トライアスロンの世界(6)

トライアスロンとはいったい何なのかについて紹介をしています。

どんな練習をするのか(バイク編)

 バイクはトライアスロンで2番目にある種目です。バイクと言っても当然オートバイの 事では無く自転車のことです。トライアスロンでは自転車競技のことをバイクと呼ぶのです。 バイクは私の好きで得意な種目です。元々自転車好きが高じてトライアスロンの世界に入った 位ですから。自転車ではロードレースやロングライドと呼ばれる長距離を走るイベント、MT Bでのレースやツーリング、そしてひたすら坂を登るヒルクライムをやってました。

トライアスロンのバイクは距離も長く競技時間も最長のパートです。短いショートレースは4 0km程度ですがロングのレースでは200kmと普通の感覚を持った人から見れば信じられ ない距離を連続して走ることになります。200kmの場合は平均30キロで走っても6時間 半以上かかります。その間は当然腹は減るし喉も乾くのでエイドと呼ばれる補給所で食料や水 をもらい走りながら食べたり飲んだりします。色々スポーツは有りますがものを食べながら競 技をするのはトライアスロンくらいではないでしょうか。お腹が痛くなりそうですがトライア スロンではこの補給無しでは競技を続行することは不可能なので胃腸が強いことも条件になり ます。なおショートの場合は水くらいしか補給しません。

トライアスロンのバイクのコースは比較的平坦なものが多いです。長いスイムを終えた後です し、後には過酷なランが残っているのでここで燃え尽きてしまうわけにはいかないからです。 テレビなどで自転車のハンドルに肘を乗せて前のめりになって走っている姿を見かけますが、 これはDHポジションといって、風の抵抗を軽減し体の疲労を最小限にとどめるために必要不 可欠な装備なのです。風というと大したことがないように思えますが、自転車にとって風は大 敵です。向かい風になるといきなりスピードが落ち疲労が極端に増えます。逆に追い風になる と嘘みたいにスピードが乗り楽になります。ロードレースなどではドラフティングといい、前 の人の直ぐ後ろについて風の抵抗を軽減する事が認められていますが、トライアスロンはほと んど認められていません。それはトライアスロンが全ての人が同じコンディションの元で力を 発揮できるようになっているからです。駆け引きなどは有りますが、他人の力を借りて自分が 楽をするという発想は根本的に有りません。それがトライアスロンが過酷な理由でもあるので す。

バイクのコースは平坦なところが多いと言いましたが、練習はやはり長い距離を連続して走る 練習をします。サイクリングコースなどや車の少ない走りやすいコースを選んで50〜200 km位の距離を時間をかけて走り体を慣らします。平坦なところが多いと言っても中にはアッ プダウンの激しいレースもあり、標高差が1000m以上にも達するレースもあります。これ はちょっとしたヒルクライムくらいになります。坂は体力や気力を極端に消耗するので予め坂 を登る練習もしておく必要があります。練習は一人で走るのでも良いのですが仲間といっしょ に走ると楽しく、疲労も危険も軽減されます。ちょこちょこと休憩を入れて長距離を走ること はまさにトライアスロンのバイクと同じだからです。

トライアスロンの自転車は主にロードレーサーと呼ばれるタイヤの細い自転車を使います。ト ライアスロン用の自転車も有りますが最近はロードレーサーを使っている人が多いです。この 自転車はとても軽く重量は8kg位で、空気をめいっぱい入れて極限まで抵抗を減らしたタイ ヤと相まって、一度こぐととてもたくさん進みます。さすがに長距離を走るためにはこのよう に性能のいい自転車が不可欠なのです。

このようにして平坦な道、起伏のある道を織り交ぜてどんどん距離を伸ばしてトレーニングす ることによりトライアスリートとしてのバイク種目に慣れていきます。自転車に乗りながらも のを飲んだり食べたりするとか、パンクなどの故障を修理するとかもこんな練習の中で覚えた りします。レース中にバイクのトラブルが自分で解決できないとその時点でレースはリタイヤ になってしまいます。誰も手伝ってはくれないのです。バイクは距離が長く時間もかかるので レースでは実力の差が如実に出ます。時間切れでリタイヤになる確率も大きいのです。だから といってバイクで力を使い果たしてしまうと次のランが苦しくなってしまいます。全力を使い 果たさない程度に全力を尽くすのがポイントです。

私がいっしょの練習していたチームでも良くバイクの練習をしにいきました。普通の人間の感 覚では考えられないことですが、このチームの人々はどこかに行くといえば交通手段はバイク かランというのが定番になっています。ランなら50km、バイクなら200km位の範囲で 当たり前のように出かけていきます。それに何も疑問を感じなくなったらトライアスリートし て一人前になったとも言えます。

200km以上に及ぶ、一日がかりのバイクの練習から帰ってくるととても疲れてもう自転車 には乗りたくないといつも思いますが、忘れてはならないことが一つあります。それは本番の レースではこの直ぐ後に40km以上のラン種目が待っているということです。