3月12日   戦争
 今日の朝の新聞には「武豊、ザッツザプレンティ騎乗に断り」「アドマイヤグルーヴ若葉Sへ」「スズカドリームは毎日杯」などなど、クラシック戦線の記事が目立った。チューリップ賞が、弥生賞が終わり、いよいよトライアルも山場を迎える。今年の桜の開花予想は東京では29日。そのころには「桜」の輪郭も見えるころだろう。来年、再来年になれば今年のクラシック世代は強いだとか弱いとか言われる。ただ、クラシックをリアルに感じているときは強い世代とか弱い世代とかは関係ない。とにかく今、楽しみでならない。

 開花予想の29日には、ドバイワールドカップが行われる。日本からは2頭のチャンピオンホースが挑む。最近の中東情勢から、回避馬も多数出て当然だと思うが、我が日本からはそういった点を理由にした回避は未だないと思う(知らないだけかも)。ここにきて開催側は絶対に競馬を成功させるといっているけど、それってどうなんだろう。まさに29日なんて、近隣の国が暴れんぼうのブッシュアメリカにぼこぼこにされているかもしれない時だ。それを考えると、何が何でも開催するという意見には賛成しがたい。

 ワールドカップが世界平和の証として行われるのであれば、とんだ茶番だ。もし戦争になればアメリカの馬は絶対に来ないし、他の国々だって出走に踏み切るかどうかだ。それ自体すでに平和でもなんでもない。そんな中強引に開催するという神経が信じられない。イラクとドバイがどんな関係にあるかも知らないし、モハメド殿下が今回のイラクアメリカ問題に何をしてるかも知らないで言ってしまえば、競馬を開催する金や土地があるなら、イラク難民の受け入でも何でも、世界平和のために出来ることをすればいいのに。

 戦火の真っ只中に行われたドバイワールドカップの優勝馬はゴールドアリュールです。なんてことになったら素直に喜べないよ。そんなにドバイの価値は低くないと思うから。勇気を出して開催中止にすればいいのに。それが、本当に本当に馬のためであり人のためのような気がする。そのような結論を下したって、恨むべくは戦争であり、開催側には否はないと思う。

 もちろん、ドバイまでにこの問題が決着していれば何も問題はない。可能性は…。期待できそうにないね。こんなえらそうなことをいってるおれも戦争に反対という意見を持っていながら何も行動はしていないし、結局は遠い国の出来事ととらえているのかなあ。そう思うと情けない。

3月4日   おっちゃん
 この間の週末、いつもと変わらず競馬新聞を眺めていた。そこに安藤勝の名前。これ自体はよくある光景だが、しかしこれまでとは違う。JRA所属の騎手の安藤勝の文字。これから彼の名前を見ない日はないと思うが、これが当たり前のことと認識するにはもうちょっと時間がかかりそうだ。でも、すっごく嬉しかった。

 と同時に。いつも見慣れたはずの、「当たり前」だった河内の名前がない。

 おれにとっての河内洋という騎手は、どんなものだっただろう。馬で言えばメジロブライト、アグネス軍団が思い浮かぶ。牝馬の河内と言われ続け、その言葉を幾度となく耳にしてきたが、悲しいことにおれにとって、競馬ファンの常識であるはずの「牝馬の河内」というイメージはない。ラモーヌもニシノもおれにとってはビデオと本の世界。牝馬の河内をリアルタイムで感じた人たちをうらやましく思う。ただ一回だけ、「あ、河内は牝馬に乗せるとうまいって聞いたことがあるなあ」と実感したことがある。それはエガオヲミセテのマイラーズC。やっぱりあれは思いで深い。

 だからおれにとっての河内はブライトであって、アグネスであって。その中でもやっぱりアグネスフライトが河内!!って気がする。あの京都新聞杯、ダービーは胸に残っている。歴代2位の通算2111勝を挙げた名手が一番のレースと言うダービー。そのダービーをリアルタイムで、そして運良く生で見れたことが嬉しい。カッコ良かった。

 新聞に河内の名前がなかったとき、他の騎手の名前を見ながら1番初めに思ったことは「若いな」だった。40代の騎手もいるし武もいるのにそう思った。生意気ながらにそう思った。あくまで感覚で。関西のベテランは河内だ、河内だけなんだという認識がいつのまにか頭にあったらしい。つまんねえなあって思った。いや、でも、ほんと若いよ。そう思ったとき、すっごく寂しかった。河内の引退、嫌だなって思った。もっと見たかったなあと思った。これから河内という名前が消え、安藤という名前が新聞に「レギュラー」として名前を連ねる。楽しみと寂しさが交差した3月1日。変な気分の1日だった。