3月22日   ハルウララと武豊
 今日は朝からハルウララが気になって仕方なかった。この大ブームに非常に考えさせられて、異を唱えたこともあったがもうノーサイド。本気で勝ってほしかった。でもこれはハルウララのためというよりも、武豊のためかな。勝てるはずはないと思ったけど、豊でもだめかって世間で言われるのがなんかむかつくなあと思って。さすがおれは豊ファン。

 「ダービーでもこのフラッシュはないな(笑)」に大爆笑。確かに。記者会見凄すぎ。「また乗る機会があれば乗ってみたい」という言葉はリップサービスかそれともプライドか。なんにしても、無事に「伝説」となるであろうレースが終えてなにより。観客のインタビューには、ハルウララへの思いが伝わってきた。「勝ってほしかった」「また観に来る」。以前、園田の関係者のインタビューで「一頭、中央に乗り込めるような馬がいれば園田も活気付くんだけど」というのを聞いたことがある。素直に頷いた自分がいたが、ハルウララという一頭の牝馬で新たな考え方が出来た。ハルウララは確実に高知で骨を埋めるだろう。高知競馬ファンの方々は、いくらハルウララが全国的な人気を持つ馬になろうとも、今後、応援していた馬が華やかである一方、手の届かない場所へ行ってしまうという悲しみを味わうことはない。ずっと、高知競馬のハルウララを応援できるんだ。ずっと「自分」たちのハルウララ。そんな思いが高知競馬ファンの心をつかんだのかな。そういえばおれが競馬にはまったのも、一頭の好きな馬の存在が出来たからだった。おれの場合は間近で見ることは出来ずに、競馬場でさえも遠い存在だった。でも、好きな馬ができるというのは、競馬にとっても、自分にとっても大きいものなんだよね。
 
 競馬は競走であるから、勝つことが大前提なのは言うまでもない。そしてそれは当然評価され、称えるべきことだと思う。しかし。走るだけで、人に勇気を与え、希望を示せる馬がいるとしたら。競馬の根本がどうだかなんて、もはや知るもんか。人気者になったもの勝ちだ。ただ、もう連敗数えるのはもうやめようぜ。ハルウララが走る。それだけで十分じゃないか。これだけは鬱陶しいよ。連敗の数で騒ぐのだけはね。「無事に」ということが約束されない競馬。今後もハルウララは走り続けるらしいが、とにかく「無事に」。勝たなくていいから、これだけを祈りながらハルウララを遠くから応援しようかなあと思う。馬だけじゃなく、人間までもが淘汰される現在の競馬。厳しい時代なのは言うまでもない。でも、いいかな、こんな馬が一頭いても。こんなレースがあっても。こんな競馬場があっても。そんなことを思う一日だった。

3月21日   フラワーCと若葉SとスプリングSと阪神大賞典とハルウララ
 余裕あるレースっぷりだった。重がどうだなんて言ってたけど、そんなこと関係ない勝ち方。関東と関西から無敗で桜へ向かう牝馬2騎。しかも鞍上は恐らく天才2人。楽しみだ。でも、騎手が直線で、って言うかレース中に後ろを見るのはカッコ悪いなあ。確かに一瞬の脚で差されてしまうことがあるから、振り返ることも仕方ないけど好きじゃない。レースの仕方というよりは、おれのカッコ良いカッコ悪いの主観だね。

 ゲームをみんなで始めて結構時間がたつ。当然勝ちたいし、好きな馬をとれれば嬉しい。例えとれなくても、レース中は関係ない。そんな中で感じるのが、巡りあわせ。若葉Sに出走したスズカマンボは、もし年末のあの時に指名していなければ、萩Sを勝った馬で2004年クラシックに乗る「スズカ」程度の思いだったかもしれない。でも、ひょんなことから指名することになり、持ち馬に。そうすると、やっぱり他人の気がしない。惜しくも2着に負けてしまったが、後方に位置し、3角から仕掛けて最後の直線、十分に見応えがあった。それにしても壮絶な叩き合い。とりあえず今年のベストオープンだな。迫力あるレースぶりをしてくれて大満足。

 今年はサンデーの3歳がいまいちと思ったのも束の間だった。ブラックタイドにキョウワスプレンダ。そんでもって、ダイワメジャーかよ。すげえなあ。終始、後方に位置した2頭で決着した2004年のスプリングS。このレースも叩き合いだった。ただ、瞬間的にキョウワ有利かと思ったけど、ブラックタイドが強いの何の。合わせの形になったが良かったのかな。今日のレースはびびびっと来た。まだ、子供っぽいところがあると言われてるけど、ダービー獲れるかもしれない。2004年牡馬クラシック候補で「初びびび」。これがないと始まらねえ。コスモとミスティックは下手乗りに見えたけど、休み明けというのもまた事実。皐月賞で白黒つけろ。

