| 5月30日 突きつけられた現実 |
| 2004年東京優駿。現実とはかくも厳しくあるものか。かくも厳しくあるべきなのか。 おれはダービーでコスモバルクの何を見たか。若い馬と若い騎手がJRAという大組織に踏み潰される絵をまざまざと見せ付けられ、「現実」という壁を否応なく突きつけられ。 後ろを振り返る五十嵐騎手の姿が頭から離れない。何があった。何がそうさせた。 4角先頭。強力な後続に飲み込まれまいと必死にもがくバルクと五十嵐。カメハメハがバルクを差したとき、確かに彼はその姿を見た。その直後に唸る数多くの鞭。奇跡を信じたのか。しかし、痛々しくも見えるその鞭に、コスモバルクは必死に答えている。前を見ている。ふらふらになりながらも、必死に先頭で走らなければならないゴールを目指している。直線半ばで終わっておかしくない展開、しかしバルクは完走した。力の限り走った。だからこそ、その姿が悲痛でならない。現実をつきつけられた瞬間に目を背けたかった。 長かったろう、今日の直線は。何一ついいことなどなかっただろう。 次。この言葉を今日この日、この夜に考えたくなどない。考えたくなどなかった。しかし、次。次だ。ただ、前を見るしかない。今日、君たちがそうだったように。 おれはコスモバルクと五十嵐を応援してよかった。それは心からそう言える。 |
| 5月29日 ダービー前日。気合十分。 |
| 数々の競馬の本を読んでいるが、その中で最も好きなのが・吉川良著「血と知と地」。故・吉田善哉氏の一生を描いたこの本はおれの競馬のバイブルである。その吉田氏が果たした念願のダービー。ダイナガリバーの2着に来たグランパが岡田氏のものだと知ったときから、吉田一族、社台軍団に牙をむく、まあ挑戦し続けるということだろう、そんな岡田氏が大好きになった。 競馬を見始めたときから、印象に残っているマイネル。早仕上がりに定評があるのはマスコミとかの影響ではなく、誰でも競馬を見ていればわかるくらいのものだった。そういえば、初めて競馬場で見たG1の2着はマイネルだった。馬の仕上げ方や使い方には、ホースマンそれぞれの見解があるだろう。私見だけれども、今になって思えば、早くから使う彼の信念はダービーを狙うためだったのか。ダービーを狙う最大のチャンスを得た今年になって、ようやくそんなことに気付き始めた。 道営競馬に外厩制度が出来た昨年、コスモバルクの名を知ったのはまだバルクが中央に乗り込んでくる前だった。外厩制度、というのは海外では当たり前、ってゆーかそんな言葉すらもないだろう。その外厩制度にいち早く挑んだのが岡田氏であったとき、ただただ嬉しく、コスモバルクという名を忘れないでおこうと思った。 百日草特別。圧倒的な人気を背負うハイアーゲームがいた。勝ってしまえ! そんな思いを持ちながらも、せめて恥ずかしくない競馬を。次につながる競馬を。そんな思いだった。結果は直線ゴール前でもうひと伸びを見せる強い勝ち方。これはもしかしたらもしかする。でも、そんなに競馬は甘くないことも今までに見てきた「競馬」で知っている。嬉しさの半面、信じていいのかどうなのか。それを決められないでいた。これはたんぱ杯を勝ったときもそうだった。バルクの強さを目の当たりにしながらも、人気馬たちの凡走の方に目がいっていた気がする。バルクはクラシックに乗ってくる。勝って欲しい。頑張って欲しい。そんな気持ちがあっても、勝てるという自信が持てずにいた。この勢い、まちがいなく「勢い」。どこまで続くのか、そしてどこでとまってしまうのか。それが怖くて、バルクを応援できない。この葛藤があるから、他の強い馬に目が行き、クラシック候補を探すという冬があった。 しかし、そんな思いは杞憂に終わる。バルクを信じ切れなかった自分を恥じ、陣営に敬意を示す。弥生賞で完全な勝ち方をし、皐月賞では強く見える2着。もうごちゃごちゃ考えるのはやめる。コスモバルクに、岡田氏にダービーを獲らせたい。獲って欲しい。1年で一番燃えるレース「日本ダービー」。2004年の、おれのダービーは彼らに託す。 バルクが勝って、岡田が勝って。そのあとの日本競馬は何かが変わるか。去年のダービーを勝った騎手は、「外国人免許」という壁に一太刀を浴びせた。さて、今年は。 だめだだめだ。余計なことを考えちゃ。それは彼らの笑顔を見てから考えても遅くはあるまい。さあ、明日に向けて気合が入るぜ。 |
| 5月24日 キングヘイローを思い出した |
| ダイワエルシエーロが勝った。クイーンCはオークスに結びつくと言っても、まさか勝つとは。ロンドンブリッジの仔が逃げ切りでオークス。しかし、福永が東京2400で逃げ切ったことの方が感慨深い。逃げてしまった数年前とは比べようもないくらい、落ち着いていた。「競馬」ってすげえ。 |
| 5月4日 サイレントウィットネス |
