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イタリア − メキシコ
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1 − 1
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どっちが優勝候補なのか、わからなくなってしまう試合だった。 クロアチア戦を落とし、自力で上に行くには勝たなくてはいけないイタリア。がしかし、それも難しい事ではないと思われた。人材豊富なイタリアは、アルゼンチンとフランスが敗退した以上、間違いなく一番の有力候補だと思われるからだ。 そのイタリアはフォーメーションを変え、3−4−1−2で来た。ようやくトッティをトップ下に置く、本来の形に戻した。とにかく先制点が欲しいトラパットーニの心情が現れる形で、攻撃的布陣といっていいだろう。どうしても早い時間帯に先制点が欲しかったはずだ。 その流れの中、理想的な展開でイタリアは、メキシコゴールのネットを揺らすが、またしても微妙な判定でそれを取り下げられた。どうもイタリアは今大会、レフェリーに恵まれない。それが歯車を狂わす大きな要素であった事は確かだ。 対するメキシコは持ち味を存分に発揮し、中盤を細かいパスで組み立ててきた。各選手の精力的な動きがイタリアを追い込むが、イタリアもトンマージの精力的な動きでなんとかしのいでいた。 イタリアにとっては重苦しい展開になった。前半の内に点を取っておきたかったのだろうが、どうしても奪う事が出来ない。トッティの不調が大きく響いていた。トッティはツートップと上手く絡む事ができず、サイドからのクロスに対するポジション取りも、インザーギとかぶってしまったり、いい状況でボールを持つためのスペースも見つけられず、メキシコに圧殺されていた。そのストレスとレフェリーに対する不信感からか、プレーが雑になり、イタリア攻撃陣の歯車を狂わせていた。逆に言うと、トッティをストレスまみれにさせたメキシコの上手さと言ってもいいだろう。 そのメキシコは、攻めあぐむイタリアに対し、ある意味「らしくない」縦へのフィードから、何とも曲芸的なヘッドで先制点を奪う。もう、今大会の流れからすると、必然、と思わせる展開だった。 気ばかり焦るイタリアは、その後も空回りし続ける。個人的に一番起用して欲しい選手だったモンテッラを投入した時は、これで負けても文句は言えない、と思ったが、そのモンテッラも先発組に同調してしまい、決定機にフカしたり、コーナー(蹴るのを初めて見た)でとんでもないボールを蹴ったりと、全くいい所無し。モンテッラのゴールもオフサイドで取り下げられたが、イタリアは完全に疑心暗鬼。そんな所から苛立ちが助長されていた。 それを横目にメキシコは、実に素晴らしいサッカーを展開した。細かいパスからワンツーを絡めて、決定機を何度も演出。細かく繋いだかと思えばサイドに散らし、サイドからも危険なシュートを狙ってきて、イタリアに全く気を抜かせない。メキシコの集団のサッカーの強みが試合を支配した。 業を煮やしたトラパットーニは、遂にトッティを下げデルピエロ投入。これが当たり、デルピエロが同点ゴールを奪い、薄氷を踏む思いでなんとかグループリーグ突破を決定した。 イタリアがレフェリーに対して不信感を抱くのは解る。これまでの戦いでの不条理な判定の数々には、同情を感じる。だが、サッカーでは気持ちの切り替えが実に重要で、それはそれ、これはこれで割り切り、次の試合に集中しなくてはならない。イタリアがいまいち乗り切れないのは、そこが原因なのではないか。決勝トーナメントからは、そこを修正していかないと、自滅してしまう。確かに気の毒な面はあるが・・・。 そしてメキシコ。今日も素晴らしいサッカーを披露した。メキシコの強みは集団にあり、攻撃的なスタイルにある。集団の強みがコンスタントに力を発揮できる要因だろう。グループリーグの3試合、全てしっかりと持てる力を発揮できている。非常に好感の持てるチームであるし、この先も期待したいと思わせた。 |