イタリア − クロアチア
1 − 2

 入場の時、イタリアの選手は身長順に並んで入ってきた。カンナバーロが一番最後尾だったことで、先発メンバーの中で一番背が小さいとわかり、惚れ直した。
 試合はクロアチアがかなり慎重に臨んできた為、イタリアも様子を見ているうちに、かなり静かな前半となった。イタリアがクロアチアのペースに付き合ってしまい、落ち着きすぎた試合展開になった。
 しかしイタリアはそんな展開でも、やはり守備の強さを感じさせる。中盤でザンブロッタやトンマージがパスコースを未然に防ぎ、カンナバーロは危険なポイントで素晴らしい読みからボールを奪い、クロアチアの攻撃の芽を摘んでいた。
 クロアチアの消極的なペースにズルズルと引き込まれ、お互いに時間を浪費し、重い空気が流れて前半が終わった。
 イタリアはトップ下を置かない布陣だったため、ツートップの下にスペースがあった。前半はそれを活用できていなかったのだが、後半になってそこをうまく突けるようになり、ドニとザンブロッタが効果的な動きで崩しイタリアが先制し、試合が激しく動き始める。先制された事によってクロアチアは攻撃に出ざるを得ず、イタリアは逆にそれを受けてカウンターという、もってこいの展開へと引きずり込む。おあつらえ向きの展開だったはずなのだが、守りきれるという発想が計算違いだった。その算段が狂った事が、イタリアを最悪の展開へと突き返す。
 ネスタが負傷退場し、マテラッツィが投入されたが、これが守備の呼吸を乱しまくる。守備全体のバランスがくずれてしまい、そのほころびが中盤にまで波及し、危険な地帯をフリーで保持されてしまう。 その混乱が修正されないまま、同点ゴールを許してしまう。これでイタリアの描く青写真は完全に白紙に戻された。
 守備の混乱から中々落ち着きを取り戻せず、不安定な所をクロアチアに攻め込まれる。勢いに乗ったクロアチアは、ここぞとばかりにラパイッチを筆頭にイタリアを窮地に追い込む。ネスタ負傷退場で入ったマテラッツィの不安定さを見抜き、そこを突いてついに逆転。試合は完全にクロアチアが支配しはじめた。
 今度は立場が逆転し、イタリアが攻めざるを得ない。クロアチアはそれを受け止め、カウンターを狙う。イタリアがやりたかった展開をクロアチアにやられてしまう。その後イタリアは猛反撃を見せるが、レフェリーの微妙なジャッジにも泣かされ、結局クロアチアの勝負に対する精神力に屈した。
 これでまた優勝候補が敗れた。このグループも混沌としてきた。今大会は順当な結果よりも、波乱の展開の方が多い。イタリアも最終戦に全てをかけて、勝たなくてはいけなくなった。