| 以前、1度だけ香港競馬を見に行った。いまや、年末とえば香港。有馬記念に向かうか香港か。4つの異なる距離を選択でき、そして他の海外に比べて輸送に負担が少ないことから、今年もそして今後も香港を使う馬は数多く見られることだろう。おれが訪れたときは口蹄疫の関係だったか、日本馬の出走がなかった。しかし、それでもシャティン競馬場で行われた白熱の戦いは異常なほどにアツく、楽しいものだった。サンラインvsフェアリーキングプローンなんて、それ以後一度も映像で見ていないというのもあるが、おれの中で「伝説」となるほどの名勝負だった。そして、観客の熱狂ぶりに圧倒され、香港競馬は決して日本競馬の格下ではないということを痛感した。そして、現在の世界競馬の流れを見ると、恐らく当時も既にそうだったんだろう、世界にとっては日本競馬より香港競馬という意識が高い。有力馬が日本に来ずに、香港へ行く。競走馬の生産を行わない香港、日本より歴史が浅い香港。そんなことで比べてはいけない。検疫などの条件や、国際的ステータスを見ても、世界が香港競馬に目を向けるのは誰だってわかるのだから。正直、日本人であり、日本競馬こそが自分の競馬である者としては、悔しいとしか言いようがない。 今年、鹿児島県軽種馬協会が主催する「九州トレーニングセール」で、来年の春から釜山競馬場をオープンするKRA韓国馬事会が5頭を購入したそうである。そして、彼らは千葉、日高でも行われるトレーニングセールにも参加予定ということである。隣の韓国といえば、日本とは様々な歴史があり、またサッカーや経済情勢でも常に競い合っている。ナショナリズムと言えるほどのものではないが、なぜか韓国や他のアジアと日本が比較されると、絶対に負けたくないと思ってしまう。前回のワールドカップでの韓国の驀進劇にも、悔しいという嫉妬をずっと持ち合わせていた。その韓国が日本のサラブレッドを購入した。競馬においては、全くの後進国である韓国が競馬に向けて本気モードに入ったような、そんな思いを感じた。シェイク・モハメドのおかげで、欧米のものだった競馬にアジアという風が吹いた。ドバイワールドCなるレースを創設し、欧米の競走馬が目標にするまでになった。しかし、今もこれからも競馬の主流が欧米であることは変わりはなかろう。規模、歴史すべてがアジアを上回っているのだ。しかし、自分の国、アジアの中にある日本競馬が、自分の目の前で行われる競馬が、欧米の競馬より劣っているとは思いたくない。劣っているとは思わない。アジアで力を合わせて、欧米に・・・などとは決して思わない。ってゆーか、ドバイがアジアであるとリアルに感じることすら出来ない。多分に、日本と地理的に遠すぎるということもある。それなら、おれの中のアジア感覚で言えば、欧米競馬に一太刀を浴びせる役目は日本競馬しかない。エルコンドルパサーが、タイキシャトルがシーキングザパールが瞬間の「日本競馬ここにあり」を示した。アグネスデジタルが、エイシンプレストンがステイゴールドが、アジアのナンバーワンは日本競馬であるということを示した。しかし、後続が続かない。今年、日本を代表する競走馬たちが続々と海外遠征プランを出しているが、果たしてどれほどが実現するか。ひとつもしない、なんていうことも例年なら十分に考えられる。競馬をワールドワイドなものと考えれば、おれみたいな考え方は小さいのかもしれない。でも、でも日本競馬が世界の格下と思われているという事実は、ファンとしてもむかつくから。サイレントウィットネス。香港史上最強で最速のスプリンター。前走のチェアマンズスプリントプライズを制し、敵なしの、そして負けなしの11連勝。香港から出ていないのにも関わらず、現役世界最強との報道も見られる。英国ロイヤルアスコット開催は向かわないものの、日本のスプリンターズSは視野に入っているとの事。来て欲しいものだと思いながらも、来ないような予感もする。だったら。地元で、相手のホームでぶっ倒せば良いこと。年末の香港スプリントなら、ヨーロッパからも名うてのスプリンターが集結することであろう。今まで、香港スプリントだけは良績が残せていない日本だが、デュランダルならやってくれる。格好の餌食じゃないか。アジアで一番つええのは日本だ。その結果が欲しい。 |
| 5月3日 むかつく |
| これが競馬だ。むちゃくちゃ痛快な横山の大逃亡劇。圧巻。ゼンノロブロイの敗戦には悔しくて仕方ないが、それでもしかし。面白い。難しい。ゴールデンウィークの真っ只中、ここでやっちまったな。こんな大舞台でやっちまったな。もう一度やってくれとは思わない。これ以上の結果はない。 4歳4強。「4歳」という言葉には引っかかってはいた。まあ、同年代で去年のクラシックを担っていたメンバーということからあえて「4歳」という言葉を使っているにはしても、彼らが背負うものはもはや「4歳」ではなく「現役」4強でなければならないはずである。しかし、結果だけ見れば「4歳」4強と言われても仕方のないもの。タップダンスに負けて、クリスエスに負けて。しかし、年明け4歳という競走馬が完成されるというこの時期に、長州力ばりの「おれたちの時代」を見せて欲しかった。それもこれも、鞍上たちの牽制しすぎにつきる。折り合いがつかなかった、手ごたえがなかった等々のコメントが今朝の紙面で見られるが、それにしてもである。近年の長距離G1を制している流れは、自分で捕まえにいった馬たちが勝利していることを見ると、後ろで駆け引きしている場合じゃねだろと言いたくもなってしまう。特にロブロイは、じぇねえなオリヴァーは後ろを待っていたように思えた。確かに、瞬発力が武器な馬だけに坂の途中で仕掛けるのはリスクが伴う。イングランディーレが止まると思っていたと考えれば、直線まで溜めていたことは頷ける。でも、まんまと逃げ切られてしまったというコメントから見れば後ろを意識していたと考えられる。2着には価値がある。しかし、1着と2着の間には天と地ほどの差がある。めんどくせえからフォローはするまい。勝ちに行ってほしかった。悔しい。他の騎手たちにも思うことだが、相手を意識せずにただ自分たちの馬を信じて乗れよ、と。つええ馬たちだと思うから。競走だから相手を意識するのは当然だとしても、それにしても、こんな無様な姿をさらすなよ。ヒシミラクルに、角田に笑われるぜ。 |