 阪神大賞典は何でこんなに面白いんだろう。いっつもいっつも。凌ぎを削るレースばかり。今年もまた2頭のマッチレースだったが、もう道中からザッツにはきつかったね。斤量差なんて関係ねえと思う。直線入り口でほとんど差がないんだから。大逃げをうつ馬がいるレースはザッツにはきつい。レースがしにくいように思う。次は坂のない京都。セーフティーリードをどこまで溜めれるか、でしょう。

 明日はハルウララに武が乗る。ハルウララについてはむっちゃくっちゃいろいろ考えたけど、よくわからない。ただ間違いなく問題なのは、ハルウララ以後の高知競馬。恐らく、明日が高知競馬史上最大の注目を集める日のはず。いや、ここ何年かでは「競馬」そのものに対して一番注目を集める日であろう。ハルウララを決して、一瞬の救世主としてはならない。高齢の牝馬が己を削りながら走ってんだ。天才が異常とも思えるブームに疑問を抱きながらも騎乗するんだ。明日以降の高知競馬をどう描くか。主催者がどんな手をうってくるかが楽しみである。ハルウララが引退して、少し静かになったら高知競馬に行ってみようかな。

3月7日   期待大
 弥生賞は勝っても負けてもコスモバルク。だったのに、きっちり勝利を収めてクラシックに向けて磐石な体制が整った。坂上では、メイショウボーラーを捕えるのに何の心配もないくらいに見えたし。スローだから、一番人気のフォーカルには厳しかったしコメント聞くとかかってたみたいだし。でも、コスモバルクは強いね。

 社台じゃなくて、武豊じゃなくて、サンデーじゃなくて、JRAでもなくて、そんでもって外厩第1号。これほどまでにドラマのお膳舞台が整うこともあるまい。皐月賞も、そしてダービーまでも突っ走ってもらいたい。ただ、相手がね。社台で、武で、サンデーで、栗東で負けてねえみたいなのが1頭いればまた盛り上がるんだけど。あとはとりあえずはサンビームとシェルゲームくらいしかいないかな。今年のクラシックはサンデーのぶっ飛んだやつが出てきてないなあ。思い出せないだけ? 例年と違う感じで迎えそうな今年のクラシック。岡田に獲ってもらいたい。

3月6日   もういくつ寝ると桜花賞
 ゲートに入らないスイープトウショウ。ゲート難は承知の上でも、ここまで入らないと心配になる。やっとのことでゲートインしたが、その間に考えたことはこの度の乗り替わりについてだった。スイープトウショウが1勝目をあげたときに、角田・渡辺ラインの最後の大物の予感とおれもマスコミ同様に胸が高鳴った。チーム・フジキセキ。チーム・ジャングルでも良いけど、その後の乗り替わり劇を目の当たりにすると、チーム・フジキセキの方がしっくりくる。渡辺調教師の定年での引退でスイープトウショウは鶴留厩舎に転厩。タヤスツヨシの厩舎だし、コンスタントに成績を挙げる良い厩舎なので、渡辺調教師の引退は残念だがスイープトウショウも良い厩舎に行けたと胸を撫で下ろしたものだ。そこで乗り替わりのことなど全く考えていない。だから、乗り替わりのニュースを知ったときはただただ驚きだった。元所属の池添、去年2着の池添、んでもって勢いのある池添となれば素直にうなずくことはできる。でも、ずっと乗ってきた角田でも替えるんだなあと、不思議な感じもした。でも、決まったことである。頑張ってくれ池添、それだけだった。

 騎手と競走馬の関係の最上級を表す言葉は、「人馬一体」だと思う。これ以上の褒め言葉はない。もし、ここ数戦で角田とスイープトウショウとの間で信頼関係が生まれていたとしたら。「人馬一体」になりつつあったとしたら。若い馬だし、それも考えられるかな、と。そしてそれなら、調教で跨っているとはいえスイープトウショウが角田ではない男を背にして嫌気がさすのはわからなくもない、とゲートを嫌う間にこんなことを考えていた。まあ、ただゲートが嫌だったり、走るのが嫌だったり、ただ機嫌が悪かったっていう可能性が高いように思えるけど、なんとなくそんなことを考えるレース前だった。それもこれも、スイープトウショウは角田っていうイメージがつきすぎていたから。今後は鶴留・池添ラインで悲願のG1獲りへ向かうことになる彼女。その実現が達成されそうな予感十分の楽な勝ち方だった。池添もプレッシャーあったんだろう、ちっちゃいガッツポーズにほっとしているような感を受けた。去年の雪辱を。あついね、桜花賞。

3月1日   咲き誇れ!
いやあ、強かった。でも、まだ心から信じるわけには…。一番人気になってたけど、大衆はよく馬がわかっているものだ。いくらローエンが引っ張ったとはいえ、いくら開幕馬場とはいえ、レコードでの圧勝を見るとは驚きの一言。つええな、カッコ良いなサクラプレジデント。

