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For The Team 村田真一
テレビ朝日系列で毎週日曜深夜放送されているスポーツドキュメント番組、GetSports。
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○1.チームの責任
読売ジャイアンツ、背番号9。村田真一、37歳。ポジション、キャッチャー。
ピッチャーが投げた球を、後ろにそらした場合。
この場合は、キャッチャーの責任となるだろう。
ピッチャーが投げた球が、打たれた場合。
責任は、誰にあるだろうか。十中八九、ピッチャーであろう。
しかし、村田は違う。その回が終わり、ベンチに帰ってくる。
「チームとしての責任はキャッチャーにある」ということなのだろうか。
村田を語る上でこの項は欠かせない。
デットボール。時速約140キロの硬球が、体にぶつかってくる。とてつもなく痛い。
村田へのそれで有名なのは、1999年シーズン序盤の長期戦線離脱を余儀なくされた頭部への死球だが、2000年の死球にも、ひとつ、エピソードがある。
9月19日。対広島戦で、バントしようとして、手に当たった。
「どうですか。ランナー、進められたでしょ。」
骨折である。どんな選手でもとてつもなく痛いはずである。
結果としてこの試合は負けてしまったが、それにしてもすごい言葉である。
去年の日本シリーズ。
清原和博である。
巨人に移籍して成績が落ち込み、マスコミに徹底的に叩かれた。
「キヨ、お前はスーパースターなんだ。だから新聞でも叩かれる。でも活躍したら、『清原よくやった』『清原バンザイ』となるはずだ。俺なんかがどうがんばってもなれないスーパースターだ。それだけでも良いと思え。」
清原に、この一言がなければ、今年の復活劇はあっただろうか。
野球解説者、栗山英樹は言う。
「前から、肩が悪い悪いと批判されてますけど、実はヤクルトの古田選手の研究とかやっていたりするんです。『裏表が無い』ってピッチャーの方はみんな言いますけど、影ではかなりの努力をしているんだと思います。野球は技術と精神だとすると、その精神、心の部分、これは絶対不可欠な要素だと思うんですよ。そこが村田選手はすごいんですよね。それプラス技術ということですから。」
結論、それは自分の心の中にある。
今年、打撃力の高い吉永幸一郎が移籍、ドラフト1位として期待されている阿部慎之介も入団してきた。
シーズン中、村田のある姿を目撃した。
それは、村田善則と杉山直樹―同じポジションのライバルであるはずの2人―に、自分の知っているキャッチャーの技術を教えている姿だった。
今キャンプでも、それは変わっていない。村田善、そして吉永や、阿部にも。
なぜ。
村田はインタビューでこう語っている。
「自分が(レギュラー争いに)負けても、チームが勝てばいいじゃないですか。そりゃあ、レギュラーにはなりたいですけど、でも負けるときは負けるんだから。原ヘッドコーチに言われました。『おまえがあって巨人があるんじゃない。巨人があっておまえがあるんだ。』そのとおりだと思うんです。巨人が優勝したら、ファンが、フロントが、読売グループが、みんな喜ぶじゃないですか。僕はファンとして、強い巨人が見たいですし、巨人は強くないといけないと思うんです。」
そして最後に一言。
「自分が活躍しても、給料がちょっと上がるくらいですから。」
勝たなければいけない巨人がある。正捕手が決まらない巨人がある。
村田真一。―――彼の職業は、巨人のキャッチャー。
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