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ブラジル − トルコ
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1 − 0
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トルコはブラジルの攻撃を抑えるために、中盤の底を引き気味にさせて、最終ラインとの距離を詰め、ブラジルの攻撃をつかさどる3枚の駒にスペースを与えない戦術を取ってきた。これがかなり効いていた様に思う。 特にリバウドに対しては、かなりケアをしていたように見えた。溢れんばかりの危機感で、リバウドに何とか仕事をさせないように努めていたと思う。 そのおかげでブラジルは、かなり攻撃をしにくく感じていたのではないか。実際、攻めあぐねていたし、ブラジル側に立って試合を観戦していた者にとっては、ストレスの溜まる試合展開だったように思う。なのにブラジルは、それでも中から、中から、と攻撃を繰り返す。あたかも、ブラジルのスタイルの正当性を主張し、全てをひれ伏させるかのように、強引に、且つ頑なに、中央からの攻撃を続ける。そしてトルコはそれを潰し続ける。 しかし、そんな中でもゴールを脅かすシーンを作り上げてしまうのが、今大会のブラジルの恐さでもある。スペースが無くて、狭い局面の中でも、個人の能力でシュートまで持っていってしまう。特に警戒されていたリバウドも、そんな最警戒網を一瞬のテクニックでかいくぐり、タックルを受ける前にシュートを打ってしまう。トルコとしては、こうなってしまってはお手上げだというシーンが多々あり、ゴールキーパーの好セーブの数々がなければ、とんでもない結果に陥っていた可能性もある。 決勝点もやはり個人技だった。ロナウドは四方を敵に囲まれていたにも関わらず、少ないスペースをドリブルで持ち込み、判断良くトーキックでサイドネットに押し込んだ。この判断は圧巻だった。足を振りぬく為には時間もスペースも足りないし、囲まれている状況を考えてもそんな余裕は無い。しかしトーキックなら、インステップでシュートする時のようにフォームを取る時間も省けるし、足を振り抜かなくても短距離なら相手の虚を突くのに充分なスピードもでる。このシチュエーションでその判断を下すには、体で覚えていないと不可能だ。子供の頃からスペースの無いストリートサッカーを毎日経験していないと、なかなか出てこない選択肢ではないか。 結局、王国の環境が試合を決めたように感じる。咄嗟に出るものは、体内や脳内に蓄積された経験なのだ。王国の環境は、それを骨の髄まで染み込ませるのだ。小手先の技術では出し得ない、本物のスキルとは、そういうものなのだろう。 |