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それは収録2日前、旅から戻って久しぶりにファイターズ公式サイトを見た時のこと。
「テレビの収録現場を体験してみませんか?」という小見出しを発見。日本テレビのバラエティー番組「ザ!鉄腕!DASH!!」の公開収録の告知だった。 この番組はアイドル(というよりバラエティー色が強い)グループTOKIOのメンバーたちが、身体を張って様々な挑戦や実験をするものである。クレーン免許を取得して実際の工事現場で働いたり、渋滞の車と自転車ではどちらが早く目的地に到着するかを競ったり…、内容は本当に様々。 我が家は関東ローカルの深夜枠で放送されていた頃からの番組ファン。毎週必ず見ている。 その最もたるのは母(見かけ年齢不詳)。お弁当、お茶、そして交通費まで用意してくれたので、これは連れていかないわけがない。2人して完全に番組ファンとして(ヤジ馬根性丸出し)行くことになった。 |
| さて本題に入る前に天台球場について少し。 ここは県内はもちろん、関東地域のアマチュア野球の拠点のようなもの。高校野球はもちろん、都市対抗の地区予選なども行われている。 1989年までは高校野球夏大会の開会式・準決勝・決勝は必ずここで行われていた。野口も高校3年の夏大会で出場したことがあるはず。 1990年より決勝のみマリンスタジアム、現在は開会式・1回戦からマリンスタジアムを使っている(うらやましい)。 |
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収録当日。見上げれば青空が広がり、日向は暖かい。日向にいればさほど辛くはない。 千葉都市モノレール「スポーツセンター」駅で降りると球場はすぐ。10時半時点で既に50人以上の列ができていた。その殆どが若い主婦層(お子様連れ多し)。さすがに平日昼間だ。また、局側の依頼で来たのか、近隣の幼稚園児もかわいい姿を見せていた。 ファイターズファンはどこ?とキョロキョロすると、すぐ前に並んでいらしたのが、東京ドームをはじめ関東各球場でお見かけするお兄さん・お姉さん。少しホッとする(お世話になりました)。 球場内での写真撮影は禁止。番組進行の妨げになるというのだが、おそらくアイドルの肖像権の保護だろう。資料用にとせっかく持参した一眼レフも母のリュックの中へ。 ファイターズ広報の中原さんがHP用にとデジカメであちこち撮影していたのだが、観客と間違えられてスタッフに注意されていた(涙)。 少し経ったところでファイターズ応援団が到着。いつもお世話になっている関東地区3団体からの有志である。局側の依頼で来たとのこと。だいたい10人くらい。 観戦仲間のRさん(女性)が「直前にシャレで有給を申請したら取れた」と合流。かなりホッとする。はっきりとファイターズファンとわかる人は、応援団を含めて20人くらいだろうか。全体の10分の1くらいかな…? |
| 11時半頃、やっとこさ収録開始。といっても応援風景の収録から。そう、我々観客はエキストラでもあったのだ。 てんでバラバラ座っていた客が一ヶ所に集められ、スタンドが密集しているような絵を撮る。小道具として応援メガホンが配布され、皆にわかファイターズファンと化す。 私は普段の応援では使わないキャップとメガホン(借りた。スコアを付けているので手はフリーにしているから)を導入。ホームゲームでいつも着ているユニフォームは、本人がいないのでさすがに持ってこなかった(コーチだし)。日が照っているが寒いので、ファイティーバスタオルを膝掛け代わりにする。最終的には振っていたけど。 まずはサウンドテストということで、スタッフから応援団に「何かやってくれ」と依頼がある。「じゃあ橋上やります!」となった。 しかし当の橋上がチームどころか現役をあがってしまったことに気づき(涙)、思いきり歌えず(号泣)。 以下収録を依頼された客席シーン。 1>「リリーフ捕手として野口選手が出てきますので、守備につく時の曲をやってください」 ファイターズ戦を見たことのある御人ならわかると思うが、守備につく時は特に曲をやることはない。仕方がないということで、野口の応援歌をやることになった。でも捕手として守っているのに「♪一発狙ってホームラン」はない(笑)。いつもは元気に歌っている我々もトーンダウンせざるを得なかった(苦笑)。最後に「がんばれ、がんばれ、野口〜!」とやる。 2>「黒木投手に声援を送る曲をやってください」 だからそーゆーのはないんだって、スタッフさん(涙)。