いや、別に変な特訓じゃないですよ。あらかじめ。

トックンとは海老釣りの事。ペップリーにある中華系シーフードレストランが、釣り堀になっていて、そこで海老やらでっかい魚やらを釣りながら、酒や料理を楽しめるという所。もちろん釣り上げた海老等をそこで料理してもらって、酒の肴にする事も可という、大人の遊び場なのである。

レンタルの釣り竿が一時間200バーツ。海老を買った方が早いという無粋な意見は無視して、釣りを楽しみつつ、ビールや料理を頼み、ほろ酔いで竿を振る。

いきなりビギナーズラックで開始早々、一匹を釣り上げる。この調子でバンバン釣って、塩焼きをジャンジャン食うぞ。

っと思っていたら、やはりそこまで。以降ずーっと竿はピクリともしない。まずい、飽きてきた。生来釣りというものが苦手な私。釣れないと、すぐ飽きる。飽きっぽいタイ人が飽きもせず楽しんでいるのに、我慢強く忍耐力があるはずの日本人の私はさっぱり面白くなくなってきた。

ため息ばかりついていた頃に、どこぞから現れたか、釣り名人のピー(年上の人を呼ぶときの呼称)が、どれどれ、とご指南。

ピーは糸の長さを調節し、堀へ放り込む。すると一瞬のうちに釣り上げる。また放り込み、また釣り上げる。そうこうしているうちに乱獲状態。入れ食いというやつだ。

さすが名人、と感心していると、おや?ピーが餌をつけていないことに気付く。なんでだ?

あ、また釣れた、と針を海老から外そうとしたら、その針が口とはまるで関係ない爪に引っかかっている。次の海老を見てみると、今度は足あたりに引っかかっている。

ナルホド。要は堀の底で蠢いている海老達に針を引っ掛け、そのまますくい上げているってわけね。それがコツか。

って、邪道じゃん!邪道もいいとこじゃん!!

正統派で釣れるのを待つか、邪道でバンバン釣るか。
弱い人間の私は、後者を選び、海老を乱獲。食いきれないほどの海老を釣り上げ、料理してもらい、その後数日は海老を見たくもない程食い散らかした。

釣り歴は小学校時代のザリガニ釣りくらいの私には、そんなスタイルでいい。いや、そんなスタイルがいい。でも、釣れるようになったらなったで、またすぐ飽きた。