| 10月29日 栄誉 |
| 「世界最高の女性ジョッキーになりたいとは思わない。最高のジョッキーになりたい」J.クローンの言葉。「体力的に」競うスポーツ界で、男と女の壁を取りはらって行われるスポーツの数少ないひとつに競馬がある。ただ、調教師や厩務員などには多々活躍している女性を見るが、騎手に限って言えばトップはやはり男性。その社会の中で、しかも競争率の激しいアメリカでトップグループに位置するJ.クローン。この言葉にはおれが一生かかっても理解できないような重みがあるように感じる。
今年のブリーダーズC。個人的な注目は何と言ってもJ.クローンだった。まずはハーフブライドルド。BC前に圧倒的な強さを示していただけに、当然の断然の一番人気でレースを迎えたが、勝てばJ.クローン初のBC制覇。大外が不利と言われていたが、問題なく、そして強気に完勝。ベルモントSに続いて、新たな勲章がクローンに加わった。おれはミーハーなだけで応援しているけど、それでもなんか嬉しかった。そしてもう一頭の注目がファニーサイドだった。 キャンディライド、エンパイアメーカー、マインシャフト。そしてファルヴラヴ。今年のブリーダーズCクラシックに出走意欲を見せながらも残念ながら出走しなかった馬。キャンディライドは追加登録料金を支払わなければならないために来年に目標を切り替え、ファルブラヴは普通にターフへ。エンパイアメーカーとマインシャフトは引退。このメンバーが揃っていれば…、いくら言っても仕方がないが。特にキャンディライドは、恐らく出走していれば鞍上・J.クローン。出走しない旨を知ったときはへこんだ。 クラシックの興味が薄れたなあというとき、ファニーサイド陣営がJ.クローンに騎乗以来をしているというニュースを知った。サントスがヴォルポニに乗るから、っていうかファニーサイドは出否未定であったためにヴォルポニにサントスが決定していたということ。彼自身は、確かに昨年の優勝馬とはいえ、今年の2冠馬に乗りたかったのではないか。知らないけど。 ファニーサイドは1角で外に膨れてしまった。外に馬がいたからぶっ飛んでいかなかったけれど、どうしてああなったんだろう。あおりを食らったテンモストウォンテッドには悲惨すぎる不利だった。ファニーサイドは休み明けというのもあってか、3角からはもう勝負にならなかった。お気に入りのコンガリーも負けた。一瞬、いけるかと思ったけど。リチャード・マンデラやりすぎ。 ファニーサイドは駄目だったけれど、ハーフブライドルドは将来有望。クローンと共に、来年も強さを見せつけて欲しい。クローンはJRA来ないのかなあ。たぶん、初めてJRAで勝った女性騎手はJ.クローン。ぜひ、ワールドスーパーあたりで。初めてグリーンチャンネルのイマジナリーベットに参加した。8戦2勝。悔しい。 |
| 10月28日 3冠ならず |
| ヒシミラクルやナリタトップロードを見るようなレースだった。最近の長距離戦のパターン。スローの流れを3角から仕掛けて、4角から一気に押し切る。またこの形か、という感想。別にこれが良い悪いということではなく。 この菊花賞での主役はもちろんネオユニヴァース。前走で敗れはしたものの嫌な負け方ではないし、春に圧倒的な力を魅せつけているだけに当然であると思う。ネオユニに、というよりデムーロに3冠を獲ってほしくないと考えていたおれは、ネオユニを倒せるとしたら…、という観点で菊花賞を迎えた。今年の菊花賞もスローからの瞬発力勝負になるだろう。ということは、恐らくネオユニより前に位置して、前走恐ろしい程の瞬発力を見せ付けたゼンノロブロイならネオユニを負かせる。そして、前に行くということをほのめかしていたアンカツ・ザッツザプレンティ。神戸新聞杯でザッツザプレンティは完敗。距離がどうこうではなく、瞬発力勝負では分が悪いというのを示した。前に行って押し切れるなら、勝てる。しかし、展開や位置取りどうこうではなく「ザッツがネオユニを倒せるか」と考えると、無理であろう、と。