フランス − デンマーク
0 − 2

 この試合から同グループが同時キックオフとなるグループリーグ最終戦。波乱が多い今回のワールドカップは、強豪国が崖っぷちに追い込まれて望む試合が多くなる結果となっているが、しょっぱなからそれに当たるカードとなった。
 追い詰められたフランスは、この試合に2点差以上で勝たなくてはならない。一方デンマークは引き分けでもいい。波に乗れないフランスは遂に切り札を切ってきた。故障が完治していない、ジダンの起用だ。
 フランスはそのジダンを活かす4−5−1の布陣。デンマークはトマソンをワントップに置き、守備を念頭に置いて臨んできた。
 デンマークは中盤をプレスエリアとして重点をおき、ジダンを警戒しながら、攻撃の形を作らせないように精力的にプレスをかける。それに対して完調ではないジダンも優雅さを見せ攻撃を組み立てる。
 攻撃に意識が行かざるを得ないフランスの虚をつき、デンマークはフランスがこぼれ球をしっかりクリアできなかった隙を見逃さず、それを拾い、マークがズレている所にセンタリングを合わせ、あっけなく先制する。これでフランスは3点が必要になった。
 その後、フランスは更に攻め込むが、コーナーからのデサイーのヘッドがポストに嫌われるという、なんとも象徴的な形で得点には至らず。
 フランスはもちろん地力はあった。攻撃の組み立ても出来ていた。駒も揃っていた。普通に戦う事が出来れば、この試合は問題なく勝てたはずだったろう。がしかし、状況が普通に戦う事を許さなかった。攻撃的に出なければいけない状況で、前がかりにならざるを得ず、その結果カウンターをくらった時に、守備が手薄になり、相手にスペースを与えすぎてしまう事になっていた。その結果、またしても、あまりにもあっけなく、追加点を奪われる。これで4点が必要になった。
 その後フランスは全てを出し切るように猛攻に出るが、惜しいシュートがことごとく入らない。ジダンのループ、トレゼゲのバーに当てたシュート、入らない理由を考える方が難しいくらいに攻め立てた。
 それでも入らなかった。フランスは考えてもみなかった、一点も取れないままグループリーグ敗退という結果を受け入れなくてはいけなかった。
 今大会のフランスの敗因を挙げろと言われると、ただ、運がなかったとしか言い様がない。初戦のアンリやトレゼゲのシュートがバーに嫌われてから、その流れは結局最終戦まで引きずられた。ここまでバーやポストに嫌われるのも珍しいだろう。本当に運がなかったとしか言いようがない。
 それでも強いて他にフランス自身に問題があった点を挙げるとすれば、どんな状況に陥っても揺るがない平常心を保てなかったという点か。王者らしからぬ焦りが、2戦目、3戦目には見られたし、それに苛立ち、プレーぶりが荒れたと言える。バーに嫌われた3cmの差は、そこから来ているのかもしれない。
 しかし残念だ。残念極まりない。