ロイ・カトーンとは灯篭流しのお祭りで、綺麗に仕立てた灯篭に祈りを込めて、河やら池やらにそれを流す、ロマンティックなイベント。本来は仏教的な意味合いのある祭事であるのだが、ロマンティック・フェチなタイ人にとっては、最近では専ら恋人同士にとって重要なイベントになってしまってるわけだ。ま、日本人にとってのクリスマス・イヴみたいな重要性を持っている、と考えていただけたら分かり易いかな。無論、老いも若きも男も女もこのお祭りに参加するので、全体的な意味ではクリスマス・イヴより大きいのだけど。

こんな時、最も盛り上がる(つまり最も人が集まる)チャオプラヤー川近辺に住んでると便利だ。渋滞に引っかからないで済む。まぁ、人間が渋滞してるんだけど。

とにもかくにも、そんなロマンティックで幸福感漂う空気の中、私は日本人男性のfujiyasu2000さんと参加。人ごみにまみれてチャオプラヤー川へ向かう。道中そこかしこでここぞとばかりにカトーンを売る、インスタント・屋台が連なる光景を横目に、人ごみを掻き分けチャオプラヤー川へ到着。

幸せそうな人々が、ロウソクと線香に火をつけ、祈りをこめてる。ええですなぁ、さぞかしロマンティックな気持ちに浸ってる事でしょうなぁ。そしてさぞかしロマンティックに二人で川沿いに屈み込み、ゆっくりとカトーンを水辺に浮かべ、そっと手を離し、そして二人の祈りを乗せたカトーンはゆらゆらとどこまでもドンブラコってわけですか。ええですなぁ、ロマンティックで・・・

 

ってヲイ!なんか、バシャンッ!って音したぞ、今!!

 

怪訝に思い、川沿いまで行って皆様がカトーンを流す光景を確認すると、このチャオプラヤー川沿いは川まで1m位の高さで綺麗に舗装されていて、水際まで行けないようになっている。さて、皆様どうする?と思いきゃ、タイ人の落とすこと落とすこと。そこかしこでバシャンッ!バシャンッ!!もちろんその瞬間に、ロマンティックな要素の最重要科目であるロウソクの灯は瞬殺。

そして浮かばれないカトーン達は流された挙句、建てられている柵の所へ大集合。もはやただのゴミ状態。

 

なんてこったい・・・と思って先に進むと、おやおや、ちゃんとロウソクの灯が消えずにゆらゆらと上手いこと流れてるカトーンもあるじゃない。いいね、そうこなくちゃ。

と安心してる所に飛び込んできた威勢のいい声。「5バーツ、5バーツ!」

なんじゃろな、と思って見てみると、声の主は長い竿のついた平らの網を手にしている。もしかして・・・

ヲイ、タイ人達!網にカトーンを乗せるな!ああ、5バーツ渡すんじゃない!!もう、見てらんない!!やっぱりそういう事かよ!!はいはい。5バーツ渡してカトーンを流してもらってよござんしたね。更にはこんな事をも商売にしてしまう兄貴達もたくましくてよござんすね。全く、全部ひっくるめて、素敵だよ、あんたたち・・・