競馬に距離があること、馬に適正があること。この2点をこれまでのレース内容だけで消し去った時点で、競馬素人である。成長しねえなあ。でも、時にはこういうのも大事であるとは思う…。 ザッツザプレンティをアンカツが勝たせた。道中は、もう少し前にいたほうが良いんじゃないか?って感じだったが、絶妙な位置から捲り上げていった。この乗り方じゃなければ勝てないというものだったように思う。やはり、自分から動いて、きっちり脚を使うというのは上手い騎手でなければなせない芸当。「長距離戦は騎手の腕がモノをいう」というのが、少しわかったような気もする。対してネオユニヴァース。ザッツを見て同じく外から上がっていく形だったが、結果的に仕掛けが早かったということだろうか。もう少し待ってから仕掛ければ、ネオユニの瞬発力が活かせたと思う。結局、最後はザッツに放され、リンカーンにも差されてしまう。脚があがっていたね。この1戦で判断するのは早計だけれども、長い脚を使うという点ではザッツに劣るということか。デムーロがネオユニを信じきっていたということだろうけれども、持ち味を発揮できなかったという点ではデムーロの騎乗ミスと言ってもいいと思う。ペリエ・ゼンノロブロイはもっときつかった。直線、出すところがないというのは予想できねえ。ペリエでもあるんだなあという気持ちと、ふざけんなという気持ち。直線で強さを見せたって何にもならん。もったいない。リンカーンは軽視しすぎた。かなりキレる。横山はああいう乗り方が上手い。今年は惜敗が続いているが、時間の問題だろう。天皇賞のツルマルボーイが異様に恐い。 3冠ならず。3冠阻止してくれという気持ちでいたにせよ、結果がでてしまうともどかしさが心に残る。今度はいつこんなチャンスがあるのか。馬が、レースが生き物である以上、生きているうちに見れるという保障はない。が、無理に3冠馬が見たいというわけでもない。3冠馬なら何でもいいというわけでもない。でも、まあ1度は見たい。どんな馬なら3冠をとれるのか。目の前で見たことのないおれにはその答えはいまだわからない。出来れば皐月賞の前に「この馬なら勝てるんじゃないか」という馬を見つけて、3冠物語をリアルタイムで感じたい。 |
| 10月21日 スティルはつええな |
| 4角でスティルの真後ろにアドグ。これ以上に外に出すには厳しい京都内回りである。しかし、それでもローズSの瞬発力を食らったら、差される位置。やべえなあという思いだった。この時点で勝負はこの2頭。前走、不甲斐ない負け方をしたスティルに3冠赤信号の判断をしたおれだったが、不思議と前を行く馬は確実に交わせる気がした。行きっぷりが前走とは比べ物にならなく見えた点、そして春に見せたスティルの確実に伸びる脚が頭に残っていたからだろうと思う。
結局、2頭は馬体を合わせることもなく、しかし差を広げることもなくゴールに入った。思ったよりアドグが伸びなかったという印象。スタンド前のゲートの不安も問題なく、スティルを見ながら競馬ができる位置にいて万全だと思っていたが、あの脚は出なかった。阪神じゃないと出ないのか? むちゃくちゃ難しい馬なんだろう、これからのレースは常に恐い馬として注意しなければならない反面、実に信頼を置きにくい。ただまだ3歳、安定した走りをするようになれば、当然女王の資格はある。クラシック全て1番人気。大衆が、この馬こそが最強3歳牝馬であるという認識をしていた証拠だし。念願のG1勝ちは遠くないような気もする。 ついに3冠馬を現実のものとして感じることが出来た。しかし、現実感はゼロ。結局、桜と樫の2冠馬っていうのも今まで見ていなかったから仕方ない。今後競馬を見続けて行くうえでその偉業を実感していくのであろう。そして、注目はこの後のスティルインラブ。当然、次走はエリザベス女王杯。アドグ他の3歳勢に加えて、同じ日に行われた府中牝馬Sで凌ぎを削っていた古馬牝馬。