私たちの周囲にいたファイターズ党はシャレのわかる人々で、ついジョニー黒木の「Smoke on the Water」なんぞを口ずさんだりする(笑)。ニセと言われないように頑張れ(涙)。 結局、いつもの投手登板時にやる「がんばれ、がんばれ、黒木〜!」をやる。 3>「悔しがる」 誰もいないグラウンドに向かって演技するのは難しい。そこで自分勝手にイメージを膨らませる。「7月初めのライオンズ戦で、野口が一人で3つ目の併殺をこいたところ」とやったら、隣席の方々にウケた。 するとスタッフが「ファイターズ攻撃中、二死2・3塁で打者三振」というシナリオを教えてくれた(笑)。 4>「ホームラン級の歓声」 私の勝手イメージは「8月末のホークス戦、コユキが逆転3ラン」!数少ない逆転勝ちだったので盛り上がれるでしょう。しかしスタッフの教えてくれたシナリオ「ファイターズ守備時、二死満塁で黒木投手が三振を取る」らしい。違うのかあ。なら「ホームラン級」と言うな。 5>「息をのむ」 ピンチらしい。実際ピンチは数知れずなので、安易にイメージできた。 6>「[ヤな奴が出てきた]と嫌がる」 勝手イメージ「ランナーがいる場面でバッター松中信彦」。2000年シーズンの合い言葉(?)は「信彦の前にランナー出すな」。 客席風景の収録は我々ファイターズ側だけではない。一塁側DASHチーム・その名も「東京DOGS」の応援収録も行われた。一塁側フェンスには横断幕もかかり、番組スタッフの気合いを感じさせてくれる。また、トランペット隊も登場。応援団にしては音が上品すぎるので、大学の吹奏楽サークルか? その応援収録開始と同時に、ファイターズ党爆笑。何故って?メロディーがジャイアンツそのままだったからよ。あれだけママで使っていいのだろうか…? |
| 12時半過ぎ。徐々に学校帰りの高校生が増えてくる。恐らく期末テストが終わったのだろう。 やっと選手がアップの為にグラウンドに登場。一人一人スタッフからの紹介があった。収録参加選手は、黒木、野口、古城、森本、藤島(選手名鑑順)。 ここで小数ファイターズファンによる大きな「ヒチョリ」コールが発生。事前知識のない人には「この選手は、きっとファイターズを代表するような人なのね」とでも思われたかも。将来そうなるハズなので、ぜひよろしく。 名前を呼ばれるたびにペコリとおじぎしてくれるヒチョリ。いい子だ…(感涙)。 黒木−野口のバッテリーは三塁側ファールグラウンドでキャッチボール開始。母が近くまで移動して、フェンスに張り付いて観察を始めた。その時聞いたというバッテリーの会話。 野口>「なんだ、ちゃんと投げられるじゃない!」 黒木>「だってキャッチボールしたもん!三日前に!」 なんだその三日前って。 |
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1時半近く、ようやくグラウンド本番開始。 場面は9回裏、DOGSの攻撃が始まるというところから。 8回まで両チーム0行進、9回表に1点入り、1−0でファイターズリード。安打数がファイターズ4本、DOGS2本。残塁の少ない、大変展開の早い試合と思われる。実際には絶対にない。リアリティーさに欠ける。 マウンドには黒木。一塁・古城(!)、二塁・金子、三塁にプチデニー…いや長瀬くんが入り、遊撃・森本、左翼・藤島。中堅と右翼には背番号ぞろ目三桁のエキストラが入る。 この展開だと先発がそのまま投げているパターンだが、黒木は先発転向したようだ(え、現実にそうだって?)。完投するスタミナが心配される。 DOGSの9回のトップバッターは2番の江藤ならぬ江光から。黒木はさっきから超スローなストレートしか投げている。江光、3番松井ならぬ松木ともに三球三振。 この松木くんとやらに母はえらく怒っていた。 母>「松井のパロディーなら、もっと身体に厚みがあって、バットスイングの速い人じゃないとダメ!」 …ごもっとも。スイングが波打ってました(涙)。母、ジャイアンツファン(苦笑)。 4番のソーサならぬソーカなる者が出てくる(チーム違う…)。これがとっても怪しい(笑)。「それなり」な体型に見せようとしているらしく、ユニフォームの下に何か詰め物をしている。イメージはなんとなく「着ぐるみ」。ホークスの香川を連想させる。 黒木はさっきからずっと遅いストレートしか投げ続けている。ソーカはさっきからずっと空振りをし続けている。カウントは2−0からずっと動かない。10球くらい空振りをした後、やっとバットとボールがご対面。ボコッっという鈍い音とともに、ボールは黒木の前へ転々。ゆっくり捕球して、しばらく待った後に一塁の古城へ転送。そう、ヒットになるまで待っていたのである。 これではヒットとはお世辞にも言えないので、カットになること必至(笑)。打ったほうも打たれたほうも浮かばれぬ。 |
