|
スペイン − スロベニア
|
|
3 − 1
|
サッカーを舞台演芸で例えると、選手が役者ならば、レフェリーは演出家だろう。その両方がいい仕事をして、初めていい舞台ができる。 この一戦はそういう意味で、実に不運だった。役者が全身全霊、魂のこもった演技をしたのに、演出家があまりにも無能だったからだ。 スペインがルイス・エンリケの健在ぶりを示す突破から、ラウールのセンスに溢れるシュートで先制し、芸術的クロスから追加点を奪い、スペインの魅力を存分に表現しつつ進んだ試合。それに対するスロベニアも、諦めない強い意志で対抗し、総合力で劣る部分を、目に見える気力でカバーし、それが素晴らしいワンツーからの得点を生み出した。これで2−1。気力に勝るスロベニアは、その後も必死に戦い、追いつく希望を見ている側にひしひしと感じさせていた。 そこで演出家。今大会から厳しく取り締まるというシュミレーション、つまりレフェリーの目を欺く為に演技して、ファールを勝ち取ろうとする行為、をしたとして、スロベニア選手に警告を突きつけた。しかしこれは完全にミスジャッジ。思うにこのレフェリーは勘違いが甚だしいタイプの、自分が主役になりたいというジャンルの人間なのではないか。今大会から厳しく取り締まるという事で、それを理由に警告を出したかっただけ、いや、出してみたかっただけなのではないか。 その後、スロベニア選手がペナルティーエリアの中で倒された時は、PKを取らず。あたかも君達スロベニア選手はシュミレーションを行った事により私の機嫌を損ねたのだよ、私に不快感を与え、信頼関係を失ったのだよ、と言わんばかり。自らの裁定を強引に正当化するための、行き過ぎた過信。ならば問いたいのだが、では何故その時、PKを取らなかったのに、シュミレーションも同時に取らなかったのか?さっきあんたが下した基準では、今回の方がよっぽど派手に倒れた(正確に言うと倒された)のに、何故? 極めつけは、スペインの選手が、スロベニア側のペナで、明らかにボールに行っていた足に引っ掛かって倒れた時である。なんと奴はあっさりとスペインにPKを与えたのだ。ちょっと待ってくれ。さっきのがPKでなくて、なんで今のがPKなんだ? これで試合は決まった。これで試合はぶち壊しになった。レフェリーの曖昧で筋の通らない基準が、好試合になる可能性を破壊したのだ。 決勝トーナメントは、グループリーグの判定状況を見て、レフェリーが選抜されるという。つまりレフェリーも決勝トーナメントへ残るものと切り捨てられるものがいるのである。このレフェリーが残ったら、私はFIFAを軽蔑する。 |