ジャパンカップ戦評




ゴール前は2頭の必死の追い比べだった。内のテイエムオペラオー、外からジャングルポケット。和田竜二とオリビエ・ペリエの壮絶な追い合いは、天才フランス人ジョッキーがクビ差、日本の若手ジョッキーを退けた。

レースは予想通り、アメリカの2頭の逃げではじまった。蛯名のウイズアンティシペイションとベイリーのティンボロアは、しかしそこからペースを緩めて、レースの流れをスローにしようと企んだ。

ナリタトップロードは少し出遅れ気味。その後向こう正面で必死に気合をつけるなど、やはり前走の影響が少なからずあったようだ。メイショウドトウはスローペースの内で馬群の中にもがいていた。一瞬立ち上がる場面もあり、それが後半のレースに大きく影響した。

テイエムオペラオーはスムーズに道中を進み、ステイゴールドと武豊はそのすぐ後ろからちょうどマークをするようなかたちになった。さらにジャングルポケットは、そのステイゴールドを虎視眈々と後ろからうかがうかたち。

レースが動いたのは、後方で必死に引っかかるのを我慢していたトゥザヴィクトリーが、もう耐えられないというように先頭に並びかけてきたときからだった。これをきっかけにペースは突然速くなり、レースに大きく影響を与えた。これで後ろの馬にとっては願ってもないかたちになったことは間違いがない。

そして直線。乱ペースに早々とバテバテとなった逃げ・先行馬は失速し、かわってここで早くもテイエムオペラオーが先頭に立つ。手ごたえは抜群。後ろは、内でメイショウドトウが伸びてきていたが届きそうにない。ステイゴールドは並ぶまもなく置き去りにしてきた。ナリタトップロードはまだまだ後方。そしてもう1頭、ジャングルポケットは・・・

ジャングルポケットはズブイながらも、じわじわとそして一歩一歩とテイエムオペラオーに迫ってきていた。テイエムオペラオーも必死に追う。それでもジャングルポケットが来た。ペリエの超一流の手綱さばきにこたえて、ジャングルポケットが伸びる。そしてついに差した。ジャングルポケットは、史上初の同一年度日本ダービー、ジャパンカップ制覇を果たしたのである。

優勝したジャングルポケットは、これで一躍年度代表馬の最有力候補となった。そして、来年はこの馬が間違いなく中心になるだろう。今後は、東京競馬場以外でのGT制覇を果たしてほしい。もちろん負けたままになっている、エアエミネムやマンハッタンカフェとの決着もつけてほしい。それが名馬への道の一歩である。

2着のテイエムオペラオーは、またも後ろから来た馬に差されることになった。これがこの馬の負けパターンであろう。ただ決して力の差ではないので、次の引退レースでその雪辱を果たしてほしい。

3着のナリタトップロードは、前走の影響があったわりには、よくがんばったといえるとおもう。しかしやはりこの馬は、ステイヤーであろう。時計が速かったのもこたえたといえる。来年も今のところ、現役続行ということなので、もう一花咲かせてほしい。

ステイゴールドは4着。これは、上位2頭とは力の差があるということか。次走の香港のレースで引退ということなので、ぜひとも有終の美を飾ってほしい。

5着メイショウドトウは、前半の不利と枠順が影響を与えた。ただ決して力負けしていないので、次走の有馬記念でテイエムオペラオーと最後の決着をつけてほしい。

最後に、それにしても日本馬の最近の充実ぶりはすごいといわざるを得ない。これからは並みの外国馬ではジャパンカップは戦えないのではないか。日本もこれで満足することなく、積極的に海外に遠征してほしい。地の利のない場所での勝利こそ、本当の強さといえるのではないか。




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