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中田の行先
中田がユベントス戦に後半14分から途中出場し、大活躍した。首位ローマの2位ユベントスとの決戦。スクデットに関わる大一番で0-2とリードされてからの途中出場、1点差に迫るゴール、そして同点に繋がるシュート。今までの不遇を囲っていた不満を一気に爆発させ、実力を見せつけると同時に、ローマがスクデットを獲得する道程に確かなる痕跡を残した。無条件で喜ばしい事だと思うが、一抹の不安がよぎる。
シーズン半ばまで、私は中田はローマに留まるべきだと思っていた。ターンオーバー制によるトッティの控えという立場においても、シーズン終盤になれば負傷者や累積警告による出場停止処分などにより、出場機会は確実に増えると思っていたし、何より来期のチャンピオンズリーグの出場は非常に魅力的だからだ。
考えが変わったのは、ローマがカッサーノを獲得したからである。イタリア市場で一番の注目株、若手の新星を獲得されては、同ポジションである中田の出番はさらに減る事が予想される。ただでさえトッティという存在が、中田の居場所を占めているのに、更にカッサーノという存在が加われば、活躍の場を与えられる望みは薄い。トッティはイタリアのスターという事で、その時点で中田とのポジション争いでアドバンテージを握っている。そしてカッサーノも然り。不利は否めない。
不安なのは、今回の活躍でローマが中田を放出するのを考え直すという事だ。もともとセンシ会長は「敵にするには、あまりに危険な選手。」として、国内の移籍に消極的だった。今回の活躍が皮肉にもその考えを増幅させる事に繋がるのは確実である。そうなると中田がワールドカップ前の大事な一年を、また飼い殺しの状態で過ごすことになりかねない。移籍したとしてもプレミアかスペインになるが、私は個人的にイタリアで実戦を重ねるのが最善だと思っている人間なので、あまり良い選択肢とは思えない。
最近のチャンピオンズリーグ・UEFAカップにおけるイタリア勢の不振は、そのまま短絡的にセリエAのレベルの低下に結論付けられているが、私はそうは思わない。国内リーグが厳しいから、カップ戦で結果を出す事が難しいのだと思う。選手としての経験・成長を考えたとき、厳しいプレッシャーの中で揉まれながら実戦経験を重ねる事が最も得策だと思う。そうなると出場機会が増えるセリエAのクラブに移籍し、経験を積む事が最良の選択肢だ。
個人的にはミランに行って欲しい。ベルルスコーニはリバウドを狙っているというが、中田にも長い事興味を示しつづけている。今のミランの最大の補強ポイントは攻撃的な中盤であり、中田がそこに入ればチーム全体の飛躍的なレベルアップが望める。ボバンは引退、レオナルドも移籍するとなれば、レギュラーの座もほぼ確実に手に入る。残念ながらチャンピオンズリーグ出場圏内は厳しい情勢だが、それでもローマに留まるよりはずっといい。中田を獲得したいクラブでは、あとはパルマがいい。ベンゲルのアーセナル、マンチェスターユナイテッド、パリSGなど、他国からの誘いも多いが、なんとかこのイタリアの2チームのどちらかに移籍できる事を願ってやまない。
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