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2005年2月9日 日本vs北朝鮮 埼玉・埼玉スタジアム2002
ジーコは試合数日前に、既にスタメンを公表していた。海外から合流する中村と高原を先発では起用しないと公言したのだ。俗に言われる国内組への信頼の表れでもあるし、結果を出している以上あまり駒を動かさないという鉄則に従った結果でもある。 確かにそれは正論だし、勝っているチームに変化を加える事はリスクを伴うだけではなく、モチベーションにも影響を与えるだろう。そういった建前上のタブーを、ジーコは犯したくなかったのだと思われる。基本的にそれを否定するつもりは無い。支持するかどうかは別として。 試合は、あまりにも早い先制点により大勝を期待する雰囲気になっていったが、その後の追加点が奪えない為、その雰囲気は徐々に重苦しいものへと変わっていった。 先制点を叩き込んだ小笠原ではあるが、トップ下で起用されているにもかかわらず、最近は頻繁にボランチの位置まで下がる傾向が見られる。今日はそれが全ての歯車を狂わせた様に思う。小笠原がそこに下がる事によって、FWとMFの間にポッカリとスペースが出来るのだが、今日はそれを有効活用できなかっただけでなく、FWの孤立化や、こぼれ球を拾われる原因になり、カウンターを喰らう悪循環の元凶となっていた。本来ならばそこが起点となって決定的なシーンを演出しなければならないのに、ポイントになる事が出来ず、よしんばFWにボールが渡ったとしても鈴木は潰されてフリーキックを請うだけだし、玉田は数的不利を作られ突破し切れず打開に至らない。これが拙攻の最たる原因だった様に思う。 それが劇的に変わるきっかけとなったのが、中村の起用である。DFの田中と代えて4バックにし、中盤の駒の基本配置をボックス型にする事によって、問題のスペースに中村と小笠原がポジションを取る結果となる。必然的に中村と小笠原がポイントとなり、ボールがスムーズに前線へ運ばれる流れが出来上がる。これで一気にチャンスの数が増えていった。 中村は、中盤の基本配置がボックス型ではあるが、それに囚われることなく左右に大きく動き、相手を混乱に至らしめていた。ボールタッチやドリブル、フィード等、全てが別世界で、格の違いをまざまざと見せ付けていた。高原も結果は残せなかったものの、その積極的な姿勢は、少なくとも国内組のFWよりも遥かに可能性を感じさせるものだった。 ジーコは鉄則に従い、選手起用でタブーを犯さなかった。結果を残している者を代えると、それならば今までは何だったのか、という話になるからだ。それはつまり建前であって、逆に言うとジーコは建前に縛られていたと言える。 今回の収穫は、何よりも勝ち点3であるが、それと同時に今後の選手起用に海外組を組み込みやすくなった事も挙げられるだろう。以前、海外組偏重の選手起用と批判され、それ以来できてきた建前の元に、国内組をベースにチームを作り上げてきたジーコだが、この試合で建前という呪縛から解き放たれ、真の意味でのベストチームを、誰に遠慮することなく作る事が出来るきっかけとなったのではないか。 とにかく、勝ってよかった。勝ち点3という結果は無条件に評価する。 |