レディパステルにしろ、ローズバドにしろ、骨太いメンバーだ。テイエムオーシャンが戦線離脱してしまったのが悔やまれる。そして、何より女王に君臨するファインモーション。マイルCSに向かう公算があるらしいが、こうなった以上エリザベスに向かってくれないかなあと思う。いくらニューヒロインが出てきても、女王は私である、と。マイル路線は来年でもいいじゃんと思う。まあアドグと鞍上がかぶるから、実質的にガチとはいかないけれど。マイルで惨敗する姿を見てられないというのも大きいが。ただ、スティル対ファインは非常に興味ある。 今週は牡馬三冠。ロブロイもプレジも出るから面白みは俄然増した。ただ、上がり馬がいたらなあという思いはある。ナチュラルナインが出れるなら。言っても始まらないが、見てみたいものは仕方ない。間違いなく台風の目になれる馬だと思う。このようなケースが続くなら、初めから中央で地方所属馬を走らせるなよ。菊花賞に向かうためには地元のダート1600を勝たなければならないって。意味わからん。 牡馬も3冠出たら、今年は伝説の年となるのだろう。でも、もっともっと盛り上がっていてもいいのではないか、とも思う。そして、世間はどう見るのだろうか。知らない世界の、限られた世界での出来事とされるのか。世間は度外視したとしても、競馬ファンの盛り上がりに多少物足りなさを感じる。それとも、こんなものなのか。想像していたのとちょっと違った。でも、変な緊張感はある。こんな思いは始めてだ。 |
| 10月10日 毎日王冠 |
| 毎日王冠といえば、あのレースを思い出す。逃げるサイレンス、4角で勝負をかけるグラス、直線で追いすがるエルコンドル。もはや、伝説となったこのレースに競馬を見てて良かったという思いを抱いたのを思い出す。後にも先にも、このレース以上にファンファーレで鳥肌がたったことはない。
今年の毎日王冠。クリスエスが回避したことによって多少興味は薄れたが、それでもおもしろいレースになりそうだ。エイシンプレストン対ファインモーション。ど派手な対決のイメージは沸きにくいがこんな対決がおれは好き。香港最強対最強牝馬。異種格闘技戦だ。 エイシンプレストンを初めて見たのは朝日杯3歳S。アンカツ・レジェンドハンターの内からするする伸びて突き放した1勝馬。つええなあと思いつつも、これからはどうだろうなあという思いだった。しかし、年が明けてもきさらぎ賞はかかって負けてしまったが、そのあと重賞を2連勝。そのあとの故障が悔やまれたものだ。米子Sから北九州記念を連勝して復活を遂げたのち、掲示板を外したのは天皇賞とフェブラリーSだけというのは素晴らしい。そして、プレストンといえば香港。香港マイル、クイーンエリザベス2世C2連覇。この中で好きなのは香港マイル。あの日本馬3連勝をやってのけた日だ。4角ではまだ後方、直線で外に持ち出して勝つというプレストン香港確勝パターンは変わらないが、やはりインパクトがすごかった。今でこそ、プレストンの香港での直線ほど安心して見れる海外レースはないとまでいえるが、当時は適正うんぬんより、日本でのマイルG1が朝日杯だけという頼りない成績だったからだ。そののち香港Cでは惜しくも敗れたが、あれは勝負のあや。香港適正がむちゃくちゃあるというのは否定できないと思う。そこで、日本での評価が微妙だ。マイルCS2着が2回あるが、どこか物足りない。フェブラリーSを使ったり、60キロで中山記念を走ったりとどんな条件も挑戦するというところが非常に魅力を感じる馬であるが、やはり香港G1・3勝という実績を考えると日本での評価が比例していない。しかし、そんな中でもの毎日王冠は1勝2着1回という抜群の「適正」。数々の挑戦を続けているプレストンにカッコ良さを感じずにはいられない。今年で引退してしまうらしいので、何とか1つG1を。天皇賞でも、マイルCSでも、とにかくもぎとって欲しいものだ。そして最後は香港で。直線ぶっとばす脚が見たい。 ファインモーションの新馬戦を見たとき、誰でもわかるような「強さ」を感じた。