“密着!! 救急病院24時”
日本にいた頃、新聞のテレビ欄でこのようなタイトルを見つけるとその放送がとても待ちどおしかった。
「、、、」
いざテレビを付けてみると、つまらない。
何がつまらないかというと、外傷や障害で手術する部位にはいつも決まってボカシが入り、自分の一番みたい場面が見れなかったからである。
まぁ、患者のプライバシーや日本の国民性を考えると、それは仕方のないことだと思う。
アメリカには50以上ものテレビ番組があり、自分が気に入って見ているのが、“ER” “Trauma” “Operation” の3つ。
この中のどれを最初に見たのかはよく覚えていないが、初めてこのような医学・医療番組を見た時に、自分は物凄く驚いた。
「すっ、すげえぇぇぇぇぇぇーーー」
ナマの動き続けている臓器をボカシなしで放送しているではないか。
さらにオペ中なのに医師がカメラに向って何をどうしているのか淡々と説明してくる。
日本の番組と全く違う、、、
さて、うちの大学には医学部がない。 だから自分は手術を見学した経験がない。
しかし、うちのアスレチックトレーニング専攻には毎年2-3体の解剖用人体が入ってくるので、授業はもちろんそれ以外の時間でも先生に頼めば見ることは可能である。
Cadaverの匂いは少々耐えられなかったが、目の前で何度となく人間の内部を見たことがある。
そういう体験があるのでテレビの中で放送される人体を見ても何の抵抗も感じない。
だが、驚き続けることは今でも変わない。
例えば、教科書に「動脈を切ると真っ赤な血が勢いよく飛び出る」と説明してある。 昨日見たある番組ではそれを見事に証明するかのごとく、事故で前腕を半分切断した男性の血が“ピュー”っとまるで噴水のように飛び出ているではないか。
その他には、骨軟化症で大腿骨と脛骨の関節面がボロボロになった患者の膝関節を取り替える Knee replacement の手術内容が日曜大工作業を想像させるかのように自分には見えたこともあった。
救急医療から美容整形まで様々な分野を放送してくれているが、自分がその中で最も興味を示す内容は、“四肢の筋骨格系を取り扱った整形外科手術”
なぜなら、スポーツ外傷・障害では筋骨格系の怪我が多く、アスレチックトレーナーとしてその応急処置をよく行うから。
医師のように自らの手で手術が出来なくとも、実際に怪我の内部状態を把握することはとても勉強になる。
加えて、怪我をした選手だけでなく、コーチまたは保護者等に怪我の説明する場合、そこから学んだ知識を上手く利用出来るはず。
最後に間違っては困るのだが、自分は面白半分でこのような放送を見ている気持ちはない。
映っている患者には大変悪い気がする、だが「おかげさまで自分には良い勉強となっています」と感謝する気持ちの方が強いと思う。
だから今後もこのような番組は見続けるだろう。
そして少しでもそこから学んだ知識が現場で生かせればいいと願う。
(Tuesday,January 29,2002)