真っ青な空に向 かって蒸発していく。固体が気体に昇華していくように。北海道ではそのままシャツにしみこ んでいったのだが。途中でどでかい風車が海に向かって並んでいる所があった。ほんとにでか い風車で発電に使っているそうだ。台風とか来たらすごい電気ができそうだ。逆にフル回転さ せたら島が動きそうな気がした。それくらいデカイ。池間大橋に近づくと両側は溶けていきそ うに真っ青な海。強い太陽が何のために有るのかわかる気がする。橋の下は気が遠くなるくら いに透明で青い水が勢いよく流れていた。夢のような空間だ。毎回南国に来ると思うのだが、 時間の流れが都会とは違う。思う存分ゆっくりというか、自分勝手にやったりと流れている。 だから、こういう所では何も深いことを考えずに思ったままに過ごすことが正しい。日常生活 は遠く水平線の彼方に消え去った。池間のビーチはミネラルウォーターのように透明だ。しょ っぱいのが信じられないくらい。子供を連れた家族づれが遊んでいた。暑い焼けた道上を来た 道を走り戻る。昼過ぎの太陽は暴力的なほどに強烈な光を投げかけてくる。島唄がぐるぐると 頭の中に流れている。町に近くなり、ガソリンスタンドで水をもらったら、わざわざ兄ちゃん が冷水器から頭の後ろがキーンとするくらいの冷たい水を入れてくれた。北と南は親切な人が 多い。東京なら相手にもされないだろう。夕暮れの町に乗り入れていった。日はまだまだ強い。 パイナガマビーチは午後5時を回ったにも関わらず、指すような日差しを浴び続けている。桟 橋に腰掛けてオリオンビールを飲む。たった一日しか経ってないのに日常は遠く彼方に消え去 った。涼しい風に吹かれながら暗くなり始めた町に足を進めていく。主人の顔を一度も見ない 変わった宿だった。二日目。宮古島最東端の東平安名岬を目指す。しばらく進んで町からでて サトウキビ畑の中を進む。人にほとんど会わない。遠くに朝の太陽が海に反射して光っている。 自転車は人力だ。特に水分が重要で水が不足するとテキメンにくる。まず汗がでなくなり、次 に目が焦点が合わなくなり、次に耳がツーンとしてくる。そのまま行くとどうなるんかな。 ハンガーノックと言う言葉が有るが、まさにそんな状態に陥る。気持ちは前に行こうとするが、 体がその気持ちに反逆する。力が全くでない。途中の公園にやっとの思いでたどり着き、水道 から浴びるように水を飲む。カニやカエルの気持ちがこんなに分かったことはない。まさに、 スポンジが水を吸収するように水を飲む。今日は天気があんまり良くないのだが。東平安名岬 につく。駐車場の地元の民芸品を売るような小さなトラックの店で、日焼けしたビーチボーイの ようなオッサンと野良犬としばらく話す。自転車で回ってるって言ったら驚いていた。そんなこ と地元の人でもやらないってさ。北海道でも散々言われた。よくそんなことやるねってね。それ が楽しくてやっているんだけどね。小さな貝を組み立てたものを売っていた。気が休まるような 優しいもの。そんな感じのものだった。自転車は大変だ。坂は最大の敵。下るのは大好きだけど ね。下るために登る。それが信条。来間大橋を渡って来間島に渡ってみる。とても立派な橋。こ んな橋が入るのかね。暑すぎてふらふらになりながら島を一周した。畑の島来間島。ただそれだ けだ。水をかぶって体を冷やしながら宮古島空港を目指す。これから石垣島に行くんだ。