友人のオーさんがプーケットから帰ってきた。10月中旬に催される仏教の年中行事であるオークパンサーを、故郷のラッブリーで過ごすために、休暇を取ってバンコクへやってきたのである。一緒に行くかと誘われたので、ご一緒することになった。

 昨晩も遅くまで飲んだくれていたので、早朝6時の集合は少々きつい。がしかし向こうも同じ条件なので、文句は言わずに眠い目をこすりなんとかカオサンへ向かい、サーイターイ(南バスターミナル)からナコーンパトムまで。オーさんは、車中で化粧。

 ラッブリーはガイドブック等には掲載されていない、というかガイドブックの地図にも載っていないような小さな田舎町なので、ナコームパトムからは公共の交通機関が通じていない。住民はどこかに出かける時は、自宅に車やバイクがあればそれでナコーンパトムまで、無い人はご近所さんの車でナコーンパトムまで送ってもらう。ナコーンパトムでご近所さんが運転するピックアップトラックを見つけたオーさんは、とても狭い車中に、運転手を含む計5名を押し込んだ。

 オーさんの実家に着き、朝飯をごちそうになり少々まどろみ、体がだるくなってきたところで寺へ向かう。寺には村中の住民が一同に会した様相を呈しており、静かな村の一角に大勢の人々が集まっている。まぁ逆に言えば、これがほぼ全ての住民なのだろう。

 寺ではまず、細長い台に連なるように置かれている、托鉢に使う容器に、炊いたお米を順々に盛っていく、サイバーパッを行った。何人かで行う場合、お米を盛る人の体に触れているか、もしくはその触れている人に触れていなければならないらしく、肩や腕やらに5人がそれぞれ手を置き、米を盛っていく。

 それが終わったら、寺の奥にある仏像が納められている堂へ行き、線香3本に火をつけ、正座をして頭を三回地面近くまで下げ、お祈りをする。それはワイパーと言うお祈りで、お祈りの際に願い事を念じるものなんだそうだが、願い事をしてもいいと知らなかった私は、願い事をするなんて下心があると不謹慎だ、と思いっきり勘違いしていて、もったいないことにお祈りの際は無の境地。しかも線香を差し込むスペースが埋まっていて、往生している際に、ささっている線香に手をジュッと押し付けてしまい、薬指を火傷。

 それが終わると最後の盛り上がりである、托鉢の時間。本堂へ向かう細い道の両側に人々がズラリと並び、次々と列になってやって来る僧侶に、用意していたお供え物を差し上げていく。この一連の流れをタックバーテーウォーと言うらしい。

 オークパンサーは、7月のカオパンサーからの3ヶ月間の僧侶の修行期間が終わる日であるらしく、オークパンサーが終わったら酒盛りをするのが普通らしい。その流れで、昨晩遅くまで飲んでたのにも関わらず、真昼間から深夜遅くまで、ひたすら酒盛りが続いた。