そして、それは伊藤雄二調教師の「仏オークス挑戦」という言葉で確信した。惜しくも武豊の戦線離脱で挑戦はならなかったが、長期休養明けからの昨年の圧勝劇には想像以上、期待以上のものだった。しかし、有馬記念での敗戦。強い牝馬の変わらぬテーマ「対牡馬」。今年のファインモーションももちろんその壁に挑むものと思われた。しかし、今年陣営から出されたコメントはエリザベス女王杯。つまんねえなあという思いで一杯だった。そんな中での秋天参戦の報道は今年の競馬の大きな楽しみの一つになった。賞金的に確実に連対しないと出走はその時点で絶望的になる。牝馬と走るファインモーションにもはや魅力を感じない。どうにか、秋天に出走して、もう一度牡馬の壁に挑戦して欲しい。 エイシンプレストン対ファインモーション。どちらも確実に日本競馬に名を刻む馬。シンボリクリスエスもネオユニヴァースもヒシミラクルもいない。だけど、この異種格闘技戦は問答無用に面白い。どちらも天皇賞に出走して欲しいものだ。 |
| 10月1日 3冠 |
| トライアルが終わって、ついに今週からG1。早いものだ。この秋競馬、もちろん注目は牡牝ともに久々に訪れた3冠のチャンス。非常に楽しみだ。
「牝馬3冠といえばメジロラモーヌ」というのは、競馬を見始めてかなり初期に暗号のように覚えたこと。まだ産駒が普通に現役で走っているのに、なぜだかラモーヌには白黒のイメージ。これはずっと離れないだろうなあ。やはり、唯一というのがでかいのか。ものすごく尊い感を受ける。牡馬3冠。一番新しいのはナリタブライアンだから、それでも9年前ということになる。おれは、競馬好きと胸を張って言う自信はあるけど、「ナリタブライアンを知らない」競馬ファン。たくさんの人に笑われてしまうキャリアのなさだ。この事実はむちゃくちゃ悔しい。ビデオで見ても、本で読んでも、そのときの感動など味わえるはずもない。今でも史上最強との声も挙がる馬を見ていないことに、むかついたりもする。だから、なんとなくずーっと3冠馬というのを見てみたいという思いは毎年抱いている。そして、そのチャンスが今年なわけだ。 ただ、オークス、ダービー後、その思いが変わってきた。あの2頭が抜けていると感じたからだ。夏をどう乗り切るかというのはクラシック世代じゃなくたって、全ての競走馬にとって大事なことは百も承知である。しかも、クラシック世代においては、「成長」という言葉がつきまとう。それにしても。そのことを考えた上でも、あの2頭はつええだろう、3冠確定であろうと思った。その瞬間、急に3冠馬の夢みたいなものが自分の中から消えた。それは、その権利がある2頭に対して、自分の思い入れというのがほぼ無いからという理由も確実にある。強いというのは当然認めても、例えば海外に行くんなら死ぬほど応援するにしても、クラシックシーズン前に特別な思い入れを抱いていたわけではない2頭。特にネオユニはおれがダービーで本命に推した馬を2着にした馬だ。秋には逆転してやる、なんていう思いもある。しかし、それ以上に感じたことは、こんなに簡単に3冠馬が出ていいのかということ。実力という点だけで自分なりに考えた場合、やはりこの2頭は抜ける。このままじゃ、このまま秋に普通に勝たれたら、つまらないと思った。あっさり3冠が出ると思った。ならばいっそ、STOP THE 3冠。意地でも3冠を阻止できるような馬を探そう、そして応援しよう。それでも勝たれたら、そのとき3冠馬の凄さを感じようと思った。 秋初戦、両3冠馬は敗北を喫した。秋競馬が面白くなった。あくまでも試走(トライアル)であるが、それでも春が終わった時点では考えられないような敗北である。個人的には良かった。圧勝されていたら、3冠馬の登場を指をくわえて待つだけのおれだっただろう。これでやっと客観的にレースを見れる。ネオユニが勝つも良し、負けるも良し、スティルが勝つも良し、負けるも良し。日記書きながらも胸が高鳴る。 |