totoで2等が当たった。2等である。以前3等が当たったときの配当金は18,610円。通常、3等と2等との間には、 かなりの配当金の差額が生じる。もちろん2等と1等の間にはそれなど比べ物にならないくらいの差額があるわけだが、いずれにせよタイで落としてきた金額くらいなら取り戻せると思っていた。
なんとなく、当たるのではないかと思っていた。なぜなら誕生日だったからである。まぁ、たいした根拠にはなっていないが、購入したのが久々という事もあってか、購入時にいつもよりはるかに無欲だった事もあって、こんな時は得てして、とも思っていた。(そう思っている段階で、十分欲に満ちてるとの見方もあるが・・・)
そんなこんなで久々のJリーグを楽しんでいると、来るわ来るわ、パパパパッと気持ちよく結果がはまる。途中までは何試合かはハズレだったのだが、結果が出てみると逆転してたり、ビハインドを追いついていたり。7時キックオフの試合が終わった段階で、2試合が延長戦になっていたのだが、その時点で全て正解。つまり、この段階で3等は確保した。残り2試合。1等の予感が漂う。
でも無欲だったせいか、あまりエキサイトしなかった。大人になっちまったのか?俺は。
速報サッカー21を見ていると、その2試合の結果が報告された。横浜が勝った。2等確保。あとは柏だけ。
柏、引き分け。2等確定。でも、あまりくやしくなかった。2等でも、自分ごとき若輩者にはもったいないくらいの配当金が出る、と思っていたからであろう。
totoのホームページで今節の結果がアップされるのを待つ。11時〜12時くらいにはいつもアップされているので、その時間帯まで待ち、結果を見る。さすがにその頃は、待たされている間に期待感も膨らんでいたので、いくらくらいなのかなと想像し、ワクワクしていた。ま、引き分けが1試合しかないから、まぁ低く見ても1等は500〜600万くらいだったとしても、2等は10〜20万は出るだろ。もし1等が1,000万以上だったら確実にそれくらいは出るだろうし。へたすりゃ、100万くらいついちゃったりして。ワクワク。
2等、配当金、3,421円。はい?
数日後、換金に成田信用金庫へと足を運んだ。お昼時ということで、麗しき姫君さん達はランチへ出払っていて、私の換金は必要以上に身長が高いお兄ちゃんが担当になった。換金を待っている間、仕事している彼を見ていると、どうしても彼の身長が気になった。彼の身長など、私のPCにプリインストールされているMicrosoft Power Pointみたいなもんである。つまり、あってもなくてもどうでもいいものだ。ふと、中学時代の同級生だったT田さんを思い出す。顔はお化けみたいなのに、スタイルはもう、絶品。もったいないと言うか惜しいと言うか・・・。
そんなバカな事を考えていると、馬場君(自動的にあだ名決定)が用意している私の配当金にチラリと見えたのが5千円札。???何故だ。配当金は3,421え・・・あーもう!思い出したくもない忌まわしい額!!なのに何故、5千円札が?
・・・馬場の野郎、間違えてやがる。何故だか解らんが、5千いくらかの金額を用意してやがる。
そうなると、正直爺さんの私としては、当然、葛藤という崇高なメカニズムがオートマティックに働く。天使さんと悪魔君の登場である。彼らは私の耳元でこう呟く。
天 「正直に間違いを指摘してあげようよ。後で彼はすごく困る事になるよ。それに今、正直に言う事によって次回からのtotoの結果に、必ず反映されてくるから。ほら、8年前のあの時だって、代ゼミで受験用に撮った写真のお釣りが千円多くて、ちゃんと私の言う事を聞いて返したら、ちゃんと受かったじゃない。」
悪 「グェーッヘヘヘッ!!んなもん、黙ってありがたく頂戴しちまえばいいんだよ!あっちのミスだ。おめぇはなーんも悪くなんかねぇんだ。あいつはあいつの責任の下で仕事して、給料もらってんだ。客に指摘されてるようじゃ、いつまでたってもボケッとしてる自分に気づかねぇし危機感も生まれてきやしねぇんだ。要は甘えてんだよ、あいつぁ。ここで正直に言う事は、つまりはあいつの為にも良くねぇって事なんだよ。それにおめぇ、今回の配当金の金額に納得いってねぇんだろ?だったら、いいじゃねぇか。誕生プレゼントだと思って、もらってやれよ!」
判定。悪魔君の勝利。
「それでは5,251円ですね。どうぞ。」
「どうも。」
ああ、売っちまった!悪魔に魂を売っちまった!私の魂の金額は、5,251円−3,421円=1,830円也!!ガチャッ、チンッ!!馬場君の笑顔の向こうからレジが開く音が聞こえたような気がした。
成田信金を出て、財布に金をしまうと、配当金と一緒に渡された明細書があることに気づいた。内訳を見てみると、ギョッとした。
2等−1口 ¥3,421
3等−3口 ¥1,830
合計 ¥5,251
私はマルチで購入していた。マルチというのは何通りかの賭け方ができる買い方で、いつも3通りで800円という買い方をしている。つまり、2等が当たった他に、3通り賭けた分がそれぞれ1つづつ外れたという事になり、要は3等が3通り、2等と同時に当たっているという事になる。つまり馬場君は何も間違ってはいなかったのである。
今年の誕生日で、私は28歳になった。小学校時代、中学校時代、28歳の自分を想像した時、確実に世帯をもち、確実に子供がいると思っていた。今、そうではないのが、せめてもの救いである気がした。