カローラレビン(TE71)
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 初めて手に入れた車がTE71だ。大学4年の年末にひょんなことから友達から譲ってもらった。 昭和55年型のカローラレビン。当時としてはかなりのスポーツカーで有名な「レビン」の流れ をくんでいる。エンジンは2TGと呼ばれる1600cc4気筒DOHCの名機。世界で一番多 く生産されたDOHCエンジンらしい。今となっては当たり前だが当時としてはまだ少なかった 前後ディスクブレーキを装着し、行くところまで行ってしまえ、といった挑発的な性能を持って 生まれた車だ。スタイルは四角いと言う表現をそのまま形にしたような感じで、そこら中に今の 車にはないエッジが効いていてスパルタンだ。あえて言うならバックトゥーザフューチャーに出 ていたタイムマシンのデロリアンにとても似ている。銀色な所も、塗装がはがれて艶が無くなっ た所も似ている。そんな戦闘機のような雰囲気を持ったこの車はいい知れない迫力が有った。 FRと言うところもいかしている。多少モディファイをしてTRDのLSDを組んで前後のショ ックとスプリングを堅めのものに替えた後はアクセル一つでその場で360度×n回の無限円運 動も可能となった。エンジンのパワーはお世辞にもない。115馬力くらいか。 でも、アクセルを開けたときの音がクォーンとやる気十分で、自分の中ではマクラーレンホンダ よりも確実に速かった。実際スピードもそこそこ出たし、燃料もそれほどは食わなかった。

 年式もあってその当時でも、もう町で見かけることはあまり無くAE86の人気は有ったが、 TE71は好きな人がめちゃくちゃ好きなだけといった極端なオーナ層の骨董品車でもあった。 でも、譲り受けた状態は車の状態はお世辞にも良く無く、ワイパーは動かずエンジンからはオイ ル漏れ、オーディオなし、ボディーは錆でぼろぼろだった。その頃バイクばかりで車にはあまり 興味が無かったが、この車を手に入れてからは車の面白さを知って車をいじったり、運転を楽し んだりする事に目覚める。暇さえ有れば何の目的もなく乗り回していた。どこへでも行きたい所 へ連れていってくれる車に完全にはまっていた。考えるとその後色々と車を乗り継ぎ、現在に至 っているが、初めて自分の車を手に入れたこの頃が一番楽しかったような気がする。 解体屋からデフケースごとLSDを買ってきて、よく分かりもしないのに自分で夜中かかって分 解して組み込んでみたり、上級グレードのシートに換えたり、オーディオをつけたりした。 ショックアブソーバとスプリングも自分で換えた。オイル漏れを直し、調子の悪いトランスミッ ションも換えた。箱根とかにも良く行って走り回った。スタットレスタイヤを手に入れて散々ス キーにも行ったし、雪の降った日にわざわざ走りに行ったりした。そんなやりたいと思ったこと を片っ端からやってみたのがTE71だった。ほとんど1/1のおもちゃ状態だった。ただ、タ ダ同然で手に入れたのに駐車場代が1ヶ月2万円以上かかったのはどうにも納得がいかなかった が。そんな思い入れの強い初めての愛車も1年後にまたひょんなことから手に入れたTE71二 号に乗り換えるまで、2万キロ近く乗って手放すことになる。かなり別れを惜しみながら。