阪神ジュべナイルフィリーズ戦評




またまた、オリビエ・ペリエの腕が冴え渡った。阪神ジュべナイルフィリーズは、今年の小倉のチャンピオン、タムロチェリーが制した。

レース前オッズを見ても新聞等の予想を見ても、混戦模様となった今年の二歳牝馬のチャンピオンを決めるこのレースは、前半、無理に押してでも行く馬がいなかったせいか、若い馬同士のレースらしからぬ、平均ペースのレースとなった。ただ、ゲートで多少立ち遅れる馬や道中では引っかかるのを必死で抑えようとしている騎手も多く、その意味でいえば、二歳の牝馬らしいレースとなったといえよう。

レースは好スタートのファロン騎手騎乗のアローキャリーが、押し出される形でハナを切った。同じく好スタートのキタサンヒボタンは、絶好の2、3番手の位置につけたが、少しかかり気味だった。人気どころでは、ツルマルグラマーが道中かなりの後方。武豊騎手はハイペースになると予測して、馬を必死になだめようとしていたが、どうやら馬とケンカしてしまったようだ。ツルマルグラマーは後方におかれ、勝負どころでついていけないかたちとなった。

そんな中でタムロチェリーとオリビエ・ペリエは、道中はやや後方だったが、外を回って3コーナーから4コーナーにかけて徐々に先頭集団に接近。最後の直線での差し切りを狙っていた。

そして直線。抜群の位置取りで絶好のように見えたキタサンヒボタンが、前を行くアローキャリーをとらえられない。そのあいだに、オースミコスモ、マイネヴィータが外から伸びてくる。さらに大外からペリエの手綱さばきにこたえて、タムロチェリーが差してきた。

ズブイながらも阪神の坂を一番いい手ごたえで登ってくる。ゴール前ではまとめて前に行く馬をかわし、先頭でゴール板を通過した。これで、ペリエはJRA史上初の三週連続GT制覇という偉業を達成したのである。

優勝したタムロチェリーは、前走は休み明けと不利のため凡走したが、小倉二歳ステークスでのあの豪脚はフロックではなかったことを証明した。あとは、やはり鞍上ペリエ騎手の勢いであろう。ノッているときには何もかもうまくいくものだ。しかしタイム的には1分35秒台と平凡だったので、今後どのようにして力をつけていくかが、来年のクラシックにおける見きわめとなりそうだ。ただ、いまはこのセクレト産駒の抽選馬の戴冠を素直にほめたたえよう。

2着のアローキャリーは、決してスローとはいえない展開でよく粘ったといえる。これは鞍上ファロン騎手のすさまじい追いによるものが大きいとおもう。世界の腕を見せられたという感じだ。

3着オースミコスモ、そして5着マイネヴィータの今回の印象としては、切れる脚がもう少しほしいといったところか。

一番人気で4着のキタサンヒボタンは、やはり目に見えない疲れがあったのでは。絶好の位置取りでおもったより伸びなかった原因としては、これで5戦目というローテーションと疲れからくるレース前半での多少の引っ掛かりがあったのだろうとおもう。

今年の阪神ジュべナイルフィリーズは以上のような結果となったが、はたして来年のクラシックに結びつくレースとなったのか。これは正直なところ、微妙である。レースタイムが1分35秒台という平凡なタイム、そして上位の馬の着差を考えても今回のメンバーではどの馬にもチャンスがあると考えたほうがよいだろう。もちろん、今後クラシックまでの期間にとんでもなく強い馬が出てこなければの話だが。




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