フーリガンが来る

 W杯の組み合わせが決まった。日本の組み合わせと同じくらい気にかけていた事が、イングランドとドイツがどこに入るか、という事である。

 言うまでも無くフーリガンである。街一つを瓦礫の山と変えてしまうイングランドのフーリガン、そして警備の人間の命を奪ってしまうドイツのフーリガン。これがよりにもよって、日本にくる事になってしまった。

 特に、イングランドは絶対に来て欲しくなかった。予選の段階から、予選落ちする事を願っていた。例えスター選手がいて、大会を彩る大きな要素になるとしてもだ。そのイングランドは、これまたよりにもよって、日本にずっと居座るグループFに組み込まれた。ここに組み込まれると、イングランドが決勝トーナメントにコマを進めても、ずっと日本にいる事になる。韓国に行くとしたら、3位決定戦しか可能性は無い。

 そのイングランドが、また衝撃的にもアルゼンチンと同組になった。前回大会の因縁の相手である。シチュエーションまでもが、フーリガンのボルテージを助長してしまう。

 更にたちが悪いのが、そのグループFの組み合わせである。イングランドのグループは、優勝候補筆頭と言っていいアルゼンチン、アメリカ大会出場・アトランタ五輪優勝後、世界ですっかり強豪として認められているアフリカの雄ナイジェリア、アメリカ大会ベスト4で自力のあるスウェーデン、と強烈な組み合わせになった。純粋にサッカーを楽しむ観点から言えば、なんとも心躍る「死のグループ」だが、イングランドが絡んでいると、そうも思えなくなる。

 なぜなら、強豪が揃う事によって、勝点計算が出来なくなるからである。つまり、イングランドとアルゼンチンが予選リーグで対戦する場合、通常ならば引き分けでもよしとするという発想もあるのだが、そのような余裕もなくなるため、必然的に勝利を狙わなくてはならない。ただでさえ因縁があるカードに、そのようなシチュエーションが加えられるとなると、フーリガンが暴れださない事を想像する方が難しい。

 フーリガンは本当に恐ろしい。只、嘆いているだけでもしょうがない。決まってしまった事はどうしようもないのだから、頼りない日本の警備体制が然るべき対策を練り、危機感を持って訓練を積んでくれる事と、情報を集め、入国の段階で可能な限りの締め出しを行う事を祈るのみである。