イングランド − デンマーク
3 − 0

 デンマークはしっかりと守って一点を奪い、試合を優勢にすすめたかったはずだ。そのゲームプランがいきなり崩れた。
 慎重な立ち上がりの中、なぜかデンマークディフェンスが軽率にコーナーキックを与える。ベッカムが完璧なコースとボールスピードで、キーパーの動きを封じるキックを見せると、あまりにもあっけなくイングランドに先制点がもたらされた。
 これでデンマークはリズムを失った。デンマークにとっては失わずに済んだ、イングランドにとっては望んでもみない時間でのゴール。これでデンマークは前に出ざるを得なくなった。
 そこからデンマークは早いパスをダイレクトでテンポよく繋ぎ、イングランドゴールへと迫るが、イングランドディフェンダーは落ち着いてそれに対処し、危ない場面があっても集中を切らさず局面を切り抜けていった。
 そうこうしている内に、シンクレアのグラウンダーのクロスがオーウェンの前にこぼれ、オーウェンには待望の今大会初ゴールが生まれた。イングランドにとってもこれが流れの中から取った、今大会初ゴールとなり、2点差をつける以上の意味を持つ、価値あるゴールとなった。
 その後、あっさりと中盤でボールを取られ、逆襲を喰らい、危険な形を何度か作られるが、守備陣がそれを堅く跳ね返す。シュートのコースを限定させ、枠に飛ばないように防御線を張っていた。
 そしてデンマークは、スローインで入ってきたボールをクリアし切れず、それをベッカムが拾い、へスキーが豪快にぶち込み、ダメ押しのゴールとなった。
 後半もイングランドは集中力が途切れることなく、しっかりと守りきった。実に見事な勝ちっぷりであった。デンマーク相手に、ここまで完全な勝利を得るイングランドの完成度は高い。次はブラジルが予想されるが、あの攻撃陣に対しても今日のような守備を持って臨めば、かなりの好ゲームが期待できる。