 初めてプレジを見たのは札幌2歳Sだった。あのときは、当時の夏にめちゃめちゃ勝ちまくってた勝春の方に意識がいっていたけど、それでも強いと感じた。魅力を感じる馬だと感じたし、この馬の将来が楽しみでならなかった。朝日杯は負けると思っていなかったし、そして現実に負けても出遅れのせいにした。クラシック第一候補とマスコミが騒ぎ立てたのも、素直にうなずけた。スプリングSでの負けも休み明けという理由づけ。きっと皐月なら逆転するだろうと思った。4角では、完全に近い勝ちパターン。でも、また負けた。ネオユニヴァースの強さを皆が称える中で、ネオユニヴァースの進路が開いたことが奇跡であって、力負けではないと強引に判断した。プレジデントはこんなものじゃないはずだ。きっとダービーならば。しかし、ダービーまでの間でおれの心はゼンノロブロイに鞍替えをおこす。どこか魅かれそうで魅かれなかったこの馬の青葉賞で完全に惚れた。ダービーでは死ぬ気でロブロイを応援しよう。それはロブロイが好きだから。藤沢が好きだから。デムーロに、ってゆーか外国人騎手に日本ダービーを勝ってほしくなかったから。でも、プレジデントが気にならなかったわけではない。そこには、小島太という影はなく、田中勝春という影があった。「強い」プレジデントを勝たせることのできない騎手と烙印を押されかける勝春の執念が見たかった。そして、やっぱり自分の「強い」と信じた馬だから。結果は無残だった。好スタートをきって、かかる。最悪。ロブロイも届かずに負けた。しかし、まだ初対決。秋に希望を抱くのに十分すぎるパフォーマンスだった。サクラプレジデントに対する思いは、このときにキレた。早かったとは思わない。限界だった。そして「強い」と信じて疑わなかった馬を「弱い」と罵った。

 秋。ではないスタートをきったプレジデント。鞍上には武豊。いくら武でも無理だ。「もう終わった」馬なんだ。それに、プレジが春に負け続けたのを勝春のせいにしたくなかった。もっと巧く乗れただろう。でも、それでも勝春のせいにしたくなかった。ダービー前に「一世一代の騎乗を見せる」と普段なら口にしないであろう言葉を吐いて、そして一世一代の騎乗を見せることができなかった男が好きだった。プレジがエミネムを捕えて秋への報復の序章を思わせた瞬間、おれの脳裏に浮かんだのは勝ち馬を正当に評価しない必殺技「フロック」という言葉。しかし、神戸新聞杯でもプレジは豊の好騎乗もあったとはいえ初めてネオユニに土をつけた。でも、まだ。まだまだ。一度、おれの心を離れた馬を正当に評価することはできなかった。負けたときの「言い訳」が幾多にもあった春、それならば今度だって「他のつええ馬休みあけじゃん」「出し抜け食らわせただけじゃん」「ロブロイにめちゃめちゃちぎられてんじゃん」。いくらだって出てくる。そして、菊花賞では競馬にならず、ジャパンカップでは惨敗。当たり前だ。そして、有馬記念にプレジの名前がないことに、何の違和感も抱かずに2003年は終わった。

 ローエングリンで決まりだな。中山記念の馬柱を見て思った。まだプレジに印つけてるやついるよ、馬鹿だなあ。一番人気? ありえねえ。おまえらの目は節穴か。菊は距離? JCは馬場? もう言い訳は聞き飽きた。ローエンが二番人気なら馬券でちょっとだけいい思いできるかも。プレジは「カモ」だ。

 ローエンが57秒台でぶっとばすのは予想外とはいえ、プレジデントには参った。でも道中はずっと抑えっぱなしで、直線でぶっ放したレース。変わってないというかなんというか。でも、ブルーイレヴンのような諸刃の剣に魅了される自分がいた。「去年はまだ完成形でなかった」という小島太のコメントに、おれはいくら武豊でも抑えきれないようなものすごい怒りを感じながら、プレジデントをもう一度信じようかと思い始めた。豊はマイルから中距離あたりなら、とコメントを残していた。一方、調教師はジャパンカップまでならとコメントをしていた。あくまでそっち路線ですか、と翌日にまた怒りを覚えたものの、プレジデントの直線の疾走は忘れられない。小島太が悪く言えば「言い訳」じみた言葉を使うのは、馬を庇ってのことだというのは十分にわかる。それだけ大事にしているんだろうし、期待も大きいのだと思う。でも、もうそんな言葉は聞きたくない。勝てばそんなことは言わないと考えれば、もう負けるな、と。勝って勝って、勝ち続けろ。今年は桜の開花が早いらしい。去年、五分咲きにも満たなかった春。桜は散るのは早いけど、必ず毎年華麗に咲くものだ。中山記念が満開だなんて思ってない。もっと大きく美しい花を。去年のこの時期、ダービーを勝つと信じていた馬に、2004年、多大な期待をかけるとしよう。