| さてここで一塁代走として、犬がコールされる。大沢親分もわざわざベンチからお出ましになり、球審に代走コールをする演技をなさる。 事前にスタッフに言われていたのが、「犬、というコールがあっても絶対に笑わないでください。当然のように対応してください」。そこから察するに、この犬は駿足・盗塁上手の代走のスペシャリストと思われる。カープの今井みたいなものだろうか。 グラウンドにはかわいいシェパード犬・フェイサーちゃん(名前は次の日発行のニッカン参考)がやってきた。早速古城が吠えられる(笑)。 その足のスペシャリストが出てきたということで、ファイターズベンチも動く(誰が監督なんだろう…)。リリーフ捕手として本日の主役(?)野口がフル装備で登場。つかこの時点で野口が控えなのかよ!という突っ込みをしたくて仕方が無かったわけですが。もったいない。マウンドに向かい、黒木と打ち合わせする様子の演技。ややぎこちない黒木に対し、野口は意外に演技派だ。 いよいよ走塁シーンのスタート。一塁の塁審が二塁へ移動すると思ったら、審判の格好をした調教師。なるほど、よくできている。フェイサーちゃんは一塁ベース付近でおとなしく待機。 二盗シーン。黒木がセットに入ると同時に、立ち上がるよう指示がでる。スッと立ち上がるフェイサーちゃん。投球と同時にスタート指示が出て、走り出す。速い速い!その訓練されている様子に感心。唸ってしまう。 カメラの位置、絵の収まり方を少しずつ修正しながら撮るので、時間はかかる。実際に撮っている時間より長い。その間、古城、金子、森本は寄り集まって雑談をしている。 テーマは「盗塁」と内野中心のため、レフトの藤島は守備機会が全くない。ひとりポツンと所在なさそうに立っている姿は涙を誘う。 太陽はどんどん傾いてくる。同時に気温も下がってくる。グラウンドには冷たい風をさえぎる物は無く、そこにいる面々はどれだけ寒い思いをしているのだろうか。 続いて三盗シーン。調教師は三塁へ移動する。あらかじめ長瀬くんはグラブを差し出している。野口がそこへめがけて投げるのであろう。 フェイサーちゃん、走った!素早い野口の送球はストライクで収まった…はずが、やはりそれはプロの球、素人には難しく長瀬くんは落球してしまったのである。 …しかし、その転がっていったボールをフェイサーちゃんが追っていってパクリ。「捕ったのっ、誉めて!誉めて!」と尻尾を振っていた。 そう、フェイサーちゃんは守備妨害でアウトになってしまったのである。 この時点でスリーアウトでゲームセット。ものすごいオチがついてしまった。 |
| 収録終了…と思ったら、スタッフがこう言った。「これでファイターズが勝って、優勝が決まりました。喜ぶシーンを撮ります」 あまりにも唐突に言われたシナリオ。ファイターズファンの困った顔があちこちにあった。 「優勝…?」 「ピンとこないね」 「二軍なら見たことあるけど」 「なんとまあ臨場感の無い…」 そう、ここにいた人々のほとんどが1981年の優勝をリアルタイムで体験していないのである。 とりあえず、応援団の方々が協議をし、「じゃあ、三三七拍子と、ラッキーの後、長瀬コールをやります」と説明を受けた。長瀬コールなんて他じゃできないだろうなあ。 その間グラウンドでは、ユニフォーム軍団エキストラを含めてマウンドに集合。ぎこちない万歳をしていた。 お疲れ様でした、となったのは16時近く、もう日が落ちかけていた。あんなに長い時間拘束される仕事をしている長瀬くん、君は本当にえらい仕事をしているんだね…。 私は完全にグロッキー、早く寝ました。 結局あれだけ撮影したフィルムは、どのように編集されるのだろう。放送時間は25分とのことだが…。 |
| 予告編が流れたのは年内。あ、わしら映ってる…でもその気にならないとわからないかな?その後すぐ観戦仲間のMさん親子から「見たよ〜」とメールがやってきた。よくわかったなあ…。 ほいでもって本放送。…かなりカットされるのは予想はしていたが…頑張っていた応援団が全く映っていない。何のために呼ばれたのであろうか。あれではあまりにもふびんだ(涙)。 私たちの一生懸命な(?)演技の甲斐も無く、カットカットカット! DOGS側の応援も、東京ドームでのジャイアンツ戦の音声が流れる。何だったんだろう、あの一塁側の人々…。 あの時出会ったファイターズファンの皆様、お疲れ様でした。…放送を見てさらに疲れた私であった…。 母的コメント>「2時間の応援風景収録と、さらに2時間の本番収録の結果が、省略とつなぎ合わせのあの映像。ドラマ仕立ての番組製作には大変な労力が要る!」 |